廃用症候群と起立性低血圧





廃用症候群と起立性低血圧


安静臥床から立位になると、血液が下肢に移動し貯留され、静脈還流量は減少します。

正常では高圧受容器に刺激が入力され、交感神経活動が亢進し、心拍数の増加と末梢の血管抵抗の増加を来たし血圧を維持する働きを示します。

収縮期血圧は若干減少し、拡張期血圧は末梢血管抵抗の増加と同じく若干の増加を示しますが、平均血圧は変化しない反応となります。

しかし、長期の臥床によりVasomotor controlの障害で交感神経活動の働きである下肢の末梢血管収縮反応が不十分となり、下肢に血液が貯留し、静脈環流量が減少します。一回拍出量が低下し、血圧が維持できなくなって、血圧の低下を示した後、脳血流量の低下へと繋がります。

起立性低血圧の症状は、立ちくらみ、顔面蒼白、ふらつき、めまい、頭痛、発汗、意識不鮮明、目のかすみを伴うことがあります。