スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

7月, 2018の投稿を表示しています

認知症の病態と診断に必要な知識、治療方針について

認知症の病態について 認知症患者のケアは認知症の原因疾患により異なります。 また、対応の仕方はその重症度や本来の人柄・性別により異なるため、そのケアは詳細な病歴聴取から始まります。 原因疾患の主なものは、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、脳血管性認知症、前頭側頭型認知症があり、それぞれの特徴を説明していきます。 アルツハイマー型認知症 アルツハイマー型認知症は認知症の約6割を占めます。 年齢とともに頻度が増え、85歳以上の高齢者の約半数が罹患していると言われています。 典型例では短期記憶障害、日時の失見当識、場所の失見当識の順に、ゆっくりと進行します。 レビー小体型認知症 レビー小体型認知症は認知症の約2割を占めますが、見逃されていることが多いといわれています。 レビー小体型認知症は、パーキンソン症状を伴い、症状はよいときと悪いときの差が大きく、ありありとした幻覚を訴えることが多いです。 また、抑うつ、不安、心気症状、レム睡眠行動異常も出てくることがあります。 他人の前では緊張しておとなしいため、周囲に病状を理解されにくい特徴があります。 脳血管性認知症 脳血管性認知症は認知症の約2割を占めます。 脳血管障害発症から3か月以内に認知障害を呈した例が主に該当します。 障害部位により症状が異なり、まだら認知症と言われています。 進行はしばしば急激で、多くは脳梗塞発作のたびに「階段状」に病状が悪化します。 前頭側頭型認知症 前頭側頭型認知症は、頻度は低いですが、若年性認知症の原因疾患として重要です。 侵された部位により症状が異なりますが、家族や周囲の出来事を意に介さない、周囲の人に気を使わない、仕事をしなくなり自身の変化や障害に対する病識が失われるといった特徴があります。 認知症の診断に必要な知識 詳細な病歴聴取から上記の診断がつけられることがあります。 発症が数日以内のように急な認知障害ではせん妄かどうかの鑑別が必要です。 また、reversible dementiaとよばれる脳腫瘍や慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症や甲状腺機能低下症などの治療可能な原因も、もの忘れ外来では約1割強存在するといわれています。 採血のような自院で可能な検査は初診時に実施しておくと...

在宅患者の誤嚥性肺炎予防(誤嚥しやすい患者のケア)について

肺炎は日本人の死因の3位でその90%あまりが65歳以上です。 オスラーが「肺炎は老人の友」と述べましたが、状況は今現在でも変わっていません。 特に50歳以後に誤嚥性肺炎の割合が増え、70歳以上では80%を超えるという報告もあります。 誤嚥対策は高齢者の生活の質の維持に寄与するため重要となります。 ◆病態と診断 誤嚥性肺炎の病態 誤嚥は、 ①食事中の食物誤嚥 ②食後などの胃液逆流や嘔吐に伴う誤嚥 ③夜間などの咳込みを伴わない不顕性誤嚥 に大別されます。 誤嚥性肺炎のリスク評価 意識が清明で、ムセずに水が飲むことができ、食後に呼吸や声の変化がなければ誤嚥のリスクは低いです。 高齢・脳血管障害・認知症・意識障害、呼吸不全や繰り返す発熱および鎮静薬や睡眠薬のほかさまざまな薬剤使用がリスクになります。 高齢者は、入院などの環境変化や短期間の絶食で嚥下機能が低下することがあります。 認知症のなかでもレビー小体型や脳血管障害型患者は早期から誤嚥をきたしやすいため注意が必要です。 客観的評価は、反復唾液嚥下テスト、改訂水飲みテスト、頸部聴診などがベッドサイドで実施できます。 嚥下内視鏡は、医師や歯科医師の訪問により、在宅でも可能ですが、嚥下造影検査は、設備とスタッフが必要なので病院で実施する必要があります。 ◆誤嚥性肺炎の予防策 摂食機能の保持と誤嚥の予防および誤嚥したときに備えて口腔環境を整える口腔ケアです。 ①食事中の誤嚥予防:意識状態の改善・咽頭を冷却するアイスマッサージ・調理形態の工夫・嚥下を促す声かけなどによるペーシングや一口量の調整・咽頭の知覚を高めるカプサイシンやACE阻害薬などの薬剤使用などがあります。 黒胡椒アロマの使用や「パタカラ」などの口腔体操も有効です。 片麻痺や解剖学的欠損などがあれば舌接触補助床などの補綴装置が有効なことがあり、歯科医との連携が望まれます。 ②胃液逆流・嘔吐対策:胃液逆流や嘔吐は姿勢や摂食量、腸管運動の低下に関係し、経管栄養で発生しやすいです。 対策は食事量の調整、食後1時間は頭部挙上姿勢を保持する、腸管蠕動を改善する薬剤の使用などで、経管栄養の場合は半固形化も効果があります。 ③絶食や経管栄養でも唾液や逆流した胃液を誤嚥する不顕性誤...

