超皮質性感覚失語の症状

超皮質性感覚失語の症状

流暢な発話、理解障害、良好な復唱が特徴の失語症タイプです。
自発話は流暢ですが、喚語困難のために中断することがあるほか、迂遠な言い回しもみらます。錯語は、一般的に語性錯語が主体と言われていますが、音韻性錯語が多くみられる例も報告されています。内容は空疎であったり、状況にそぐわない場合が多く、正常に近い発話を示すことは少ないと言われています。
聴理解は基本的に重度であり、単語レベルでも障害があるとすべき考え方がある一方、ウェルニッケ失語よりは軽くてよいとする場合もあるようです。英語版WABの基準では、比較的軽い例も含めています。
復唱は良好ないしは完璧で、無意味音節や外国語、意味の通らない文章でも復唱できることが多く、反響言語もよくきかれます。
復唱については、音韻の認知から直接音韻の再現に至る直接的経路と語彙性経路の両者によって行われると考え られており、Coslettらによれば、古典的超皮質性感覚失語では両方の経路が保たれているが、直接的経路のみで復唱を行う亜型もあるといっています。
後者と考えられた症例では,音韻性錯語が比較的多く、復唱で統語の誤りの修正は行われなかった。
呼称は、特殊な例を除いて重度に障害されており、検者から正答を与えられてもそれとわからないことがあります。
読みは、音読は可能ですが、読んだ単語や文章の理解は話し言葉の理解と同程度に重く障害されていると言われています。
書字は、ウェルニッケ失語患者と同様に、個々の文字は書けても内容のある文章を書けませんが、単語ない しは短い文章の書き取りができる場合があります。