福祉用具を用いるにあったっての注意点

福祉用具を用いるにあったっての注意点

患者に福祉用具を適用する場合、実際には個々の障害に合わせた綿密な対応が必要になりますが、ここでは福祉用具の適応に関する一般的な注意事項について記載いたします。

福祉用具の適応にあたっては、本人との適合は言うまでもなく、介護者や住環境を含めた生活全般を考慮してか決定することが必要です。

また、福祉用具の使用に介助が必要な場合は、その導入により介助作業が増えるコタがある点に注意しなければなりません。介護者のやってあげたい気持ちと、それが継続的に実行できるか否かは質の違う問題であって、このあたりをよく見極めて検討することが大切です。

福祉用具を選定するにあたって具体的にどのような点に注意すればよいか以下に述べます。

・福祉用具の使用目的を明確にし、どの場面で必要か、使用する主体は当事者化介護者か、使用頻度はどのくらいかを明らかにする。

・当事者との適合にあたっては、起居・移乗動作、移動動作、手の操作性、理解力などを評価する。

・介護者との適合にあたっては、福祉用具の導入により介助作業が増えることを想定したうえで、生活状況を総合的に判断して決定する。当然ながら、介護者が無理なく操作できるかを確認しておかねばならない。

・環境との適合にあたっては、時に家具の配置換えや家屋改造が必要なる。したがって住環境が福祉用具の使用に適しているかを評価する必要がある。

 実際に福祉用具を適用するにあたっては、上記事項をよく検討するとともに、対象となる機器を可能な限り個々の生活場面に持ち込み、実際に使用するとよい。こうすることで、福祉用具の適用を具体的に検討でき、使用上の問題点をより明確に把握することができます。
 また福祉用具の導入には少なからず出費が伴うので、これらに関する公的補助制度をよく理解することが大切です。

*参考 地域リハビリテーションマニュアル(三輪書店)