在宅口腔ケアの重要性について解説

在宅療養者や病院・施設に入院・入所している多くの高齢者は、ADL(日常生活動作)の低下や障害のために、口腔清掃状態が悪化し、口腔機能が低下している方が多い。 口腔ケアは単に口腔清掃(器質的口腔ケア)をするのみではなく、口腔機能の維持・回復(機能的口腔ケア)をも提供するもので、口腔疾患のみならずさまざまな全身疾患を予防しQOLの維持につながります。 「食事を美味しく食べる」という人間としての根源的要求を叶えるためにも、生活環境、介護度、疾病の有無、残存歯の有無などを問わず、すべての療養者に口腔ケアは提供されなければなりません。 口腔ケア実施者について 在宅の現場では口腔ケアにかかわる職種は多く、医師、歯科医師、歯科衛生士、訪問看護師、訪問薬剤師、訪問管理栄養士、介護職、リハビリ職、介護支援専門員、などが挙げられます。 療養者本人、療養者を支える家族を加え、絶えず新しい情報を交換・共有しながら、身体の状態に応じた正しい口腔ケアを多職種で協働して提供することが大切です。 口腔ケアの実際 口腔清掃(器質的口腔ケア)について 口腔内の食物残渣、感染源となるデンタルプラーク(細菌)は含嗽やブラッシングなどで除去しなくてはなりません。 可能な範囲で療養者本人(セルフケア)に行ってもらいますが、ADLの低下、手技不良のため、除去しきれず残留していることも少なくありません。 そのため、家族や介護職によるブラッシングの介助は必須となります。 定期的に歯科医、歯科衛生士が専門的な口腔ケアを行い、介助者は適切な清掃法の指導を受けながら日常の口腔清掃を継続実施することが求められます。 口腔機能回復(機能的口腔ケア)について 口腔機能の低下は、低栄養、脱水、誤嚥、窒息、食べる楽しみの喪失などを引き起こしADL、QOLに多大な影響を及ぼします。 在宅では、反復唾液嚥下テスト(RSST)や改訂水飲みテスト(MWST)などで、口腔機能を評価し、可能であればプランに基づき、食物を用いない間接訓練や食物を用いた直接訓練を行います。 間接訓練には、のどのアイスマッサージや、頭部挙上訓練、唾液腺マッサージ、呼吸(咳嗽)訓練などがあります。 直接訓練は療養者本人の意向を尊重し、体位や食形態を工夫して誤嚥の防止を図りながら安全に行います。 ...

褥瘡の病態や評価・治療方針について解説!

病態と評価について 病態 褥瘡とは、「圧迫、ずれや剪断力などの外力の持続による局所の循環不全の結果、不可逆的な阻血性障害により生じる皮膚や皮下組織の損傷」のことをいいます。 発生や悪化には、局所的要因、全身的要因、社会的要因など複雑に関与します。 評価 評価は、視診、触診で総合的に行います。 好発部位は、骨突出部や圧がかかる部位です。(仙骨部、坐骨部、踵部、大転子部、背部、頭部など) 皮膚の色調変化、消退しない発赤などは褥瘡を疑って皮膚の観察を行います。 褥瘡発生後から1~3週間は、局所状態が不安定であり、重症度など病態の判断が困難となります。 経過とともに進行することを想定し、こまめな創部の観察を行います。 鑑別診断は、反応性充血、末梢動脈疾患、皮膚悪性腫瘍による潰瘍、接触性皮膚炎、膠原病による皮膚潰瘍、真菌症などで、これらを除外する必要があります。 重症度および経過の評価には各種評価ツールがあります。 深さ、浸出液の量、大きさ、炎症/感染の有無、肉芽組織の形成、壊死組織、ポケットの有無などから評価します( DESIGN-R 、日本褥瘡学会、2008)。 治療方針について 褥瘡は、予防、治療ともに、褥瘡発生危険因子の評価、危険要因の除去が基本となります。 危険因子の評価には、 ブレーデンスケール (「知覚の認知」、「湿潤」、「活動性」、「可動性」、「栄養状態」、「摩擦とずれ」の6項目をスコア化)などが用いられます。 予防 体位変換 自力体位変換能力がない場合、基本的には2時間ごとの体位変換が推奨されています。 体圧分散寝具 自力体位変換能力の有無を基に体圧分散寝具の素材を選択します。自力体位変換能力がある場合は可動性を妨げないことを優先します。 自力体位変換能力がない場合は体圧分散を優先します。 適宜アセスメントを行い、状況に応じて寝具を変更していきましょう。 坐位での体圧分散用具 坐位を保持できるようにウレタンクッションを用います。 坐位姿勢に問題がある、あるいは坐位がとれない場合には、車いすの変更やエア、ジェルクッションを使用すると良いでしょう。 リング型あるいはドーナツ型円座は底付きの原因となるため使用しないようにしましょう。 スキンケア...

