中脳歩行誘発野(MLR)とCPG
歩行に関与する基本的神経機構は脳幹と脊髄に存在しています。
中脳には中脳歩行誘発野(midbrain locomotor region:MLR)が存在します。
実験動物では、この領域の神経細胞が興奮すると歩行が誘発されます。
ヒトでも微小脳梗塞などでこの領域が損傷されると、運動麻痺がないにもかかわらず起立と歩行ができなくなります。
MLRからの出力は、網様体脊髄路を介して脊髄の歩行リズム生成機構(central pattern generator:CPG)に作用して歩行リズムを誘発させます。
CPGは、脊髄の介在細胞群からなるネットワークにより構成されています。
また、MLRの出力は、青斑核脊髄路や縫線核脊髄路などのモノアミン作動性下行路にも作用します。