TIA(transient ischemic attack)は発症後 3 カ月以内に 10 ~ 20%が脳梗塞を発症し、その半数が 48 時間以内に発症すると言われている。
まず、TIA 発症 48 時間以内の脳梗塞発症リスクを評価するために開発された『ABCDスコア』を用いる。
TIA 後 2 日以内に脳梗塞を起こすリスクは 0 ~ 1 点で 0%、2 ~ 3 点で 1.3%、4 ~ 5 点で4.1%、6 ~ 7 点で 8.1%であり、さらに 7 日間、90日間で観察しても同様に、スコアが高いほど脳梗塞に進展する確率が高くなる。
TIA は「血管疾患で起こる一過性黒内障や一過性の局所脳神経脱落症候が 24 時間以内に完全に消失するもの」と定義されていた。
TIA の新しい定義として「急性脳梗塞をきたさない脳、脊髄、網膜の局所虚血による一過性の神経機能障害である」ことが 2009 年に提案されました。
これは TIA の診断に MRI(DWI)が必須であることを前提としている。
TIA 症例は全例入院させて検査・治療を行うことを原則としている病院もある。
TIA には “T(Take)、I(Immediate)、A(Action)” の対応が求められる。
一過性全健忘(TGA:transient global amnesia)、一過性てんかん性健忘(TEA:transient epileptic amnesia)、めまいのみなどが一過性に生じる TNA(transient neurological attack)などの鑑別が必要で、病歴聴取がポイントになる。
最近では、TIA と急性期脳梗塞を、急性脳血管症候群(ACVS:acute cerebrovascular syndrome)として包括し、対応する考え方が出てきている。