入浴による循環動態への影響と変動が少ない入浴方法について解説!

はじめに 入浴は日本人の文化として深く根付いているため、入浴のケアでは、正しい知識をもち、生活に医療が無用な制限をかけないようにすることが重要になります。 入浴の効果としては、皮膚を清潔に保つ、末梢循環の促進により新陳代謝を活性化する、適度な温熱刺激は心身の緊張を緩和し、鎮静をもたらすこと等が知られています。 一方で他国と比較し、日本の冬期の高齢者を中心とした入浴にまつわる死亡は多いことが知られています。 死因は溺死をはじめとして、心疾患や脳疾患と診断されていることが多いようです。 入浴による循環動態への影響について 入浴は、自律神経・発汗・静水圧により循環動態に作用をします。 自律神経の働きとしては、入浴前および入浴直後は交感神経が働き、血圧が上昇します。 その一方、入浴中は副交感神経が働き、血圧が低下します。 長時間の入浴により発汗し、循環血液量が低下します。 また、静水圧のため循環血液量が増加し、心負荷が増大します。 横隔膜までと比べ、首まで浸かった場合は、胸郭の動きも制限されることによって、より心負荷が増大し、呼吸機能にも影響します。 循環動態の変動が少ない入浴の方法 入浴にまつわる事故を防止するために、高齢者や心疾患・呼吸器疾患のある患者に対しては、循環動態の変動が少ない入浴の方法を検討することが必要となり、以下のような対策が有効となります。 1)部屋を温める。 2)39℃程度のお湯で5分程度の入浴。 3)食直後や深夜に入浴しない。 4)高齢者や心疾患・呼吸器疾患患者は、横隔膜までの入浴。 5)入浴に比べてシャワー浴のほうが、循環動態に変動が少ない。 ケアにまつわる入浴の話題 発熱時に入浴を控える明確な根拠はありません。 発熱時に入浴を控えるのは日本固有の習慣である。これは、昔はお風呂が屋外にあり、屋内との気温差があったためではないかといわれている。欧米ではむしろ発熱時にはぬるめの湯に入浴させる習慣があります。 高血圧で入浴を制限する根拠となる研究はありません。 血圧の高低よりも、血圧の変動が入浴にまつわる事故にかかわっているため、循環動態の変動が少ない入浴方法を検討するべきです。 術後は48時間以降で入浴許可可能といわれています。 CDCガイドラインには...

尿失禁のタイプごとの排泄ケアや対応方法について解説!

