発達の遅れが疑われる場合、子どもに直接施行する検査として、K式のほかに田中ビネーⅤ、ウェクスラー式検査(WPPSI‒Ⅲ、WISC‒Ⅳ)などがあります。
K式は発達検査であり、田中ビネーⅤ、ウェクスラー式検査は知能検査です。
発達検査では発達指数(DQ)が、知能検査では知能指数(intelligencequotient:IQ)が算出されます。発達検査は、姿勢・運動面をはじめ、適応面、社会面などの行動発達のさまざまな側面を含む点で、知能検査との違いについて指摘されています。
またK式は検査用具や検査項目が子どもにとって馴染みのあるものが多く、施行順序も定められていません。
そのため、姿勢・運動面や情緒・社会面および言語面など発達的に未分化な乳幼児に対しては、子どもの状態や興味、理解に合わせて検査を実施できるK式が適当であると考えられます。
適用年齢は、田中ビネーⅤは2歳以上であり、WPPSI‒Ⅲは2歳6か月以上、WISC‒Ⅳは5歳以上となっています。
K式は0歳から可能であるため、2歳未満の子どもにはK式を選択することになります。
一方でK式の姿勢・運動領域において3歳6か月以上の項目は存在せず、第4、5葉(3~14歳)はビネー式の検査に共通している部分も多くあります。
そのため、3~14歳におけるK式の言語・社会領域の発達指数(DQ)と、ビネー式の知能指数(IQ)は類似した数値が得られる可能性が高いとの言及もあり、使用場所や目的、状況により検査を選択する必要があります。
No comments:
Post a Comment