心筋症





心筋症

心筋症は、循環器疾患の中で予後不良な疾患群であり、その病因は十分に解明されていません。わが国の難病に指定されています。
日常臨床で遭遇する機会が多い心筋症は、拡張型心筋症と肥大型心筋症ですが、これらは形態学的に分類されており、病因、病態に基づいて分類されていません。
また、心筋症患者は、心臓移植に至るほどの最重症な段階から、積極的な治療を必要としない軽症な段階まで、さまざまな重症度を呈します。
無治療もしくは軽度の薬物治療を行うだけで経過観察をしている心筋症患者が多いのが現状です。
しかし、このような患者の中で突然死の転帰に至ることがある点が問題と言われています。
心筋症の病因が十分解明されていないため、心筋症という疾患群に対して予後を考慮した分類が確立していなません。
世界的に、心筋症の病因を解明すべく研究が行われ、肥大型心筋症の半数以上、拡張型心筋症の2~3割程度が遺伝子異常による先天的な規定因子によって生じることが分かりつつあります。