読解の音韻ルート





読解の音韻ルート

仮名単語「えんぴつ」を/え//ん//ぴ//つ/と 、1文字ずつ音韻に変換してから語彙照合し、意味の理解に至る場合に音韻ルート(読解)を通ります。
1.文字入力〜3.文字照合 (入力文字辞書)までは、こちらを参照ください↓

4.文字 /音韻変換

ここでは、文字照合 (入力文字辞書)の段階で照合された文字を1文 字ずつ音韻に変換する処理が行われます。 変換に成功すると、脳内の入力音韻辞書で、その文字に対応する音韻表象が活性化され、「心 の中で音読している(黙読)状態」となります。
文字 /音韻変換 とは、「文字辞書内で活性化 した特定の文字が、入力音韻辞書で照合を 受けること」です。 ですから、両辞書間に正しい対応関係が保たれていなくてはならないわけです。
文字 /音韻変換規則のことを、英語 では grapheme/phoneme conversion rule(GPC ru!e)といいます。 文字 /音韻変換の障害が起こると、それが文字であるということは分かるにもかかわらず、その文字から正しい音韻を活性化させることができない状態となります。 具体的には、 どのように読むのかが分からなかったり、誤った読み方をしてしまったりすることになります。

5.語彙照合 (入力語彙辞書)

次の段階は、聴覚的理解 (単語)の語彙照合と共通の処理過程になります。 /enpitsu/という4モーラからなる音韻列が語彙であるかどうかを、入力語彙辞書に照らし合わせる処理になります。 語彙照合 (入力語彙辞書)の段階で障害が起こると音韻列が語彙か非語彙かを判断することが難しくなります。

6.意味照合 (意味記憶の活性化)

語彙であると捉えられた後は、聴覚的理解 (単 語)の 場合と同じように、その語彙/enpitsu/に 対応する意味記憶を活性化させるという最終段階に入ります。 その人の認知体験に応 じた鉛筆の意味記憶に基づく、様々な鉛筆の視覚的表象や、聴覚的表象が活性化することになります。