半固形化栄養の利点

半固形化栄養の利点


半固形化栄養の目的は、栄養剤の胃食道逆流を抑制し、誤嚥性肺炎を減らすことでした。第一の利点は胃食道逆流と誤嚥性肺炎の予防にあります。

その他にも、半固形化栄養には、そのほかにも以下のような利点があります。

①胃瘻の漏れを防ぐ

②栄養剤の腸内移動速度が遅いことと豊富な食物繊維により、便通が改善して下痢が治まる

③ボーラスの短時間注入のため、体位を長時間一定にする必要がなく、褥瘡の予防、改善に良い

④栄養剤を短時間で注入できるため、空いた時間をリハビリテーションやそのほかに有意義に使用できる

⑤液体栄養剤と比較して、下痢やダンピング症候群などの症状が改善しやすい

⑥食後の血糖上昇を緩慢にする

前頭側頭型認知症の精神症状と行動障害

前頭側頭型認知症の精神症状と行動障害


前頭側頭葉変性症の分類

前頭側頭葉変性症(frontotemporallobardegeneration:FTLD)は、①前頭側頭型認知症(FTD)、②進行性非流暢性失語(progressivenon-fluentaphasia:PNFA)、③意味性認知症(semanticdementia:SD)の3つのタイプに分類されています。

前頭側頭葉変性症(FTLD)と前頭側頭葉認知症(FTD)はしばしば同義語として使われる場合がありますが、FTDはFTLDの下位分類であることを理解しておく必要があります。

アルツハイマー型認知症(AD)が脳の後方領域が障害されるのに対して、FTDは、前頭葉に病変の主座を置く非アルツハイマー型認知症を呈する神経変性疾患です。

前頭側頭型認知症(FTD)の特徴

前頭側頭型認知症(FTD)の精神症状と行動障害に関しては、以下等の特徴があります。
1)病識の欠如
2)我が道を行く行動(周囲への気配りもない自己本位的な行動)
3)脱抑制(自らの欲求のおもむくままの行動)
4)社会的逸脱行動(窃盗、盗み食い等)
5)感情・情動変化(多幸、多弁、軽口、易怒性等)
6)自発性の低下
7)無関心(自己の整容や身だしなみ等に無頓着)
8)考え不精(深く考えずに即答するなど)
9)立ち去り行動(診察や検査中に何の断りもなく突然部屋を出て行く)
10)常同行動(デイルームの決まった椅子に座る、毎目同じ物を食べ続ける等)
11)時刻表的生活(毎日同じ時刻に食事をして、同じ時刻に散歩に行く等)
12)食行動異常(大食、必要以上に醤油などの調味料を使う等)
13)被影響性の充進(何かの文句につられて歌いだす、オウム返し等)
14)痛み刺激に対する過剰な反応(打鍵器の刺激を大げさに痛がる等)

※1),7),9),10),12>,13),14)については、ADとの鑑別に重要です。

筋萎縮性側索硬化症と前頭側頭型認知症の合併

筋萎縮性側索硬化症と前頭側頭型認知症の合併について


筋萎縮性側索硬化症(amyotrophiclateralsclerosis:ALS)と認知症との合併は近年広く認知されています。

筋萎縮性側索硬化患者は、症前頭側頭葉変性症(frontotemporallobardegeneration:FTLD)、とくに前頭側頭型認知症(frontotemporaldementia:FTD)との合併が典型像であると理解されています。

前頭側頭型認知症は人格行動障害で特徴づけられていますが、発動性低下は前頭葉穹窿部、脱抑制は前頭葉下面や側頭葉の障害との関連が指摘されています。

筋萎縮性側索硬化症と症前頭側頭葉変性症の合併では、書字障害が起こると言われています。前頭側頭型認知症の病型と同様、書字障害の特徴も主要変性部位を反映しているものと言われています。この関係の延長線上に進行性非流暢性失語や意味性認知症があるものと言われています。

また、筋萎縮性側索硬化症と症前頭側頭葉変性症の合併では、病識欠如があると言われています。

2008年に報告されたFTLD-modifiedCDRは、従来のCDRに人格行動障害や言語に関する項目が追加されたもので、FTLDの重症度評価や経過観察に有用であると報告されていて、SPECTにおける前頭側頭葉の取り込み低下と有意な相関があることが示されています。

疼痛のある脳卒中患者での評価・検討・指導項目

疼痛のある脳卒中患者での評価・検討・指導項目について


●画像所見


脳卒中の部位・肩関節レントゲン写真等

●身体所見


意識レベル・高次脳機能障害の有無
関節可動域
痙縮(modified Ashworth Scale)
麻痺の重症度(Brunnstrom stage, SIAS)


●感覚系評価


感覚障害の有無(感覚低下・脱失・異常知覚・部位)
痙痛(VAS)等
肩手症候群の有無
中枢性痺痛の有無


●ADL


FIM・BI.
痺痛が原因で困っていること

●治療


三関節亜脱臼(肩関節レントゲン写真)
リ八処方の内容 (スリング・三角巾検討)
投薬の検討・効果の有無
電気刺激の検討
その他の治療の検討


●病棟での評価項目


四肢のポジショニング
ADL評価
スリング・三角巾の有無
心理的側面


●リ八での評価項目


初期評価
スリング・三角巾の検討
関節可動域訓練
座位・立位・歩行訓練
痛みが生じにくい動作指導
装具・スプリント等検討
ADL訓練
物理療法

脳卒中後の疼痛(痛み)

