誤嚥性肺炎 抗菌薬
誤嚥性肺炎と診断され、重症度が判定されると、治療に入ります。
日本呼吸器学会のガイドラインでは、「高齢者の誤嚥性肺炎は、中等症以上と考えて治療する必要がある」としています。
起因菌は、同定が困難なことが多いことから、最初はエンピリックな治療(原因菌を推定して行う治療)を始めます。
誤嚥性肺炎では、嫌気性菌とグラム陰性桿菌の関与が高いことから、βラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン系薬、クリンダマイシン、カルバペネム系抗菌薬などが推奨されています。
これらの初期治療で無効な時は、侵襲的な方法(経気管支吸引法や経皮的弓穿刺吸引法)を用いて起因菌を同定することを奨めています。
高齢者では、加齢によって薬物動態が変化するので、十分な配慮が必要です。特に、潜在性に腎機能が低下しているので、抗菌薬の尿中排泄率が低く、薬剤の血中半減期が延長します。
そのため注射薬では、1回投与量を成人投与量の50-70%にして投与間隔を腎機能に応じて延ばす必要があります。
抗菌薬の副作用の種類は、成人と変わりませんが、気づかれにくく、重症化しやすいです。
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