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9月, 2018の投稿を表示しています

機能性構音障害のおける「ふ」/ɸ/の産生訓練

機能性構音障害に方に対する「ふ」/ɸ/の産生訓練 /ɸ/は、上下唇で狭めを作ることによって産生される音です。 日本語の語音としては無声両唇摩擦音/p/があります。 誤りとしては省略が多いです。 /ɸ/を省略してしまう場合、以下のような方法を用いると良いでしょう。 /ɸ/は、口唇で摩擦を行うためには、上下唇で狭めを作り、その間をある程度以上の強さの呼気が通過することが必要なため、/ɸ/の訓練は、吹くことから始めます。 「フーって吹いて」と指示し、「フ」と聞くことができる程度の摩擦があれば、/ɯ/と結合させていきます。 「フーって吹いて」という指示でうまく吹けない場合には、 手のひらを吹く(冷たい息で)、ティッシュを吹くなど、触覚的・視覚的フィードバック を用いるとよいでしょう。 いずれの場合も、STが見本として行ってみせることが望ましいです。 触覚的・視覚的フィードバックを用いても、鼻から息を出してしまったり、口唇閉鎖が起こり/p/となってしまう場合は、呼気のみでなく吸気を意識させるるとよいでしょう。 口唇を狭めた口型を動かさず、深呼吸のように吸気から始めると前述の誤りを防止しやすいです。 /ɸ/の産生訓練の流れ ↓音声による解説はこちら↓ 機能性構音障害の音の産生で基本となる訓練 https://www.st-medica.com/2018/09/kinoukou-sannsei-kiso.html 母音の産生訓練 https://www.st-medica.com/2018/09/kinoukou-boin.html /p/、/b/、/m/の産生訓練 https://www.st-medica.com/2018/09/pbm.html /ɸ/の産生訓練 https://www.st-medica.com/2018/09/blog-post.html /t/、/d/、/n/の産生訓練 https://www.st-medica.com/2018/10/tdn.html /k/、/g/、/ ŋ/の産生訓練 https://www.st-medica.com/2018/10/kinoukou-kunren.html /s/、/z/の産生訓練 http...

機能性構音障害における 「ぱ行」無声両唇破裂音/p/、「ば行」有声両唇破裂音/b/、「ま行」両唇鼻音/m/の産生訓練

両唇破裂音は、上下唇で閉鎖を作り、破裂させることによって産生される音です。 日本語の語音としては無声両唇破裂音/p/、有声両唇破裂音/b/、両唇鼻音/m/があります。構音発達初期から見られる音であり、機能性構音障害では誤りが見られることは少ないです。 一方、両唇破裂音に誤りの見られる子どもは、多構音障害や口腔器官の運動が不器用な場合が多いです。 両唇破裂音に誤りが見られる場合には、運動障害性構音障害に準じて構音器官の運動範囲、スピード、パワーを知っておくことが必要です。 誤りは省略が主であり、破裂音において声門破裂音が見られることがあります。 /p//b//m/を省略してしまうケースでは、以下のような方法を用います。 (1)/m/から導入する 口唇を閉じさせ、「お口を閉じて、ンーって言って」などの指示で[m:]を促します。 可能となったら、母音/a/との結合を図ります。 [m:]と伸ばさせたまま/a/を続けて構音させます。 図などで連続していることを示すとわかりやすいです。 反復させることにより[a:m:a:m:]から/ma/へ導きます。 一見、「ンー」という音が出ていても、口腔内で舌背と口蓋が閉鎖して/n/や/ɲ/を行っている場合もあります。 この場合、母音と結合しようとした際[na]や[ɲa]に近い音が表出されます。 /a/と/m/の連続表出で修正可能となることもあるが、困難な場合は/p/からの導入へ変更します。 (2)/p//b/から導入する まず、頬をふくらませます。「アップップして」などの指示で行います。 ふくらませた類をSTあるいは自分の指で内側へ押し、破裂させます。 これを繰り返しながら、指を使わずに破裂できるよう少しずつ指の力を弱めていきます。 十分ふくらませることができない場合、鼻咽腔閉鎖機能や協調運動について再確認が必要です。 /p/が産生可能となったら、母音と結合させる。 この場合、口型の動きが少ない/ɯ/から始めると良いでしょう。 (3)/ ɸ/から導入する /ɸ/が可能であれば、[ɸ:]と息を出すことを促します。 その途中で両唇を閉じさせます。 自力での閉鎖が困難な場合、STが軽く両唇をつまんで閉鎖します。 これを連続的に[ɸ:pɸ:p...