脳卒中後の疼痛について

脳卒中後の痛みは14~43%に生じるといわれています。
中枢性脳卒中後疼痛(Central post-stroke
pain;CPSP)と肩手症候群(shoulder-hand syn-
drome)がよく知られていますが、変形性関節症筋骨格系の痛みや疼痛性のスパズム、深部静脈血栓症等が原因であることもあります。
以上の症状が単独でみられることもあります、複数重なっていることもあります。

中枢性脳卒中後疼痛

中枢性脳卒中後疼痛では、疼痛が増強する因子として、運動70%、冷却48%、温暖22%、接触44%、情動19%、その他15%と報告されており、疼痛が減弱する因子としては、運動19%、冷却7%、温暖30%、安静37%との報告があります。
以上のことから個々において様々な病態を取り、対応の仕方も個々で異なると推測されます。
このように、中枢性脳卒中後疼痛は複雑な病態を呈する側面があります。
中枢性脳卒中後疼痛は、視床痛とよばれることが多いです。
視床に病変がある脳卒中において生じることが多いためですが、実際は、視床だけでなく、感覚野への求心路における障害、spino-thalamo-cortical tractsでの障害で生じ、CPSPとよぶようになっています。
CPSPは脳卒中発症後しばらくたってから生じ、数週間~数カ月後にみられることが多いと言われています。
痛みの範囲としては、脳卒中による障害の領域が主体ですが、ときに、その痛みの分布には差が出るともいわれています。
自発痛はburning 47~59%、 aching 30~41%との報告があります。
感覚障害は異常感覚だけでなく、感覚低下、痛覚過敏、低感覚刺激でも誘発されるallodynia等がみられます。
肩手症候群はCRPS(complex regional pain syndrome)type Iのひとつとされています。

肩手症候群

肩手症候群は、脳卒中患者の12.5~23%に生じ、重度な片麻痺における肩の痛みとともに、手の疼痛や腫脹、血管運動障害、関節拘縮上肢機能の低下を引き起こします。

肩手症候群の分類

肩手症候群の病期は、3期に分類されています。
  • 第1期は、発症後0~3カ月間で、肩の疹痛に伴い、手の疼痛、腫脹が生じ、局所の血流増加のため皮膚は赤色となり、浮腫、発赤、熱感関節可動域の制限等がみられます。
  • 第2期は、発症後3~6カ月間で、疹痛は増悪し、冷感、関節拘縮、チアノーゼを認めます。
  • 第3期は、発症後6カ月以降の慢性期で、疹痛、皮膚萎縮、骨萎縮関節拘縮、筋萎縮を認めます。

早期に治療を開始する必要があり、病期が進むと改善は難しくなります。
肩関節周囲筋等の痙縮に伴う肩の疹痛、肩関節の可動域制限等により引き起こされる癒着性肩関節包炎、腱板損傷や断裂、インピンジメント症候群、肩関節亜脱臼等の運動器の問題によっても肩の痛みは生じます。

外傷性脳損傷による高次脳機能障害

外傷性脳損傷による高次脳機能障害

病巣は、両側性またはびまん性なことがしばしばで、運動麻痺は少なく、また、いわゆる「巣症状」は少ないと言われています。

一見普通にみえる外傷性脳損傷者への行政的支援を行うために、「障害」名としての「高次脳機能障害」が診断基準とともに提示されています。
この場合の高次脳機能障害は、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などの認知障害を主たる要因として、日常生活及び社会生活への適応に困難を示す障害のことを言います。

高次脳機能障害とただ単に診断するのではなく、神経心理学的評価の読みと行動評価を掘り下げて、医学的診断(ICD コードを含む)に結び付けることと障害内容を正確に見極めることとが大切と言われています。

外傷性脳損傷でよくみられる記憶障害は、アルツハイマー病のように少し前のことが真っ白に消えてしまう典型的な前向性健忘とは異なります。

外傷性脳損傷患者は、ニュース記事のような 3 つほどの文章をまとめて聞いて内容を把持できない「論理的記憶障害」を示すことが多いと言われています。

一方で、単語のペアを 8 組(ウエクスラー記憶検査 WMS-R3)ないしは 10 組(標準言語性対連合学習検査)といった覚える言語性対連合学習は比較的成績が良いと言われています。

外傷性脳損傷による高次脳機能障害

外傷性脳損傷による高次脳機能障害

病巣は、両側性またはびまん性なことがしばしばで、運動麻痺は少なく、また、いわゆる「巣症状」は少ないと言われています。

一見普通にみえる外傷性脳損傷者への行政的支援を行うために、「障害」名としての「高次脳機能障害」が診断基準とともに提示されています。
この場合の高次脳機能障害は、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などの認知障害を主たる要因として、日常生活及び社会生活への適応に困難を示す障害のことを言います。

高次脳機能障害とただ単に診断するのではなく、神経心理学的評価の読みと行動評価を掘り下げて、医学的診断(ICD コードを含む)に結び付けることと障害内容を正確に見極めることとが大切と言われています。

外傷性脳損傷でよくみられる記憶障害は、アルツハイマー病のように少し前のことが真っ白に消えてしまう典型的な前向性健忘とは異なります。

外傷性脳損傷患者は、ニュース記事のような 3 つほどの文章をまとめて聞いて内容を把持できない「論理的記憶障害」を示すことが多いと言われています。

一方で、単語のペアを 8 組(ウエクスラー記憶検査 WMS-R3)ないしは 10 組(標準言語性対連合学習検査)といった覚える言語性対連合学習は比較的成績が良いと言われています。

