脳卒中後の運動機能回復の経過
Duncanらは脳梗塞急性期患者104名の経過をFugl Meyerスコアで評価しました。
Fugl Meyerスコアは片麻痺重症度の評価で、発症時の脳卒中重症度にかかわらずおおむね最初の30日以内に大きく改善しましたが、中等度および重度の患者は30~90日のあいだも改善しており、その後わずかであるが180日まで改善傾向がありました。
この結果より、機能障害は30日以内の回復が著しく、大部分は90日以内にプラトーに達すると考えられます。
Duncan以外にも運動麻痺回復に関して多くの報告がありますが、この運動麻痺回復の経過と大きく異なる点はありません。
運動麻痺回復には脳卒中により直接障害を受けた神経やネットワークの修復のほかに、浮腫や血液灌流低下により二次的に障害されていた機能の回復が要因としてあげられます。
一方で神経系の可塑性変化は脳内に新しい神経ネットワークをつくり、残された正常な組織がはたらくことでの機能回復であり、その回復は長期に及ぶと考えられています。
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