学童期の声道の特徴
声道はさらに縦方向に長くなりますが、成人に比べると舌と口蓋は近位にあり、音産生時に舌が幅広く口蓋に接触する傾向があります。
しかし形態が成人に近付くにつれて、口蓋への接触は減少し、「た、さ」など口腔の前方で産生する音(歯茎音)と「か」など口腔の後方で産生する音(軟口蓋音)の構音場所が離れてきます。
こうして口腔内における舌の可動域が広がり、連続音産生のすばやい運動が可能となります。
学童期の音声知覚
成人と同様に文脈の助けを借りて音響信号を理解するようになりますが、連続発話のなかのことばを理解するには、成人より多くの音響情報を必要とします。
会話の中で相手のメッセージを理解する手がかりとして意味的な知識を用いることが十分発達するのは、13~19歳頃までかかると言われています。
学童期の音声産生
6歳過ぎると幼児語はほとんど使わなくなり、電話でやりとりをして必要な情報を交換することができます。
そしてかなり長い話も詳細に伝えることができます。
学齢期のことばは仲間の影響を強く受けるようになり、両親の方言と仲間の方言が異なっている場合は、仲間の話し言葉のほうを自然に使うようになります。
参考文献
1 ) 中島 誠:音声の体制化過程.児童心理学講座3 言語機能の発達,第11 版,桂 広介,園原太郎,波多野
完治,他(監),33‒67 頁,金子書房,東京,1982.
2 ) 山根律子,水戸義明,花沢恵子,他:改訂版 随意運動発達検査.音声言語医学31:172‒185,1990.
3 ) Bernthal JE,Bankson NW(著),船山美奈子,岡崎恵子(監訳):構音と音韻の障害―音韻発達から評価・
訓練まで,協同医書出版社,東京,2001.
4 ) Cheng HY, BE, Goozee JV, et al:Electropalatographicassessment of tongue‒to‒palate contact patterns and variability in children, adolescents, and adults. J of Speech, Language, and Hearing Research 50:375‒ 392, 2007.
5 ) 中村哲也,小島千枝子,藤原百合:健常発達における音韻プロセスの変化.聖隷クリストファー大学リハ
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