インフォームド・コンセント(説明と同意)
説明を加えた結果生じる同意に基づいて治療計画を進めることは、医療にかかわるもの全てに共通した原則といえます。
治療を開始する前に患者あるいは患者の家族の了承を得て、あらかじめ十分に納得しておく必要があります。
近代的な医療形態では、分化した専門職によって専門領域の業務が遂行されています。医業分業のみならず、診療放射線、検査、理学療法、作業療法、言語聴覚訓練、そしてケースワーカーに至るまで専門職に委ねられるようになっています。
当然、医療の質及び密度は濃く、そして高度なものになりましたが、各々が専門的なサービスを提供することができるようになった反面、医療チームの中での医師の統一が図られにくくなるという側面もあり、ケースカンファレンスの場などにおいて患者に対する治療計画説明の一貫性を確認し、少なくとも医師と他の専門職との間に、患者に対する説明上の差異が無いようにする必要があります。
特にゴールについての発言については慎重であるべきで、患者の意識を鼓舞するよう、しかし誤った過度の期待を抱かせぬよう慎重に説明し同意を得ることが肝要です。
患者の精神状態を良好に保ち、最大の治療効果を期待するためにも、インフォームド・コンセントの確認は必須事項になります。
1つの契約事項として業務を遂行することは、患者に安心感を与えると同時に、医療者の自覚を高めることにもなり、結果的に「医療の質」を高める結果になります。
1997年の医療法の改正時に趣旨が明文化されました。
*参考 整形外科学テキスト(南江堂)