機能性構音障害に対する構音訓練の開始年齢ついて
機能性構音障害の訓練開始年齢については、一般的には言語発達レベル4歳程度以上が適切であるといわれています。
ただし、誤りの起こり方や誤り方に一貫性がない場合や、被刺激性が見られる場合は、獲得の段階にあるので自然治癒する可能性も高いと考えられています。
しかし、本人が構音のことを気にして話さなくなる、いじめの対象にされるなど、社会心理的に不適応症状がある場合には構音訓練の適応となります。
また、誤り音を指摘されて話すことを避けようとするなど、二次的な問題が見られた場合も、構音訓練を積極的に検討する必要があるといわれています。
多田らは99例の機能性構音障害症例の検討で、訓練が順調に進まなかった要因として、訓練音数が多い、訓練開始年齢や訓練終了年齢が高い、低年齢で動機づけが低い、高年齢でコンプレックスが強く自信がもてない、訓練が就学に掛かり通院が困難となる場合などを挙げています。
さらに、訓練結果と訓練開始時期には関連があり、訓練開始が7歳以上になると訓練結果が「ほぼ正常」にとどまる症例が多く、就学後の構音訓練のほうが訓練効果は悪くなる結果となっています。
これらを考慮すると、発音に問題をもつ症例への介入は、就学前が妥当であると考えられます。
また自然治癒するであろうと考えられている症例においても、自然治癒しない症例も存在します。
構音の評価や音に結びつけた指導は専門性の高い領域であるため、言語聴覚士の介入時期の判断については、一般的な適応に縛られることなく、症例ごとに生活環境や対人関係なども考慮して慎重に検討すべきであると思われます。
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