無庖疹性帯状庖疹(zoster sine herpete)
Hunt症候群の亜型として、VZV再活性化による顔面神経麻痺でありながら庖疹を欠き、臨床的にはBell麻痺と鑑別困難である無庖疹性帯状庖疹(zoster sine herpete)が存在します。
Zoster sine herpeteの診断にはペア血清を用いたウイルス抗体価測定が必須で、さらに唾液を用いたVZVDNAの検出も有用です。
日本で施行された多施設共同研究の結果、Bell麻痺症例においてEIA法による抗VZV IgG抗体の有意変動は6~9%、IgM抗体陽性化は5%にみられたとの報告があります。
PCR法による唾液中VZV DNA陽性率は3~11%で、PCRの方法、検体採取の回数すなわち1回のみ調べるか、再診の度毎に調べるか等で異なります。
唾液中VZV DNA検出と血清抗体価検査を組み合わせて診断すると、zoster sine herpeteは臨床的Bell麻痺の8~19%を占める結果となっているとのことです。
zoster sine herpeteはHunt症候群と同様に完全麻痺症例が多く、また麻痺の治癒率も不良であるため、臨床的にもBell麻痺症例と区別する必要があります。
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