WAB失語症検査の流暢性尺度

WAB失語症検査日本語版の流暢性尺度

(0)全く単語がないか、短かくて無意味な発話である。
(1)多様なイントネーションをもった紋切型の言葉 が頻発し、何らかの意思を伝えられる。
(2)1語文で錯語、努力性、渋滞が認められる。
(3)頻発する流暢な言葉か、ぶつぶつ言う非常に小さい声のジャーゴンである。
(4)つっかえる電文体の発話。ほとんどが1語文で、しば しば錯語になる。時々、動詞や助詞を伴う。 文は、「ちょっとわかりませんね」のような決り文句 だけである。
(5)しばしば電文体であるが、(4)よりは流暢な発話であり、文法的に正しい構造をした部分がある。 錯語が目立つこともある。命題文はほとんどみられない。
(6)完全な命題文がふえる。正常な統語法のパターン (正しい文法用法の意)が見られることもある。錯語がみられることもある。
(7)日本語の統語法のリズム上存在しうる発話であるが、音韻変化や新造語を伴う音韻性ジャーゴンである。常に流暢であり、多弁なこともある。
(8)迂遠な表現をし、流暢な発話、顕著な喚語困難があ り、語性錯語がある。意味性ジャーゴンが見られることもある。文は多くの場合、完全であるが、状況に不適切 な内容のことがある。
(9)ほとんど完全で適切な文である。時にためらい や錯語がある。多少の喚語困難がある。構音の誤りが多少みられることもある。
(10)正常な長さと複雑さをもった文で、明らかな遅さやためらい、あるいは構音の障害がない。錯語はない。