脳内側部の病巣 記憶障害 Papez回路

脳内側部の病巣 記憶障害 Papez回路

脳内側部は脳梗塞、ヘルペス脳炎、前交通動脈瘤破裂等で損傷され、様々な記憶障害(前向性健忘と逆向性健忘)を起こします。

また時に、作話(作り話)を伴うことがあります。

新しいことを覚える近時記憶について最も重要なのはPapez の回路です。

Papez の回路は、海馬―脳弓―乳頭体―視床前核―帯状束―(脳梁膨大後域)―海馬という構成からなり脳の内側に位置します。

そのため、記憶障害は、運動麻痺や言語の障害とは独立して起こることが多いと言われています。
Papez の回路のうちのどこかが損傷されると、新しいことが覚えられない前向性健忘が生じます。
さらにこの回路を超えて病巣範囲が拡大すると、発症時点よりも遡って思い出せない逆向性健忘を伴いやすくなります。

前交通動脈瘤破裂では、前脳基底部が損傷され、記憶項目の組織化と時間順序の障害からなる特徴的な健忘が起こります。
病巣範囲が拡大して前頭葉眼窩面から内側面の損傷が加わると、しばしば現実とは異なる空想的な内容の作話が自発的に産出されることがあるようです。

右半球の脳卒中と空間性注意のネットワーク

右半球の脳卒中と空間性注意のネットワーク


右半球の中大脳動脈領域の脳梗塞や被殻出血では、左片麻痺に加えて、半側空間無視が起こることがあります。
半側空間無視とは、身体から見て病巣と対側の刺激を発見して反応したり、その方向を向くことの障害のことを言います。
頭部や視線の動きを自由にした状況で生じる症状であり、多くの生活場面に無視症状が現れます。

空間性注意の神経ネットワークを構成する皮質領域は、下頭頂小葉(角回と縁上回)と下前頭回後部と言われています。

両者は上縦束で結ばれ、さらにそれぞれ内包後脚と前脚の白質線維を介して視床と結ばれ、基本的な空間性注意のネットワークを構成していると言われています。

後方の下頭頂小葉病巣では感覚表象に依存した無視として、線分二等分や横書き単語の読みにおける無視が起こり、前方の下前頭回後部病巣では探索運動に依存した無視として、抹消試験や探索を伴う日常的課題における無視が起こりやすいと言われています。

左半球の脳卒中と言語の神経ネットワーク

左半球の脳卒中と言語の神経ネットワーク


左半球の中大脳動脈領域の脳梗塞や被殻出血では、右片麻痺や失語症、失行症が起こることが多いです。

失語症は、シルビウス裂の周囲に広がる言語野の損傷することによっておこり、脳が言語をうまく操れなくなってしまう症状です。

音は左右の一時聴覚野(横側頭回)で処理されますが、言語音として認知し把持するのは上側頭回の後部付近です。

その後、語としてのまとまった音(語形)として認知され、さらに、左側頭葉前部にある言語性意味記憶と照合されます。

語レベルの意味処理は側頭葉内で概ね可能であるが、文など語レベルを超えた意味処理は、前頭葉―島皮質下―側頭葉―頭頂葉・後頭葉からなる腹側のネットワークが担うと言われています。

発話の自発性は、補足運動野から前頭葉深部を経る白質路により駆動されます。

Broca野後部を含む運動前野下方で言語の音である音韻の配列が準備され、中心前回の中・下部が構音器官をコントロールします。

弓状束は復唱のルートと考えられてきましたが、上・中側頭回後部と前頭葉を結んでおり、運動―感覚協調という意味で、音韻選択・構音と言語音・語形認知を正しく遂行する上で重要となっていると言われています。

身体活動は癌死亡率を下げるとの報告あり

身体活動は癌死亡率を下げるとの報告あり


身体活動(PA)は癌死亡率を低下させるだけでなく、死亡リスク軽減とPAの間に用量作用関係のあることが、300万人以上の参加者を対象とした研究のメタ解析によりわかりました。

詳細結果では、最低推奨運動量に従うことで死亡率は13%低下しており、癌経験者ではこの効果は更に大きく、高運動量PAを実施した人は22%も死亡率が低下していました。

さらに乳癌については、診断前PAより診断後PAの方が死亡率低下幅が大きい結果となりました。

この結果は他研究結果と一致しており、考えられる理由の一つは、診断後にPAに参加する患者が健康維持への意識が高い人々であり、生活習慣の改善に積極的であった、ということです。

有効性の理由は別として、全体的にはすべてのひとびとに2.5 h/week以上の身体活動が強く推奨されると言えます。

British Journal of Sports Medicine掲載論文(解析対象71論文)結論より

FDA 下肢膝上切断後に使用する人工補助装具OPRAの使用を許可

FDA 下肢膝上切断後に使用する人工補助装具OPRAの使用を許可


FDAは、下肢の膝上切断後に、従来のソケット義足の欠点を改善した人工装具Osseoanchored Prostheses for the Rehabilitation of Amputees(OPRA)を使用することを許可しました。

FDAは、下肢膝上切断患者で従来型ソケット義足ではリハビリに問題を抱える患者に対して、人工補綴装具Osseoanchored Prostheses for the Rehabilitation of Amputees(OPRA)の使用を許可しました。

