低栄養の原因





低栄養の原因


飢餓

炎症を伴わない:CRP(-)
エネルギー摂取量<エネルギー消費量
体重や筋肉量が減少し、低栄養となる。

侵襲

中等度~高度の炎症を伴う:CRP(+++)
手術、外傷、熱傷、急性感染症など、急性炎症によって低栄養となる。

悪液質

軽度~中等度の炎症を伴う:CRP(+~++)
がん、COPD、慢性心不全、慢性腎不全、慢性肝不全、膠原病、慢性感染症など、慢性的な炎症によって低栄養となる。



左半側空間無視の各種の重症度分類





左半側空間無視の各種の重症度分類


●福井(1981)

grade 1
ときにはT片側空間の物体を認知しないこともあるが、ADL上ほとんど支障をきたさない。
grade 2
両側から同程度の視覚的刺激を与えると、片側の全部または一部を見落とす。しかし片側からだけの刺激は全部認知できる。
grade 3
片側のみからの刺激にたいしても末端部分を見落とす。
grade 4
片側のみからの刺激にたいしても全部分を見落とす。
空間軸変位、崩壊現象等を伴うことが多い。
grade 5
片側をまったく無視し頸を回すことも、視線を向けることもしない。空間軸変位、崩壊現象等を伴う。

●御園生ら(2001)

軽度
BIT行動性無視検査カットオフ点以下の下位検査数:通常検査1~2、行動検査1~3
中等度
BIT行動性無視検査カットオフ点以下の下位検査数:通常検査3~4、行動検査4~6
重度
BIT行動性無視検査カットオフ点以下の下位検査数:通常検査5~6、行動検査7~9

●鈴木ら(2012)

軽度
対座法にて、不意な声かけだけで視線を左側に向けることができる。
中等度
対座法にて、視覚や聴覚で誘導すれば視線が正中線を越える。
重度
対座法にて、患者が努力しても視線が正中線を越えず、追視も右視野内でしか行えない。

●千葉リ八ビリテーションセンター(2013)

軽度
BIT行動性無視検査(BIT)はカットオフ点以下の下位検査はないが日常場面でときに麻痺側を見落とす。あるいは、BITでカットオフ点以下の下位検査はあるが、日常場面では見落としはみられない。
中等度
声かけや誘導等の介入があれば、麻痺側へ注意を向けることが一部可能。BITは実施可能。カットオフ点以下の下位検査がある。
重度
RNR、RTR、眼球運動障害等、身体機能面と密接に関係し無視症状が著明。行動修正困難。BITをすべて実施できない場合が多い。



意識障害の分類





意識障害の分類


意識混濁

(=意識レベルの低下、狭義の意識障害)
 ①傾眠 somnolence:軽度の刺激で開眼するが、刺激がないと眠ってしまう。
 ②昏迷 stupor:強い刺激でのみ開眼する。
 ③半昏睡 semicoma:強い刺激にわずかに反応。
 ④昏睡 coma:いかなる刺激にも反応しない。

意識変容

(=意識内容の異常)
 ・せん妄、もうろう状態など。


BIPAP と BiPAP





BIPAP と BiPAP


BIPAP と BiPAPは似ていますが違うものです。

BIPAP(biphasic positive airway pressure)

BIPAP(biphasic positive airway pressure)は二相式陽圧換気と表現
され、高圧相と低圧相の 2 つの PEEP レベルが一定の時間で繰り返される換気モードのことを言います。
CPAP の変法ともいわれています。
この換気モードは人工呼吸器 Evita® シリーズに搭載されています。

BiPAP

BiPAPはRespironics社が開発したNPPV専用の人工呼吸器の商品名のため、換気モードではありません 。
BiPAP® Vision® という人工呼吸器の機種があり、CPAP、PSV、S/T モードを搭載しています。



PEEP の特徴





PEEP の特徴


PEEP は呼気終末陽圧のことを言い、ピープと読みます。

呼気のときに気道内圧がゼロになる
と肺胞がつぶれてしまいますが、このときに、一定の陽圧をかけておくと肺胞がつぶれにくくなります。

そのため、ガス交換が行えるようになり、酸素化に有利になるようです。

PEEP の副作用としては、高い PEEP をかけると、圧損傷や胸腔内圧が上昇することによる循環抑制(血圧低下、それによる尿量低下、浮腫など)をおこしやすくなりますので注意が必要となります。



圧制御換気(圧規定式換気) PCV の特徴





圧制御換気(圧規定式換気) PCV の特徴

PCVとは

PCVは(pressure ‐ control ‐ ventilation):圧制御換気(圧規定式換気)の略です。
メリット、デメリットは以下の通りです。

メリット

①肺胞や気管支に均等な圧力をかけて換気するため、低い気道内圧を保つことができます。また、平均気道内圧を高くできるため酸素化能も高くなります。

②少しの回路リーク、カフ漏れが生じても 1 回換気量は保たれます。

デメリット

①挿管チューブの折れや閉塞が生じると換気量が減少してしまいます。

②無気肺や痰詰まりで換気量が減少してしまいます。

③吸気時間の設定によって換気量が減少することがあるので、流量波形で確認しなければいけません。

④換気量をモニターできる機種でないと、チューブの折れや閉塞、無気肺、痰詰まりなどによる換気量の不足に気付くことが難しく、重大な事故につながってします。



量制御換気(量規定式換気) VCV の特徴





量制御換気(量規定式換気) VCV の特徴


量制御換気(量規定式換気)VCVは、volume ‐ control ‐ ventilation)の略です。
メリットデメリットは以下の通りです。

メリット

① 1 回換気量を保証する(回路などのリークがない場合)。
②チューブ閉塞・痰詰まり時に気道内圧が上昇する。
③換気量アラームのない機種では PCV より安全である。

デメリット

①回路リーク・カフ漏れ時に 1 回換気量が減少する。
②健常な肺胞(コンプライアンスが高い)や開存度の高い気管支領域の肺胞が優先的に換気されるため、過膨張が起こる。



スピードを変えて歩くとカロリー消費量が上がる





スピードを変えて歩くとカロリー消費量が上がる

ウォーキング中にスピードを変えると6〜20%代謝コストが上がり、中断したり再開したりすることで4〜8%カロリー消費が増加することがわかりました。(Biology Lettersに掲載された小規模研究による)

この研究では、16人の健康な青年(平均年齢23歳)にトレッドミル上を一定のペースで歩いてもらい、その後ペースを様々に変更してエネルギー消費量を計測しました。

他方、10人の被験者にそれぞれ異なった距離を「快適な」速さで歩いてもらい、歩行速度が距離に依存して変化することも明らかにしました。

傾向としては、指示された距離が短い時ほどゆっくり歩き、長くなるほど速くなったそうです。


咳テスト 不顕性誤嚥のスクリーニングテスト





咳テスト 不顕性誤嚥のスクリーニングテスト


方法

メッシュ式ネブライザーにクエン酸(1%濃度のクエン酸溶液)を入れて口から吸ってもらい咳が出るかどうかを評価する。

判定

30秒以内に1回も咳がないと不顕性誤嚥の疑いとなる。

不顕性誤嚥検出の感度および特異度は高く、脳血管障害、頭頸部腫瘍、神経筋疾患、呼吸器疾患など嚥下障害の主たる疾患別に用いた場合にも有用と言われています。

30秒以内に1回咳が出た場合を、咳反射が誘発されたとするという簡易な判定方法でも、感度および特異度が低下しないのが特徴です。