半固形化栄養の適応





半固形化栄養の適応



通常の液体栄養剤の注入は、胃瘻から時間をかけてゆっくりと行われるため、食物の容積による胃の弛緩が起こりません。

そのため、正常な胃の蠕動運動が起こらず、消化吸収能にも影響します。
半固形化栄養では、原則的に5~15分程度の短時間で300~600mLという十分量の粘度のある栄養剤が胃内に注入されるため、通常の食物と同様に、その容積により胃の弛緩が起こり(胃の適応性弛緩)、生理的な蠕動運動が惹起され、栄養剤が逆流せずに十二指腸に順調に流れると言われています。

正常な機能があり、適応性弛緩と正常な蠕動運動が起こる胃であれば、半固形化栄養は適応といえます。

半固形化栄養の効果から、以下のような適応も考えられます。
①とくにリハの時間確保のため注入時間を短縮したい
②誤嚥や嘔吐をくり返す
③吸収障害を伴わない下痢をくり返す
④瘻孔への漏れがある
⑤頭頸部がんなどによる閉塞のため胃瘻となった
⑥安静が保てず注入時間を短くしたい
一方、胃に異常のある患者(高度の食道裂孔ヘルニア患者や胃切除術後の患者等)、腸瘻の患者、消化吸収障害のある患者は適応にならないといわれています。