皮質下性失語
大脳基底核部や視床、深部白質のみの病巣で失語を呈する症例があります。線条体失語や視床性失語とよばれる一群です。これらの失語症は皮質下性失語ともよばれています。
線条体失語は中大脳動脈の穿通枝領域の脳梗塞(線条体内包梗塞)や被殻出血で出現します。
失語症のタイプや重症度は様々です。
視床を中心とした病巣による失語症を視床性失語とよびますが、通常、流暢型の失語を呈してきます。
しかし、視床に限局した病巣で真の失語症が出現してくるか否かに関しては検討の余地が残っています。視床に限局した梗塞で失語症をきたした症例の報告はありますが、視床に限局した梗塞の大多数には失語は認められていません。一方、視床出血ではしばしば失語症状が認められます。この場合は線条体失語と同様に、周囲の白質や言語領野への直接的、間接的影響の有無について検討されています。
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