遂行機能障害 認知リハのガイドライン
Metacognitive strategy trainingは勧められる(グレードA)。
自己の能力を自覚したうえで、動作を選択していく訓練をいう。たとえば、日常生活動作施行中に、各動作の目的と予想される結果と難しさ、そして、自分の能力で完遂するためにはどの動作を選択すべきか、また、必要な介助の内容を尋ねられる。 本訓練は、遂行機能障害を補う技術を身につけ、自己の管理能力が向上するとする高い研究報告がある(la)。
Goal management training(GMT)も、Metacognitive strategy trainingの1つと考えられる。 GMTはゴール設定ができない脳損傷患者のトレーニングプログラムとしてLevineらが提唱した。 意図した行動が実現するように、「計画し、構造化」できるように訓練を行う。 GMTは、5つのステージからなる。
Stage1
現状に注意を向け、評価を行い、何がゴールなのかに目を向ける(’‘stop”)(私は何をするのか?)
Stage2
適切なゴールを選び、設定する。
Stage3
ゴールを達成するために、ゴールを部分的に分けるsub goalsの設定(“split”)。
Stage4
ゴール、サブゴールを記述し留める(私はゴールを達成する手順を知っているか?)
Stage5
結果を設定したゴールと比較する(モニタリング“checking”)(私が計画したことをしているか?)
マッチしない場合、以上のプロセスを繰り返す。
Levineらは、GMTを中等度から重度のTBI患者に行い、机上の作業において、明らかな作業成績の改善をみた。
また同時に脳炎患者に、料理の準備に関する訓練について、GMTを施行し(手順をカードに記載)、改善をみたと報告している。