悪心(おしん)と嘔吐(おうと) 悪心(おしん)とは? 悪心とは、吐きたいと感じる不快な感覚をいいます。 嘔吐(おうと)とは? 嘔吐は、胃や腸の内容を勢いよく吐き出す症状をいいます。 通常、吐き気(嘔気)と嘔吐は連続した症状として起こることが多いです。 嘔吐は生体の防御反応のひとつであり、病的状態の前兆となる場合もあります。 嘔吐に際しては、顔面蒼自、冷汗、唾液分泌過多などの自律神経症状を伴うことが多いです。 嘔吐中枢は延髄の外側網様体にあるが、悪心・嘔吐は種々の原因でこの嘔吐中枢が刺激されることにより起こります。 嘔吐の原因は、中枢性嘔吐と末梢性嘔吐とで大別されます。 中枢性嘔吐は、嘔吐中枢に物理的刺激や化学受容器(chemicalreceptor)を介する化学物質が作用した場合などに起こます。 一方、末梢性嘔吐は、消化器や他臓器からの刺激が嘔吐中枢に作用して起こります。 中枢性嘔吐の原因 脳圧克進:脳外傷、脳出血1脳浮腫1髄膜炎など 外因性化学物質:モルヒネ、ニコチン、ジギタリス、アルコールなど 全身性疾患:急性感染症、つわり、尿毒症、重症肝炎1副腎皮質機能不全 高位中枢を介する刺激:視覚・味覚・嗅覚への不快な刺激、精神的要因 酸素欠乏?:高山病 末梢性嘔吐の原因 舌、咽頭への機械的刺激、炎症 前庭神経刺激:メニエール病、中耳炎;乗り物酔い 消化管の閉塞:アカラジア、食道癌、腸閉塞 胃・腸粘膜の刺激:胃炎、腸炎、胃潰瘍i胃癌 腸のセロトニン受容体刺激:抗癌剤(特にシスプラチン) 腹膜への刺激:腹膜炎=虫垂炎、胆石発作1鼓腸 その他:肝炎、胆嚢炎、膵臓炎