肺炎の検査
身体所見では、まず呼吸数、呼吸様式、チアノーゼを診ます。ただし高齢者は必ずしも呼吸困難を訴えないので、注意が必要です。
聴診では、呼吸音の性状、雑音の有無に注意します。肺胞呼吸音が聴こえるべき部位での気管支呼吸音の聴取(肺炎が疑われる)、呼吸音の減弱(無気肺が疑われる)の有無、断続性雑音(ラ音)の有無を聴診します。
肺炎の診断は、胸部単純レントゲン撮影で行われます。肺炎を起こしている部位には、浸潤影が認められます。浸潤影はair bronchogram(エアー・ブロンコグラム)といわれる気管支の透亮像(周囲に比べて黒く写る所見)を伴うことがあります。
単純レントゲン撮影で診断がはっきりしない時には、CTが用いられることもあります。
血液検査では、炎症所見(白血球増加、赤沈亢進、CRP陽性)が認められます。
肺でのガス交換の結果は、動脈血ガス分析で評価する。低酸素血症(PaO260 Torr以下)の有無、肺胞低換気(PaCO245Torr以上)の有無を評価します。
以上の検査から、肺炎の重症度を判定します。
重症度は日本呼吸器学会「成人市中肺炎診療ガイドライン」の重症度分類を参照してください。
肺炎患者の生命予後という点から、身体所見ならびに検査成績から重症度を分類しています。
目安として、軽症(0点)は外来治療を、中等症(1または2点)は外来治療または入院治療、重症(3点)は入院治療を、超重症はICU入院にて治療します。
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