廃用症候群と関節可動域制限
長期の安静臥床により関節の可動域制限をきたし、拘縮と強直に分けられます。拘縮とは、皮膚、筋肉や関節構成体である関節包や靭帯の変化により正常の関節の動きが制限された状態をいいいます。
さらに長期にわたる関節内の病変により、関節端や関節軟骨が骨性に癒着した状態が強直といいます。
筋肉、骨格系の可動性は結合織の状態で変化します。
結合織は、コラーゲン、レチクリン、エラスチンといった線維成分から成り立っており、可動性を持っています。
関節の動きが制限された時に内部組織の細胞浸潤とともにフィブリンの析出がおこり、さらに結合織の増殖がおこることで結合密度の高い状態となります。
関節固定を行うと、3日で顕微鏡レベル、7日で臨床的な拘縮が観察されるようになります。
また、関節の運動により軟骨は直接的に栄養をうけており、この作用がなくなると軟骨への栄養も障害され易い様態となります。