患者の残された大腿骨に固定具・ボルトを埋め込んで外部義肢と連結させるものです。

従来の装具は、ソケットを患者の大腿骨に埋め込むため、一定程度の長さの大腿骨が残されている必要があり、また痛みや感染などのリスクがありました。

OPRAは数ヶ月を隔てて2段階の埋め込み手術を行うことで感染などのリスクを軽減させることができるようです。

同装具はHumanitarian Use Device(HUD)指定をうけ、加速承認されました。

その安全性・性能は51名の患者への使用による臨床試験データによって評価されれ、高頻度の副作用には感染があったとのことです。

認知症患者の5年死亡率は60%

認知症患者の5年死亡率は60%


オランダUniversity Medical Center Utrechtのvan de Vorstらは、同国全国レジストリデータを解析しました(平均年齢:81.4歳)。

認知症診断後5年死亡率は男女各 65.4%・58.5%で、入院した患者では1年死亡リスクが通院患者より非常に高い結果となっています。

健常者と比較した1年死亡リスクは通院患者でも高かった模様です。

この傾向は低年齢認知症患者で著しかったようです。

認知症入院の死亡リスクは心血管疾患におとらない結果となりました。

認知症患者の生命予後の悪いことは知られていますが、古典的なカナダ研究(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11297701)の5倍の規模で詳細を確定しました。

変形性膝関節症(OA)の初発症状は階段昇降時の痛みであるかもしれない

「変形性膝関節症(OA)の初発症状は階段昇降時の痛みであるかもしれない」

Arthritis Care & Researchに掲載された論文の結論です。

画像による確定診断がなされる前の段階でも変形性膝関節症(OA)患者は歩行中の膝の痛みを訴えており、これは変形性膝関節症(OA)の進行と強く関連したのです。

OA診断もしくはその高リスク者4,700名以上のデータが分析された結果、5活動パターン(階段昇降・歩行・立位・座位・ベッド横臥)のうち、階段昇降の際に生じる痛みがOAの初発症状である率が最も高かったと報告されています。(以下、歩行>立位>座位>ベッド中横臥の順)。

この結果は、より早期のOA診断を可能とし、症状進行防止介入を行なうことに役立つと言われています。

閉経後女性の骨密度(BMD)維持のためには、high-impact荷重運動+抵抗漸増トレーニングが有効

閉経後女性の骨密度(BMD)維持のためには、high-impact荷重運動+抵抗漸増トレーニングが有効

Osteoporosis International掲載論文の結論で、閉経後女性の骨密度(BMD)維持のための非薬剤アプローチは一定効果はあるが、それはhigh-impact荷重運動+抵抗漸増トレーニングの場合に限るとあります。

本研究では、フィジカルトレーニングのBMDへの効果を検討すべく、1,769名の閉経後女性を対象にした5つの対照試験と19のRCTの結果をメタ解析したところ、抵抗漸増トレーニング・high-impact運動・荷重運動はすべて単独ではBMDへの効果は見られませんでしたが、抵抗漸増トレーニングと後2者のいずれかを組み合わせると効果が見られたと報告しています。

これらの組み合わせトレーニングでは、腰骨・脊椎に各1.8%・2.4%のBMD増があったとのことです。

著者らは、高齢女性が行う激しい運動の安全性については、疑問を呈してはいるものの、本研究でのトレーニングはしっかりとした指導のもとで実施されたため、傷害事象はごくまれであったと報告しています。

この結果から、このような組み合わせ抵抗漸増トレーニングは、閉経後骨量減少を防ぐ有効な非薬剤アプローチとなりうる可能性があるようです。

運動不足の死亡への寄与は肥満の2倍!?

運動不足の死亡への寄与は肥満の2倍!?

12歳以上の334,000人を対象にヨーロッパで行われた研究によると、なんと、運動不足は肥満の2倍以上の死に寄与するそうです。

BMIに関わらず日常活動のわずかな変化が個人の平均余命に大きな影響を与えることを示唆します。

これはAmerican Journal of Clinical Nutrition掲載論文からです。

この論文では、欧州各国で死亡した30万人(男性116,980人・女性217,181人:心疾患・癌・脳卒中既往者を除外)についてBMI・胴囲(WC)・身体活動(PA)レベルを比較し、PAレベルによって①低(36 kJ/kg)②低~中(41 kJ/kg)③中~高(46 kJ/kg)④高(51 kJ/kg)の4群に分けました。

結果、どのBMI群でも比較的低PA群の全原因死亡率は、最低PAレベル群より20~30%低い結果でした。

PAレベルとWCにも類似した関係がみられたとのことです。

肥満群の中でも②の死亡率は低く、PAレベル②以上では肥満による影響は殆どありませんでした。

運動不足は高BMIより死亡率に大きな影響を与えることになり、運動不足の人はPAを少しでも上げれば死亡率を有意に低下させることができそうです。

FDA うつ病・統合失調症治療薬Rexultiを承認

FDA うつ病・統合失調症治療薬Rexultiを承認


FDAは、統合失調症治療・うつ病追加治療薬Rexulti(brexpiprazole)を承認しました。

FDAは統合失調症治療・うつ病追加治療の選択肢として新規D3/D2受容体部分作動薬Rexulti(brexpiprazole)を承認しました。

統合失調症におけるRexultiの効果は1,310名の患者に対するプラセボ対照2臨床試験により、また、うつ病患者に対する同薬の他剤への併用効果は1,046名の患者に対するプラセボ対照2臨床試験により評価されたとのことです。

