誤嚥性肺炎の胸部聴診
誤嚥性肺炎の胸部聴診では、肩甲線上の第8肋間のあたり、特に背中からみて右の下側(肺のS6またはS10領域)を重点的に聴診する必要がある。
誤嚥性肺炎の聴診音の特徴
・息の吸い始め
息の吸い始めた時の「プツッ」「プツッ」とした低音が聴取される。・息の吸い終わり
息の吸い終わりには「バチバチ」「パリパリ」という低音に変わる断続性ラ音(水泡音)が聴取される。誤嚥性肺炎になりやすい領域
左肺の気管支の分岐角が約45度に対して、右肺の気管支は分岐角が約25度と鋭角で、さらに短くて太いため入ってきた異物が落ちやすくなっているため、肺のS6(下葉上下葉区)やS10(下葉後肺底区)の領域に誤嚥性肺炎が起こりやすいと言われている。
まとめ
・誤嚥の疑われる高齢者では、肩甲線上の第8肋間のあたり(特に背中からみて右側)を重点的に聴取する必要がある。
・断続性ラ音が聴取されるのは、粘い痰が絡まって開きにくくなった肺胞が、吸気によって一気に広がったり、気道内に付いた分泌物が破裂するためである。