障害者にどう対応すべきか

障害者にどう対応すべきか

障害エチケット
 エチケットとは、障害者を含むすべての人に対して、丁寧で礼儀正しくあることです。さらに、障害エチケット(disability etiquette)では、その人の人間性を一番に考え、次に障害に関して考えます。黄金律は「尊厳と自立に対する理解、感受性、敬意とともに、自分が他の人にしてもらいたいことを障害者にすること」というものです。障害エチケットの原理として、平等の原則と相容れない支配や従属を含むものがあるとしたら、拒否されなければならないでしょう。人はみな同じように尊敬されること、尊厳を保つこと、感謝されること、自律することを必要としています。
 医学的ケアの種類や治療法の選択肢やリハビリテーション・ゴールを選ぶとき、他の人と同じように障害者も自分自身の人生の主人であり続けるべきだという事を認識することが必要です。基本的な要求に対して他人への身体面での依存性が増えると、平等な基本的人権を見逃しやすくなります。公共施設(たとえば、医療施設)は、患者と家族の連帯感、自己管理、自由の機会を最大にするように、同時に環境の制限を最小にするように機能すべきです。障害を持つ人々とのよいコミュニケーションの原則は、障害の無い人々とのコミュニケーションの原則となんら変わるところはないといえます。

障害を持つ人々とのコミュニケーションに使う用語
 私たちが使う言語と、その言語を通して広げるイメージは、私たちが特定のグループの人に対して持つ態度を映し出します。ネーミングには力があります。障害を持つ人々とコミュニケーションをとるときあるいは障害を持つ人々について語るとき、障害を持つ多くの人たちは、人間第一の用語を用い、人間全体をみずに障害に焦点をあてることを避けることを主張します。「障害を持つ人」あるいは「車椅子を使う人」という言い方は、その人自身の特徴を定義しているわけではなく、状況を説明する言い方です。同様に、障害者の対義語として「正常」を使うことは避けます。「正常」という用語を使うことは、障害を持つ人は正常ではないことを意味してしまいます。「非障害者」か「障害を持たない人」というようにすることが必要です。障害の概念と、それを表現するために使われる言葉は、変化してきています。障害者の中には、障害は自分たちの生活のもっとも重要な部分であり、「障害を持っていることを誇りにしている」と表明する人たちがいます。医療場面では、多くの場合、治療対象としての障害の側面に焦点が当てられます。このような特徴が患者の人格を覆い隠すことが無いように、特に努力する必要があるでしょう。

*参考 リハビリテーションシークレット(株式会社 メディカル・サイエンス・インターナショナル)