しかし、認知症関連精神病患者への使用は承認されていません。

うつ病患者に対しては自殺リスク上昇を考慮する必要があると言われています。

高頻度の副作用には、体重増加や不安感増加があるそうです。

兵頭スコア 嚥下内視鏡所見のスコア評価基準

兵頭スコア 嚥下内視鏡所見のスコア評価基準


スコア合計:    点

① 喉頭蓋谷や梨状陥凹の唾液貯留

 0:唾液貯留がない
 1:軽度唾液貯留あり
 2:中等度の唾液貯留があるが、喉頭腔への流入はない
 3:唾液貯留が高度で、吸気時に喉頭腔へ流入する

② 声門閉鎖反射や咳反射の惹起性

 0:喉頭蓋や披裂部に少し触れるだけで容易に反射が惹起される
 1:反射は惹起されるが弱い
 2:反射が惹起されないことがある
 3:反射の惹起が極めて不良

③ 嚥下反射の惹起性

 0:着色水の咽頭流入がわずかに観察できるのみ
 1:着色水が喉頭蓋谷に達するのが観察できる
 2:着色水が梨状陥凹に達するのが観察できる
 3:着色水が梨状陥凹に達してもしばらくは嚥下反射がおきない

④ 着色水嚥下による咽頭クリアランス

 0:嚥下後に着色水残留なし
 1:着色水残留が軽度あるが、2~3回の空嚥下でwash outされる
 2:着色水残留があり、複数回嚥下を行ってもwash outされない
 3:着色水残留が高度で、喉頭腔に流入する

誤嚥:なし・軽度・高度

随伴所見:鼻咽腔閉鎖不全・早期咽頭流入・声帯麻痺

遠城寺式乳幼児分析的発達検査

遠城寺式乳幼児分析的発達検査とは


遠城寺式乳幼児分析的発達検査は、乳幼児向けの発達検査法です。

適応年齢


【0歳~4歳7か月】

検査項目は、移動運動、手の運動、基本的習慣、対人関係、発語、言語理解の6領域となります。発達をいくつかの領域に分けてテストして、それぞれの領域について評価を出して分析的に乳幼児の発達状況をとらえようとする検査です。精神面のみでなく身体的発達も含めて全人的に発達状況を分析的にとらえようとしています。

検査の特徴


すべての問題について年齢ごとの通過率を示されています。移動運動、手の運動、言語の発達、基本的習慣、対人関係、発語、言語理解の発達の状況を分析的に評価でき、検査しやすい問題が選ばれていて、簡便で時間がかからりません。
そのため、スクリーニング・テストとして最適といわれています。
発達段階をグラフとして示され、これまでの発達過程を図示できるため、親が発達過程を理解しやすい特徴があります。

検査の進め方と記入方法


準備で行うこと


母親と子供を検査室に入れ、リラックスさせるようにします。母親との応答、子供の観察し検査用紙に必要事項を記入します。

検査で行うこと


できたら○印、出来なかったら×印をつけます。発達相当の箇所から問題を始め、できるだけ実際に行動させたり、問いかけたりして判定します。母親からの口頭による答えから聞き取るようにします。

合格が3つ続けば、それ以下はしなくとも良いです。また、不合格が3つ続けばそれ以上はしなくともよいです。※ただし、子供によっては、それ以上の項目でできることもあるし、またできないこともあるので、他の項目についても問いかけてみることが必要です。

4歳8か月の問題ができるときには、4歳8か月以上と診断します。

合格の1番上の検査問題に相当するところに点を打つ。

とび越しがある場合、「だるま落とし」の様に、合格、不合格の入れ換えをします。

各点を結ぶと発達のプロフィール(折れ線グラフ)が示されます。

言語理解での空欄の扱いがあります。8か月以下の検査問題の欄が空白のところがあります。

検査結果の処理で行うこと


プロフィールからみた診断
描かれた発達グラフの形、歴年齢との相対関係を見ながら分析します。

描いた線が直線に近ければ、バランスのとれた発達を示していると解釈します。

凸凹がつよければ不均衡な発達を示していると解釈します。

脳性まひの子供は、運動面、発語が遅れていることが多い特徴があります。

精神発達に遅れのある子供は、移動運動は遅れがみられませんが、手の運動や発語、言語理解に遅れがみられることが多い特徴があります。

情緒に障害のある子供は、社会性、特に対人関係に遅れがみられることが多い特徴があります。

発達の縦断的診断


同一の検査用紙に発達検査を何回も記入でき、前の検査結果と比較して発達の状況を継続的にみていくことができます。
乳児では4か月ごと、幼児では6~8か月おきに行うのが適当と言われています。

発達指数(DQ Developmental Quotient)の測定


例として、「両足でぴょんぴょん跳ぶ」は2歳から2歳3か月までの問題です。
この問題が出来れば平均2歳1.5か月の発達年齢ということになります。
2歳0月児がここまでできたとすれば、2歳1.5か月/2歳=25.5÷24×100=106となります。
3歳3か月児がこの問題まで出来たときは、2歳1.5か月/3歳3か月=25.5÷39×100=65全体のDQは、6領域のDQの平均をとります。
(平均DQは、100になりません。)

保護者への伝え方

検査から分析した発達の様子について分かりやすく伝えることが大切です。
まず、配慮する点としては、親とのコミュニケーションを大切にします。
特に乳幼児の場合変動する可能性が大いにあるので、1回の検査結果から「発達状態を決定」するようなことはしないようにします。
発達の状態をプロフィールを示して、説明し、問題となるような点について説明します。
経過観察や次回の検査、適切な援助機関の紹介等の手立てを示し、合格した問題の次の問題が子供の課題となる発達の節目として、保護者との生活の中で実現可能な方針を助言するようにします。

