脳損傷後に起こる神経科学的変化





脳損傷後に起こる神経科学的変化


 研究によると細胞は壊死(細胞のホメオスタシスと生存能力の比較的急速で、無秩序な消失)とアポトーシス(エネルギー依存性で遺伝的に制御されている、より遷延し秩序だった細胞破壊の過程)によって死滅することが示唆されています。

 脳損傷の急性期の壊死においては、大量の神経伝達物質、特にグルタミン酸のような興奮性の神経伝達物質が放出されます。これらの神経伝達物質は神経細胞膜の受容体と結合し、シナプス後のイオンチャネルを活性化させます。特にイオン化した過剰な量のカルシウムがこのようにして、さらに細胞膜の電位により活性化されたチャネル通って、細胞内に入ることができ、細胞内のホスホリパーゼを活性化させます。このため、もし細胞内の酵素が除去可能な量を超えれば細胞膜を傷害あるいは破壊する可能性があるアラキドン酸の代謝とフリーラジカルの賛成が増加する結果となります。興奮性アミノ酸とフリーラジカルを含む細胞内の内容物の放出は隣接した細胞の傷害を惹起する炎症の誘因となる可能性があります。これらの過程は脳損傷後の後数分から数時間にわたって起こるでしょう。

 対称的に、アポトーシスを経た神経細胞の変成は通常、周囲の細胞の傷害を引き起こしません。壊死は一般的に虚血領域の中心に起こるのに対し、アポトーシスはペナンブラ(penumbra)においてより多く見られる傾向があります。しかし、虚血障害の領域におけるこれらの過程には重複があります。壊死に陥った神経細胞からの中毒性化学物質の放出により他の細胞がアポトーシスになる場合があります。急性期以後の神経学的な変化は様々な神経伝達物質とその受容体の量と代謝の変化に関係しています。

*参考 リハビリテーションシークレット(メディカル・サイエンス・インターナショナル)