音響分析(単語の聴覚的理解)
音響分析は、単語理解までの二段階目です。
音は内耳 (蝸牛)で、電気信号に変換された後、蝸牛神経核→上オリーブ核→下丘→内側膝状体と、聴神経を上行し、側頭葉の1次聴皮質(横側頭回)に到達します。
その間に、母音の弁別に必要な周波数特性 (フォルマント構造)や、子音の知覚に必要な時間的変化 に関する詳細な特徴分析が行われます。
この段階を「音響分析」 と呼びます。
音響分析の段階の障害
音響分析の段階の障害大きく分けて2種類あります。
第1次聴皮質もしくは皮質下(聴放線)が両側とも損傷された場合
第1次聴皮質もしくは皮質下(聴放線)が両側とも損傷された場合では、音は聞こえるのですが、言語音や動物の泣き声・乗り物の音、電話の音等の環境音、音楽のメロディーなど、いずれも認知困難になります(狭義の聴覚失認)。
損傷が左右いずれか一側の場合
損傷が左右いずれか一側の場合では、障害は比較的言語音に限定されます(広義の聴覚失認)。
この症状は、言語音に関する聾という意味で、古くから語聾 (word deafness)という用語で知られてきました。 近年では、語音聾 (word sound deadness)と呼ばれています。
auditory neuropathy、auditory nerve diseaseといった聴神経レベルの疾患でも、純音聴力の閾値上昇が軽微であるにもかかわらず、語音の間き取りが障害される場合があると言われています。
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