検査用紙のダウンロードはこちら↓

http://www.gotoushounika.com/dqhyou.pdf

検査用紙と手引はサクセスベルから購入できます↓

http://www.saccess55.co.jp/kobetu/detail/enjoji.html

参考文献
「遠城寺式乳幼児分析的発達検査法」:遠城寺宗徳他,1977,慶応通信.
「重度・重複障害児のコミュニケーション活動に関する研究」:筑波大学養護・訓練研究, 9,23ー29,1996
http://www.geocities.jp/tokusyukyouiku/enjou.html

摂食・嚥下障害の原因疾患

摂食・嚥下障害の原因疾患


摂食・嚥下障害の原因の原因としては、機能的原因、器質的原因、心因的原因3種類の原因に分けられます。

機能的原因

下記の疾患等により、口腔・構音器官に麻痺や筋力低下等が起こり、摂食嚥下障害が起こります。

・脳血管障害、脳腫瘍、頭部外傷
・パーキンソン病、線条体黒質変性症、進行性核上性麻痺など
・脊髄小脳変性症
・筋萎縮性側索硬化症、進行性球脊髄性筋萎縮症
・多発性硬化症
・ギラン・バレー症候群、糖尿病性末梢神経炎など
・筋ジストロフィー、多発性筋炎など
・重症筋無力症
・加齢に伴う変化など

器質的原因

器質的障害とは「器官(構造)のうえに、なんらかの損傷を受けたために生じた行動の障害」です。下記の疾患により口腔・構音器官に損傷を受けたため摂食嚥下障害が起こります。

・舌炎、口内炎、歯槽膿漏
・扁桃炎、扁桃周囲膿瘍
・咽頭炎、喉頭炎
・頭頸部腫瘍(口腔・舌癌、上顎癌、咽頭癌)
・食道炎、潰瘍
・食道の蛇行、変形、狭窄
・腫瘍
・食道裂孔ヘルニアなど

心因的原因

精神的な原因で摂食嚥下障害が起こります。

・神経性食欲不振症、異食症
・咽頭異常感症
・心気神経症
・ヒステリー、うつ病
・心身症(ストレス性胃潰瘍、神経性胃炎)など

摂食・嚥下障害が疑わしい場合は専門機関に受診しましょう。

ディシュンヌ型筋ジストロフィーの初期症状

ディシュンヌ型筋ジストロフィーの初期症状


初期症状

初期症状の多くは3~5歳頃に転びやすい、ジャンプができない等で運動発達の遅れに気づかれます。その後、遺伝子診断や筋生検で診断されるようです。
5~6歳で運動機能がピークに達した後は徐々に筋力低下が進行して、無治療の場合、多くは10歳前後に歩行機能を失ってしまうとのことです。

平均寿命

以前の平均寿命は20歳前後だったそうです。
今では、包括的な医療・ケアの進歩により、平均寿命は30歳を超えて、生活の質(QOL)も向上していると言われています。

※ディシュンヌ型筋ジストロフィー(Duchenne musculardystrophy:DMD)は、基本的に男児に発症するX染色体劣性遺伝性疾患です。
筋ジストロフィーの中で最も頻度が高いのが、ディシュンヌ型筋ジストロフィーで、男児出生3,000~4,000人に1人の割合で発症すると言われています。

注意障害の種類

注意障害の種類


注意障害を大まかに分けると4種類に分けることができます。

①選択性注意障害

対象物に対し注意のスポットライトをあてられなくなる。

②持続性注意障害

あてた注意を一定時間持続できなくなる。

③配分性注意障害

多方向に注意を向けることができなくなる。
2 つのことを同時に行えなくなる。

④転換性注意障害

注意を向ける対象を切り替えることができなくなる。
向けてはいけないほうに向けないようにすることができなくなる。

注意の選択・持続はより基礎的な機能であり、注意の配分、転換はより高次の機能だと考えられています。

嚥下障害を疑う患者様に対しての摂食場面の観察ポイント

嚥下障害を疑う患者様に対しての摂食場面の観察ポイント

観察項目、症状

観察ポイント

考え得る主な病態・障害

食物の誤識
ボーとしている。キョロキョロしている。
食物への認知障害、注意散漫
食器の使用
口に到達する前にこぼす。
麻痺、失調、失行、失認
食事内容
特定の物を避けている。
口腔期、咽頭期、味覚、唾液分泌低下、 口腔内疾患
口からのこぼれ
こぼれてきちんと口に入っていない。
取り込み障害
口唇・頬の麻痺
咀囑
下顎の上下運動だけで、回旋運動がない。 硬い物が噛めない。
咀嚼筋の障害
齲歯、義歯不適合、歯周病など
嚥下反射が 起こるまで
長時間口にため込む、努力して嚥下をしている。 上を向いて嚥下している。
口腔期、咽頭期、送り込み障害
ムセ
特定の物(汁物など)でむせる。
食事のはじめにむせる。
食事の後半にむせる
誤嚥、咽頭残留頭、誤嚥


不注意、誤嚥、咽頭残留


疲労、筋力低下、胃食道逆流
食事中、食・事後に咳が集中する
誤嚥、咽頭残留、胃食道逆流
食事中。食後に声が変化する。
誤嚥、咽頭残留
食事時間
1食に30~45分以上かかる。
認知、取り込み、送り込みなど
食欲
途中から食欲がなくなる。
認知、誤嚥、咽頭残留、体力
疲労
食事の途中から元気がない、疲れる。
誤嚥、咽頭残留、体力