機能性構音障害の方に対する母音の産生訓練

機能性構音障害の方に対する母音の産生訓練 日本語の母音は、口唇の開き(口型)、舌の挙上部位、挙上の程度で決定されています。 母音における構音の誤りに、鼻咽腔構音(鼻腔構音)、側音化構音があります。 これは、舌背が口蓋と接してしまうのが原因です。 主に/i/に見られ 、/ɯ/に見られることもあります。 鼻咽腔構音ケースの訓練方法 鼻咽腔構音ケースでは、以下のような方法を用います。 口腔から呼気を流出させることが主なねらいとなり、 イ列音のすべてに誤りが見られる場合、/i/より/ʃi/から導入するほうが容易です。 鼻咽腔構音の場合、鼻孔をふさぐと鼻腔から呼気が流出できなくなり、音が出なくなります。 その結果、鼻孔を押さえることで、口腔からの呼気流出を促せることがあります。 鼻孔をふさぐ場合、鼻をつまむと痛みやむずがゆさ、不快感を伴いやすいため、両親指の腹で、鼻孔を下からふさいでやると良いでしょう。 口腔からの呼気流出が可能な他の母音を利用する方法もあります。 /i/であれば、同じ前舌系である/e/か開口度を小さくするら導くと良いでしょう。 [e:]と発声してもらい、そのまま連続して[e:i:]の発声を促し、徐々に/e/部を短くしていきます。 /ɯ/では、同じ奥舌音である/o/から同様に促すと良いでしょう。 基本訓練の舌の脱力・安定を行い、可能となったら、舌を歯間に出した状態のまま/i/の発声を促します。 基本訓練の舌の脱力・安定については下記の記事を参照ください↓ 機能性構音障害の音の産生で基本となる訓練 舌を出すのは、舌が/i/発声時に動いていないことを、子どもに視覚的に確認させる意味があります。 /e/から/i/を促す訓練の流れ ↓音声による解説はこちら↓ 機能性構音障害の音の産生で基本となる訓練 https://www.st-medica.com/2018/09/kinoukou-sannsei-kiso.html 母音の産生訓練 https://www.st-medica.com/2018/09/kinoukou-boin.html /p/、/b/、/m/の産生訓練 https://www.st-medica.com/2018/0...

機能性構音障害の音の産生で基本となる訓練

舌の脱力・安定 習慣化した誤り構音を改善するうえで、舌の脱力・安定は重要 です。 特に、舌尖・前舌を用いて構音する音の場合、舌が緊張し、力が入ることによる舌背の挙上を抑制しなければいけません。 目標とする状態は、口を軽く開き、舌は下歯列に沿って下唇より前方に出ることなく、舌背はどこも隆起しておらず、舌縁が両口角に触れている状態です。 まず、舌を出してもらいます。STが見本を示し、模倣させるとよいでしょう。困難な場合は、「アカンベーをして」と指示すると、低年齢児にも指示理解が容易です。しかし、このように指示すると、多くの場合、力いっぱい舌を出そうとして舌尖が下方を向き、舌は緊張した状態になりやすいです。そのため、この状態から目標の位置まで後退させることと、舌を脱力させることが必要です。 力いっぱい舌を出している状態で、舌を脱力することは難しいため、舌位置を後方に下げるよう促すと、それで脱力できる場合があります。その状態で舌の脱力が難しい場合、舌のみでなく、全身を脱力して見本を示すと、結果として舌も脱力しやすいです。脱力する感覚がうまくつかめない場合は、肩を上方に上げ緊張状態を作ってから、一気に息を吐きながら脱力を促すと誘導しやすいです。 舌に力が入り、円筒形となってしまい(イモ舌、棒舌と呼ばれる)、舌縁と両口角がつかない場合も、全身の脱力は有効です。言語指示としては、見本あるいは図示しつつ、「おイモの舌でなく、お皿の舌にして」と指示するとよいでしょう。また、息を止めて行ってしまう子どもの場合、待っていると呼吸が苦しくなって脱力が見られることがあります。言語指示、視覚刺激、運動による誘導を行いつつ、偶発した正しい状態を意識させていくことが大切です。 舌出し母音 舌が脱力できるようになったら、その状態を維持したまま、呼気を流出する訓練を行います。 この訓練は、/s//t/などの歯茎音の訓練や側音化構音の訓練時に用いられます。 舌を出したまま、「ハー(あるいはヘー)って息を出して」などの指示で息を出してもらいます。その際、舌の形が変化しないよう確認します。 可能となったら、舌を出した状態で母音を産生させる。/a//e/は比較的容易なことが多く、これに対し/i//o/はやや難しい。 母音を産生しようとすると舌に...

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