高齢者に最も多く認められる排泄障害は、尿失禁です。 尿失禁は、患者に苦痛を与え、生活範囲を縮小し、生活の質を低下させるため、適切なケアが重要となります。 高齢者の尿失禁のタイプについて 高齢者の尿失禁には、尿路感染症、精神疾患などによる 一過性尿失禁 と、4タイプに分類される 慢性尿失禁(機能性、腹圧性、切迫性、溢流性) があります。 一過性尿失禁は、原因を取り除くことで、改善が得られることが多いです。 慢性尿失禁は、タイプが重複することが多いため、苦痛を与えているタイプを把握し、泌尿器科医、かかりつけ医、看護師、介護者がチームとして対応することが重要となります。 排泄ケアの方法について 尿失禁を減少させるケア 機能性尿失禁 認知症患者における機能性尿失禁のケアでは、排尿自覚刺激行動療法が有効 といわれています。 排尿自覚刺激行動療法は、介護者が患者の尿意や失禁の有無を定期的に確認(介入初期は2時間ごと)し、排尿の意思に応じてトイレに誘導します。 さらに問題なく排尿できた場合は賞賛するというもので、能力の再獲得を目的に行われます。 身体能力の低下に伴う機能性尿失禁に対しては、トイレに行きやすい場所での生活、ポータブル便器および尿器の使用、衣類の工夫(脱衣しやすい衣類など)を検討します。 腹圧性尿失禁 腹圧性尿失禁がある方には、骨盤底筋運動が有効 といわれています。 肛門に軽く指を添え、肛門が収縮していることを確認できれば、骨盤底筋運動を正しく実施できている確認になります。 切迫性尿失禁 切迫性尿失禁の方へは、排尿日誌に、自立排泄と失禁を記録し、状況に合わせた排尿介助(一定の時間にトイレに誘導すること)を行います。 膀胱訓練(尿意を感じても気を紛らわせ、排尿間隔を延ばすこと)が有効なこともあります。 溢流性尿失禁 溢流性尿失禁は、前立腺肥大症や神経因性膀胱による尿排出障害が原因となります。 そのため、泌尿器科専門医へのコンサルタントが必要です。 溢流性尿失禁を疑う所見として、膀胱内尿貯留に伴う下腹部膨満が挙げられます。 尿失禁への適切な対応 環境の整備 患者の尿意、伝達能力を把握し、言葉による意思疎通が困難な場合は、ナースコールや鈴などを用いた伝達方法を試...

ことばの発達を促す「ことばかけ」の方法「ミラリング」「モニタリング」「パラレルトーク」「セルフトーク」「リフレクション」「エキスパンション」について言語聴覚士が解説!

赤ちゃんの動きをまねる「ミラリング」 生後2ヶ月くらいまでは、赤ちゃんは、身体を大きくすることに懸命ですが、3ヶ月、4ヶ月以降は、自分で身体を動かせるようになってきます。 目もだいぶ上手に使えるようになってきます。 赤ちゃんが手足をバタバタさせたら、大人も真似て手をパタパタさせてみたり、まねをしてあげると良いです。 おすわりができるようになったら、ベッドのさくをガタガタさせるのを一緒に真似て遊んだり、積み木をトントン打ち合わせるのを真似てみたり、いろんなことができます。 赤ちゃんは、自分と同じ動きをしてくれる大人に、興味をもち、「この次も、また真似をしてくれるかな?」と大人の様子を観察しながら、誘いをかけてきたりします。 鏡に映すように真似るという意味で「ミラリング」といいます。 赤ちゃんの出す声や音をまねる「モニタリング」 赤ちゃんはごきげんなときに、唇を使って「ブーブー」「ブーブー」と言ったり、「フニャー、ウニャー」と声を出したりします。 こういう意味のない(と大人にはみえる)声を真似して返してあげることで、赤ちゃんは「音を出すこと」「音を出すと、あっちから同じ音が返ってくること」を楽しむようになり、話をする楽しさを知るようになっていきます。 このことを、音を拾ってモニターする意味で、「モニタリング」いいます。 赤ちゃんの状態や気持ちを代わりにことばで言ってあげる「パラレルトーク」 赤ちゃんが、おやつを食べながら幸せそうな顔になったら、「おいしいね」といい、ミルクがこぼれてエプロンがびしょびしょになったら、「あら、びしょびしょになっちゃったね」などと言います。 どこかにゴチンとぶつけたら「痛くない!」ではなく「イタイ、イタイね」などと言ってあげましょう。 そういった言葉かけを行うことで、大人はボク(ワタシ)のことを「よく分かってくれているんだな」という安心感が、子どもの一生を支える宝物になります。 子ども平行していうので、「パラレルトーク」といいます。 お父さんお母さんが自分の口に出していう「セルフトーク」 お風呂に入ろうとしている時にバスタオルが見つからない。「あれ?バスタオルどこだろう?」 怪訝そうな顔をしてみているこどもに「バスタオルを探しているんだよ」...

誤嚥性肺炎の予防と栄養管理などのケアについて言語聴覚士が解説!