パーキンソン病の摂食嚥下障害の病態

パーキンソン病の摂食嚥下障害の病態


パーキンソン病は、嚥下運動のプロセスである随意運動、反射運動、自律運動(先行期から食道期)のすべてが障害されます。

摂食嚥下障害はパーキンソン病患者の半数以上に見られます。

病初期から存在することがあり、Hoehn-Yahr重症度など身体的運動障害とは必ずしも関連しないと言われています。

パーキンソン病患者は摂食嚥下障害の自覚に乏しく、不顕性誤嚥が多く、抗パーキンソン病薬の副作用としてジスキネジア、口腔乾燥、off症状が摂食嚥下機能に影響してきます。

各期における主な病態


先行期:うつ症状・認知障害による摂食障害、上肢の振戦・強剛、斜め徴候

口腔期:舌運動や咀噌運動の障害、顎の強剛、流挺、口渇

咽頭期:嚥下反射の遅延、誤嚥、咽頭蠕動の減弱、喉頭挙上の減弱、喉頭蓋谷や梨状窩への食物貯留

食道期:上部食道括約筋の機能不全、食道蠕動の減弱、胃食道逆流症

その他:頸下がり・頸部筋の強剛による口腔・咽頭の移送障害

嚥下造影(video fluorography:VF)所見の特徴


口腔期:口腔内残留、すすりのみ、ポンプ様舌運動、嚥下前の咽頭流入、嚥下のためらい、舌の振戦・ジスキネジア

咽頭期:咽頭蠕動障害、喉頭挙上不良、喉頭侵入、誤嚥、喉頭蓋谷残留、梨状窩残留、咽頭運動の異常運動、喉頭蓋の運動障害

食道期:蠕動運動消失、咽頭への逆流

自律神経障害による食事性低血圧があり、失神時に食物を窒息するリスクがあるため注意が必要です。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)の機能評価スケール(ALSFRS-R)

ALS(筋萎縮性側索硬化症)の機能評価スケール(ALSFRS-R)


1.言語

4.会話は正常
 3.会話障害が認められる
 2.繰り返し聞くと意味がわかる
 1.声以外の伝達手段と会話を併用
 0.実用的会話の喪失

2.唾液

4.正常
 3.口内の唾液はわずかだが明らかに過剰(夜間は唾液が垂れることがある)
 2.中程度に過剰な唾液(わずかに唾液が垂れることがある)
 1.顕著に過剰な唾液(よだれが垂れる)
 0.著しいよだれ(たえずティッシュペーパーやハンカチを必要とする)

3.嚥下

4.正常な食事習慣
 3.初期の摂食障害(時にむせる、喉に詰まらせる)
 2.食物の内容が変化(継続して食べられない)
 1.補助的なチューブ栄養を必要とする
 0.全面的に非経口性または腸管性栄養

4.書字

4.正常
 3.おそい、または書きなぐる(すべての単語が判読可能)
 2.一部の単語が判読可能
 1.ペンを握れるが字を書けない
 0.ペンが握れない

5.食物を切る・器具を使う(胃瘻の設置の有無により)

(胃瘻なし)

4.正常
 3.いくぶん遅く、ぎこちないが、他人の助けを必要としない
 2.フォーク・スプーンは使えるが箸は使えない
 1.食物は誰かに切ってもらわなければならないが、なんとはフォークまたはスプーンで食べることができる
 0.誰かに食べさせてもらわなければならない

(胃瘻あり)

4.正常
 3.ぎこちないがすべての指先で作業できる
 2.ボタンやファスナーをとめるのにある程度手助けが必要
 1.介助者にわずかに面倒をかける(身の周りの動作に手助けが必要)
 0.全く指先の動作ができない

6.着衣・身の周りの動作

4.障害なく正常に着る
 3.努力を要するが(あるいは効率が悪いが)独りで完全にできる
 2.時折、手助けまたは代わりの方法が必要
 1.身の回りの動作に手助けが必要
 0.全面的に他人に依存

7.寝床での動作

4.正常
 3.いくぶん遅く、ぎこちないが、他人の助けを必要としない
 2.独りで寝返ったり、寝具を整えられるが非常に苦労する
 1.寝返りを始めることはできるが、独りで寝返ったり、寝具を整えることができない
 0.自分ではどうすることもできない

8.歩行

4.正常
 3.やや歩行が困難
 2.補助歩行
 1.歩行は不可能
 0.脚を動かすことができない

9.階段昇降

4.正常
 3.遅い
 2.軽度に不安定、疲れやすい
 1.介助を要する
 0.のぼれない

10.呼吸困難

4.ない
 3.歩行時に起こる
 2.日常動作(食事・入浴・着替え)いずれかで起こる
 1.坐位あるいは臥床安静時のいずれかで起こる
 0.極めて困難で補助呼吸装置を考慮する

11.起座呼吸

4.なし
 3.息切れのため夜間の睡眠が困難
 2.眠るのに支えとする枕が必要
 1.坐位でないとねむれない
 0.全く眠ることができない

12.呼吸不全

4.なし
 3.間欠的に補助呼吸装置(BiPAPなど)が必要
 2.夜間に継続的に補助呼吸装置(BiPAPなど)が必要
 1.1日中(昼間、夜間とも)補助呼吸装置(BiPAPなど)が必要
 0.挿管または気管切開による人工呼吸が必要

