側頭葉 損傷
側頭葉には、さまざまな言語処理に関する言語野と聴覚野が存在する。
一次聴覚野に損傷を受けた患者は、音に対してその認識を失われるが、反射的反応の能力は残されている。聴覚的な“対象”の同定や分離、空間における音源の位置の同定などにかかわっており、患者は話す人の存在や場所がわからなくなる、テレビから聞こえる内容が理解できない、音がこもって聞こえるなどの症状を訴えるが、通常一過性の症状である。
言語に関しては、側頭葉だけではなく、前頭葉、頭頂葉にも皮質機能があり、これらが複雑なネットワークを形成して処理している。
失語症の観点からは自発言語、復唱、言語理解、文字理解、音読、自発書字、書き取りの可否を診断する。
ウェルニッケ失語(感覚性失語)では、聴理解が難しくなる他に、復唱や読み書きが難しくなり、自発言語は 喚語困難、語性錯語、音韻性錯語、保続、錯文法といった症状がでる。
頭頂下葉から中下側頭回の障害による超皮質性感覚失語では、復唱が良好だが理解が伴わない症状がでる。自発言語は、 喚語困難、語性錯語の症状がでる。
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