今回は、高齢者においてよくみられる誤嚥性肺炎の予防と栄養管理などのケアについて説明していきたいと思います。 誤嚥性肺炎の病態と評価・診断方法 病態について 高齢者では、認知症の進行や摂食嚥下機能の低下、全身機能の低下などにより誤嚥性肺炎を発症することがあります。 発熱や炎症を伴う誤嚥性肺炎を繰り返すと、栄養状態の悪化やADLの低下をきたすため、まずは誤嚥性肺炎を繰り返さないための予防が大切となります。 そのためには口腔内を清潔に保つことに加え、摂食・嚥下機能の評価と食事の工夫を含めた栄養管理が重要となります。 摂食・嚥下機能の評価について 嚥下機能の検査法には、 反復唾液嚥下テスト(RSST:repetitive saliva swallowing test) 、 改訂水飲みテスト(MWST:modified water swallow test) 、 フードテスト 、 嚥下造影検査(VF:videofluoroscopic examination of swallowing) 、嚥下内視鏡検査(VE:videoendoscopic examination of swallowing)などがあります。 検査結果は藤島の摂食、嚥下能力グレードや、才藤の摂食・嚥下障害の重症度分類などで段階分けをします。 栄養管理について 摂食・嚥下グレードに準じて、嚥下食や嚥下訓練食など食事の工夫が必要となってきます。 嚥下調整食の分類については、日本摂食・嚥下リハビリテーション学会 「嚥下調整食分類2013」 を参照すると良いでしょう。 「嚥下調整食分類2013」はこちらからPDFファイルで開くことができます↓ https://www.jsdr.or.jp/wp-content/uploads/file/doc/classification2013-manual.pdf 嚥下機能が正常でも、十分な栄養量を確保できない場合は、メイバランスミニなどの栄養補助食品などで補充する必要があります。 また、食事量が十分でない場合には、Na・Kなどのミネラルや亜鉛・鉄などの微量元素が不足するので注意する必要があります。 誤嚥性肺炎の治療方針 嚥下機能評価の結果、少しでも経口摂取が可能な場合は経口摂取を継続することが望...

きょうだいげんかの理由や意味について言語聴覚士が解説!

大人からの注目 すでに子どもがいる家庭に、またひとり子どもが生まれると、きょうだいという関係が生じる。 このきょうだいの出現は、まったく自然なことなのだが、当の子どもたちにとっては非常に大きな生活環境の変化である。 家庭のなかでの最初の子どもは、多くの場合、両親やその他の家族の注目を一身に浴びながら育つ。 ここでいう注目とは、視線を向けること、声をかけること、笑顔を向けること、指示すること、叱ることなど、子どもにあらゆる種類の信号が送られることを指す。 注目を受けることは、人間にとって行動の原動力となる。 新たな料理に挑戦して、「おいしかったよ」「新しいレパートリーが増えたね」などと言われると、この料理をまた作ってみようと、さらに新たな料理に挑戦しようという気になる。 仮に、「いまひとつ、おいしくないな」と言われても、それはそれで、今度はもっとうまく作ろうとか、残念だったけど次はもう少し工夫してみようなどと思うものである。 しかし、まったく何の反応も得られないと、新しい料理に挑戦しようといった意欲がそがれていってしまう。 乳幼児期は、大人に比べて、よい子でいたい、よい子であることを認めてもらいたい、あるいはいろいろなものごとが“できる"ことを認めてもらいたいという素朴な気持ちを持ち、またそれを素直に表出できる時期である。 幼児の生活には、周囲の大人が与える注目が、より大きな影響を及ぼしているのである。 きょうだいが生まれると、周囲の大人から与えられる注目が激減する。 大人の注目はより小さい子どもに向けられることが多いので、注目の減少は、半減以上のものがある。 そのため、きょうだいが生まれることは、それだけで子どもにとっては大きなストレッサーをかかえることになるのである。 このようなときに子どもは、赤ちゃん返りをしてより幼い時期に特徴的な行動をしたり、不適切な行動をして親や周囲の大人の注目を取り戻そうとさまざまな努力をする。 自己主張と譲歩 きょうだいが生まれてしばらくたつと、きょうだい間での争いが生じることがある。 子どもは2~4歳頃に第一反抗期を迎え、親の意図とは別個に自らの意図を主張したり自ら物事を決断したいということを主張するようになる。 これが自我の芽生えと呼...

アーカイブ

もっと見る