評価表はこちら↓

筋萎縮性側索硬化症における意思伝達能力障害stage分類

筋萎縮性側索硬化症における意思伝達能力障害stage分類

stage Ⅰ 文章にて意思表出が可能

stage Ⅱ 単語のみの表出が可能

stage Ⅲ Yes-Noのみ表出可能

stage Ⅳ 残存する随意運動はあるが、Yes-Noの確認が困難なことがある

stage Ⅴ 全随意運動が消失して意思伝達不能な状態

DASC-21 地域包括ケアシステムにおける認知症アセスメントシート

DASC-21 地域包括ケアシステムにおける認知症アセスメントシート


DASCとは

「地域包括ケアシステムにおける認知症アセスメントシート」(DementiaAssessmentSheetinCommunity-basedIntegratedCareSystem,DASC;ダスク)は、認知症の人や介護者が、住み慣れた地域の中で穏やかな暮らしを継続できるようにしていくためには、地域の中で、認知症に気づき、総合的なアセスメントを実施し、多職種間でその情報を共有し、必要な支援を統合的に調整していくために、ツールとして開発されました。

DASC-21の特徴

・DASC-21は、導入のA,B項目と1~21項目の評価項目からなるアセスメントシートである。
・認知機能と生活機能を総合的に評価することができる。
・IADLの項目(6項目)が充実しているので、軽度認知症の生活機能障害を検出しやすい。
・4件法で評価しているために障害の機能変動をカバーできる。
・設問は具体的であり、観察法によって評価できる。
・簡便で、短時間で実施できる。
・評価方法も単純である。
・簡単な研修をすることによって、認知症の基本的な理解と認知症の総合的アセスメントの基本的技術を修得することができる。
・評価結果から臨床像の全体をある程度把握することができ、かつ必要な支援の目安をつけることができる。

評価表など詳しい説明はこちら↓


日本肥満学会による肥満緒判定と肥満症の診断基準

日本肥満学会による肥満緒判定と肥満症の診断基準


肥満の定義

脂肪組織が過剰に蓄積した状態で、BMI25kg/㎡以上のもの。


肥満の判定

身長あたりの体重指数:BMI=体重(kg)÷身長(m)2をもとに下表のごとく判定する。


肥満度分類

BMI(kg/㎡)
判定
WHO基準
<18.5
低体重
Underweight
18.5≦~<25
普通体重
Normalrange
25≦~<30
肥満(1度)
Pre-obese
30≦~<35
肥満(2度)
Obese class Ⅰ
35≦~<40
肥満(3度)
Obese class Ⅱ
40≦
肥満(4度)
Obese class Ⅲ
注1)ただし、肥満(BMI≧25)は、医学的に減量を要する状態とは限らない。なお、標準体重(理想体重)は最も疾病の少ないBMl22を基準として、標準体重(kg)=身長(m)2×22で計算された値とする。
注2)BMl≧35を高度肥満と定義する。


肥満症の定義

肥満症とは肥満に起因ないし関連する健康障害を合併するか、その合併が予測される場合で、医学的に減量を必要とする 病態をいい、疾患単位として取り扱う。


肥満症の診断

肥満と判定されたもの(BMI≧25)のうち、以下のいずれかの条件を満たすもの。

1)肥満に起因ないし関連し、減量を要する(減量により改善する、または進展が防止される)健康障害を有するもの。
2)健康障害を伴いやすいハイリスク肥満ウエスト周囲長のスクリーニングにより内臓脂肪基積を疑われ、腹部CT検査によって確定診断された内臓脂肪型肥満。

代表的な絞扼性神経障害

代表的な絞扼性神経障害

疾患名
障害部位(絞扼点)
障害神経
胸郭出口症候群
胸郭出口
腕神経叢
肩甲上神経症候群
肩甲切痕、棘窩切痕
肩甲上神経
四辺形間隙症候群
肩関節後部
腋窩神経
肘部管症候群
肘内側の肘部管
尺骨神経
円回内筋症候群
肘部で上腕二頭筋腱膜、円回内筋付近
正中神経
前骨間神経麻痺
肘部で浅指屈筋アーチ
前骨間神経
後骨間神経麻痺
肘部でFrohseのアーケード
後骨間神経
手根管症候群
手関節部の手根管
正中神経
Guyon管症候群
手関節部の尺骨神経管
尺骨神経
感覚異常性大腿痛症
鼠径部
外側大腿皮神経
梨状筋症候群
梨状筋
坐骨神経
総腓骨神経絞拒障害
膝窩~膝外側
総腓骨神経
足根管症候群
足関節内側の足根管部
脛骨神経
Morton病
第3・4趾間部
趾神経

新SSc(全身性強皮症)分類基準(2013ACR/EULARによる)

新SSc(全身性強皮症)分類基準(2013ACR/EULARによる)



ドメイン
基準項目
ポイント
手指硬化がMCP関節を越えて近位まで存在(近位皮膚硬化)
手指の皮膚硬化
(ポイントの高い方を採用)
腫脹(puffy fingers)
MCP関節より遠位に限局した皮膚硬化
指尖部所見
(ポイントの高い方を採用)
手指潰瘍
指尖陥凹性癌痕
爪郭毛細血管異常

毛細血管拡張

肺病変
(いずれか陽性)
PAH
lLD
レイノー現象

SSc関連自己抗体
(いずれか陽性)
抗セントロメア抗体
抗Scl-70/トポイソメラーゼ1抗体
抗RNAポリメラーゼ皿抗体


以下のスコアリングに当てはめ、合計9以上であればSScに分類する。

*皮膚硬化を有するが手指に皮膚硬化がない例、臨床所見を説明できる他疾患を有する例には本基準を適用しない。