混合型超皮質性失語の症状
混合型超皮質性失語は、復唱以外のすべての言語機能が重度に障害された失語症です。復唱は他の側面と比較して明らかに良好ですが、正常ではないことも多く、その基準は曖味で報告によってかなりの幅を持っているのが現状です。
単語レベルの復唱の報告例もありますが、数語ないしは短文の復唱ができるものを混合型超皮質性失語とするべ きであり、WABの基準では5以上の得点としています。
復唱時の構音は基本的には明瞭であすが、多少の障害は容認されます。
無意味音節や未知の外国語単語の復唱も短いものは可能なことが多いと言われています。
文法的誤りを含む文の復唱については、訂正を行う場合 とそのまま復唱する場合の両者があります。
開始の手掛かりを与えた場合の歌唱能力や連続的発話(数唱など)および文の補完現象はじばしば認められます。
これらに比べて頻度は低いですが、残存しやすい能力として理解を伴わない音読があります。
復唱とその際の良好な構音と一部の例における音読を除けば、他の言語側面は全失語と同様の障害があると考えて良いと言われています。
自発話はほとんど無いかわずかな常同言語に限られ、話 し言葉の理解は単語レベルでも明らかな障害があります。
呼称はまれな例を除いて不可能です。
書字は重度に障害されていますが、写字ができる例の報告もあります。