ワレンベルグ症候群患者の特徴
唾液嚥下困難
急性期では唾液嚥下が困難な例が多いです。 そのため、自身でティッシュペーパーに喀出している場面が見かけます。 夜間はティッシュペーパーを1箱以上使用することも珍しくないといわれています。 唾液喀出量の減少が、嚥下機能改善を確認する 1つの指標となります。
栄養摂取方法
急性期では、経鼻胃経管栄養法が主となります。 回復期リハビリテーション時に、バルーン訓練を行うためには、咽頭部をフリーにする OE 法(間欠的口腔食道経管栄養法)、または胃瘻の選択が必要となります。 嚥下機能に改善が見られれば、その改善に合わせて摂取量、回数、食事形態に注意しながら経口摂取を進めていきます。
咽頭機能の左右差
食塊の通過側は、非麻痺側が優位であることがほとんどです。しかし、急性期には麻痺側優位に通過する症例も見られます。この詳細はVF(嚥下造影検査)の正面像で検討することができます。
高次脳機能
認知症を合併しているケースを除いて、高次脳機能には問題が見られないケースが多いです。 そのため、自主訓練として頭部挙上訓練やバルーン拡張法などを積極的に進めていくことが可能です。
ADL
小脳の脳血管障害の合併などによっては、失調症状を呈し歩行が困難になることもありますが、急性期から独歩可能、トイレ動作、ADL 自立というケースも珍しないと言われています。