長期臥床と静脈血栓症
長期臥床により、深部静脈血栓症(DVT)の発生が高まります。
原因として血液停滞、血液凝固能の亢進が考えられます。
臥床により、下肢の筋ポンプ作用が減少して血液が停滞します。
循環血漿量の減少によって血液凝固能は亢進し、下肢のDVTのリスクが高まることになります。
DVTにより生じた血栓が血流で運ばれ、肺動脈が閉塞すると、肺血栓塞栓症を生じます。
急性の循環動態不全、ガス交換不全を起こして呼吸困難を呈します。
末梢動脈が完全に閉塞すると肺梗塞をおこし肺組織の壊死となります。
肺塞栓の中で妬く20%に肺梗塞が起こるといわれています。
自覚症状は、突然の呼吸困難、息切れ、胸痛、胸内苦悶、背部痛、咳、血痰、失神、意識レベル低下、下肢痛などが上げられます。
他覚所見として血圧低下、頻脈、徐脈、肺雑音、チアノーゼ、頚静脈怒張、浮腫、下肢腫脹、発熱などがありますが、突然ショック症状で発症する致死性肺血栓塞栓症も多く、注意が必要です。
悪性腫瘍による凝固機能亢進や、下肢の手術後にもリスクが高くなる。
診断は、凝固線溶系マーカー(D−dimer)、超音波検査、静脈造影、造影CTで行われます。
肺血栓塞栓症の診断は、肺血管造影、胸部造影CT、肺血流シンチグラム、肺換気シンチグラム、心電図、心エコー動脈血液ガス胸部Xpで診断を行います。
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