エマージェンシー・コーマ・スケール(Emergency Coma Scale;ECS)
〔1 桁〕 覚醒している (自発的な開眼、発語、または合目的な動作をみる)
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1
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見当識あり
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2
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見当識あり
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〔2 桁〕 覚醒できる (刺激による開眼、発語または従命をみる)
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10
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呼びかけにより
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20
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痛み刺激により
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〔3 桁〕 覚醒しない (痛み刺激でも開眼・発語および従命なく 運動反射のみをみる)
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100L
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痛みの部位に四肢を持っていく、払いのける
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100W
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引っ込める(脇を開けて)または顔をしかめる
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200F
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屈曲する(脇を閉めて)
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200E
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伸展する
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300
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動きがまったくない
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意識レベルの把握を行うために、JCS と GCS の 2 つのスケール がありますが、どちらも利点と欠点があります。
JCS の利点は、意識障害の全体像が迅速に把握できることです。
しかしその反面、評価者による覚醒の捉え方が違うと、結果にばらつきが 生じる欠点を持っています。
一方、GCS は、評価者によるばらつきはないことが利点なのです が、欠点として全体像が把握しづらく、慣れるまで時間がかかって しまうことがあります。
そこで、これらの問題を改善しようと、ECS(Emergency Coma Scale)が作成されました。ECS 2 桁は刺激反応を評価しています が、JCS では刺激のレベルに応じて開眼するかしないかを評価して いました。ECS では開眼のほかに、発語、従命動作が判断材料とし て増え、どれか一つでも該当しないかを評価し、判断します。