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9月, 2019の投稿を表示しています

医療的ケア児とその家族へのケアについて

医療的ケア児の増加とその影響 新生児・小児集中治療の進歩により救命率が上昇する一方、気管切開、人工呼吸、経管栄養などの医療的ケアを必要とする重症心身障害児が増加しています。特に介護負担が大きい児は超重症児、準超重症児として認識され、長期入院や頻回入院のため新生児集中治療室( NICU )や一般小児科病棟の負担となっています。 在宅療養という選択肢 重症心身障害児施設は回転率が低く、入所者は高齢化しています。新たな施設や療養病床を増やすことは根本的な解決にはつながらず、医療的ケア児の受け入れ先として在宅は重要な選択肢です。医療的ケア児が在宅で家族と安心して過ごせることは、本人の QOL 向上、家族の精神的・社会的な安定に対して有効な作用をもたらします。 移行期医療の問題 成人期を迎える医療的ケア児に対し、成人医療への移行が検討される場合があります。また、介護する家族の高齢化も大きな問題であり、介護体制の再構築、両親への医療・介護の介入が新たに必要な場合があります。 医療的ケア児の在宅療養の実際 医療的ケア児の特徴 医療的ケア児は先天性疾患や周産期の病態に起因する疾患が多く、「医療的ケアを必要としながら長期的な療養が見込まれる疾患」、「進行性の難病や予後が限られている疾患」、「新生児期・幼児期を支えることで成長・発達が望める疾患」の 3 群に大きく分けられます。 特徴として、①予備力が少なく病態が変化しやすい、②平時のバイタルサイン、身体所見が正常範囲から逸脱している、③本人からの説明が期待できず、理解・協力が得られにくい、④病状の把握、病態説明、介護支援の点から保護者への対応が重要、などが挙げられます。 在宅療養中も各種検査や外科的介入の必要性、医療デバイスの追加などに関連して病院小児科への継続受診が必要なケースが多くなります。 在宅医療がはたすべき役割 在宅療養支援診療所は、定期的な訪問診療を行うことで普段の病状を把握し、平時の在宅療養に関するサポートを行います。 各種医療管理、医療材料の提供を行い、気管切開、胃瘻などの交換も在宅で実施可能です。 状態変化時には電話相談や臨時往診で対応します。 在宅でも採血、輸液療法、注射薬の使用などが可能であり、必要に応じて病院受診や入院を...

学齢期の吃音の対応方法や治療について

学齢初期は発達の状況に差が大きく、本人のモチベーションによっても治療の成否が変わってきます。 吃音への意識や困り感が少ない症例は治療に乗りにくいですが、低学年では幼児期と同様にリッカムプログラムが有効な場合があります。 8歳頃以降になると第2相の吃音に移行し、心理的悪循環が加わって自然治癒が少なくなります。 小学校の通級教室は地域差が大きく、教師に対して吃音についての研修の機会が与えられていない地域では、医療との連携が必要になります。 環境調整といじめ・からかいへの対応 吃ってもせかさずに最後まで聞き、吃るかどうかより、発話内容を重視するなどの態度を周囲が示す必要があります。朗読が苦手な場合は、授業では複数人で斉読するなどで困難が軽減されることがあります。順番に当てるよりランダム順に当てる方が言いやすい場合もあります。ランダム順に当てていると、抜かされても目立たないので、調子の悪い日は当てないという対応もしやすいです。何れにせよ、吃音のことをクラスに言いたいか、隠したいかなども含めて、あらゆる側面で、本人の希望を優先していきます。いじめやからかいが生じやすく、それらがあっても恥ずかしいために誰にも相談しないことも多いため、ことばの教室など、話を聞いてもらえる場を提供することが重要です。いじめやからかいが起きている場合は担任教師に断固とした対応を依頼します。低学年の場合、クラスメートには 「 わざと吃っているのではない 」 という説明も有用です。 流暢性形成法 流暢性形成法は、柔らかくゆっくり言うことで、吃らないという目標を達成するための方法ですが、幼児期と異なり発話を意識的に修正しようとすることになり、ワーキングメモリが小さい学童では、日常的に使えるようになるのは難しいです。学童後期でワーキングメモリが大きい生徒は流暢性形成法が使える ようになることもあります。 「 落ち着いて 」「 ゆっくり 」 などのアドバイスは、当人がすでに意識的に類似の努力を最大限しており、無効です。 吃音緩和法 吃音緩和法は力の入った吃音を楽な吃音にして、辛さを減らす方法です。わざと吃ることで吃音症状に慣れ、あるいは吃っても大丈夫だとわかり、過敏な情緒反応が減って 、コミュニケーションが楽にできるようになります。遊び場面から導入するこ...

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