体位ドレナージの実施前の準備
体位ドレナージを行うには、「修正した排痰体位」を一定の時間保持できることが前提となる。
あらかじめ大小異なる枕やクッションを、患者の体格や排痰体位に合わせていくつか用意しておく。
用意したもので足りない場合は、バスタオルを数枚重ねてロール状にして代用することも可能である。
仰臥位や後傾側臥位で両膝関節の間もしくは両膝関節の下に用いる場合は、安定性や姿勢保持のための固定性が必要となるためビーズなどの固めの材質を選択する。
前傾側臥位や腹臥位で胸部あるいは腹部の下に用いる場合は安楽さを保つことが大切になるため、不快感を与えないウレタンなどの柔らかい材質を使用する。
前傾側臥位や側臥位をとる際は、下側になる上肢の位置を必ず確認する。とくに感覚障害や麻痺がある場合、肩関節の亜脱臼や血行障害によるチアノーゼが起こっていても患者自身は気がつかず、訴えないことがあるので注意する。
腹臥位の際、肩関節の痛みや拘縮などがあり、上肢を挙上して顔の下に手を置けない場合は無理に行う必要はない。上肢を体側につけるように下ろし対応する。顔も向きやすい方向を向いて構わない。
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