リツキサンによる治療について

リツキサンによる治療について

リツキサンによる治療は、点滴による静脈注射により行う。
患者の体表面積から1回あたりの治療に必要な量を計算し、1週間間隔で4回点滴する。
腕や手の静脈に注射針を刺して点滴を行う。
初めて点滴する日(1日目)は、2~8時間ほどかかる。
場合によっては、1日かかることもある。
他の治療法と組み合わせて治療することもあり、この場合、投与の間隔が1週間より長くなることがある。

Rey-Osterrieth 複雑図形 (ROCF)

Rey-Osterrieth 複雑図形(ROCF

Rey-Osterrieth 複雑図形(ROCF)は、脳損傷患者の視空間知覚・構成機能と非言語性視覚記憶を測定するために、スイスのRey(1941)によって開発されました。それを標準化検査として整備したのはベルギーのOsterrieth(1944)です。
以来50年以上が経過しましたが、現在では世界中で最も頻繁に使用される神経心理学テストの一つになっています。
この検査は、34本の線分と内部に3つの点を持つ円から成る無意味で複雑な図形を、被検者ペースで模写させる模写課題と、それを一定の時間(最も一般的なのは3分)が経過した後で想い出して描かせる再生テストから構成されています。

採点の方法は模写課題、再生テストとも18の採点部位について2点満点(正確な形で正確な位置に描かれていれば2点、正確な形で不正確な位置に描かれていれば1点、不正確な形で正確な位置に描かれていれば1点、形も位置も不正確でも描かれていると認められれば0.5点、描かれていなければ0点)で評価する36点法が一般的です。

Rey-Osterrieth 複雑図形の18Unitと採点基準はこちら↓

Rey-Osterrieth 複雑図形の18Unitと採点基準

Rey-Osterrieth 複雑図形の18Unitと採点基準

18Unit
1 大きな長方形の外部にある左上偶の十字架
2 大きな長方形
3 大きな長方形の内部の対角線
4 大きな長方形の内部の水平線
5 大きな長方形の内部の垂直線
6 大きな長方形内の左隅にある小さな長方形
7 小さな長方形の上の短い線分
8 大きな長方形内の左上部にある4本の平行線
9 大きな長方形の右上部に付いている三角形
10 9]の下部にあり大きな長方形の中の短い垂直線
11 大きな長方形の内部にある3つの点を含んだ円
12 大きな長方形内の右下にあり対角線を横断している5本の平行線
13 大きな長方形の右側に付いている三角形の2
14 13]に付いている菱形
15 13]の三角形の内部にある垂直線
16 13]の三角形の内部にある水平線
17 大きな長方形の下部にあり[5]に付いている十字架
18 大きな長方形の左下に付いている正方形

採点基準 得点
形態、位置ともに正しく描けている 2
形態は正しいが、位置が正確ではない 1
形態は歪んでいるか、または不完全であるが位置は正しい 1
形態は歪んでおり、位置も不正確である 0.5
形態の認識が不能、あるいは図が欠けている 0

脳梗塞の定義と3つの分類

脳梗塞の定義と3つの分類

脳梗塞とは脳を栄養する動脈の狭窄や閉塞が、 脳の循環代謝障害を引き起こし、 さまざまな症状を来す疾患である。
脳への血流がたった一つの血管によって栄養されている場合もあるが、 別の血管(側副血行路)も栄養している場合があり、 栄養のされ方によって症状の発現の程度は変化する。
脳の循環代謝が障害されるとグルコースと酸素が枯渇するため、 細胞のミトコンドリアの機能不全が生じてATP(adenosine triphosphate: アデノシン三リン酸)が産生できなくなる。
脳梗塞は病態により3つの病型に分類される。
(1)アテローム血栓性脳梗塞
(2)心原性脳塞栓症
(3)ラクナ梗塞

分類の必要性としては、各梗塞によって治療方針が違うため発症早期に正確に分類する必要が出てくるからである。

モノクローナル抗体 リツキサン

モノクローナル抗体 リツキサン

モノクローナル抗体は、がん細胞などを標的として結びつくよう、遺伝子工学的に設計された抗体である。
リツキサンは、がん化したBリンパ球と特定の成熟段階にある正常Bリンパ球の表面にだけ存在しているCD20というタンパク質の目印に結びつくモノクローナル抗体である。
CD20という目印があるものにだけ結合するので、従来の化学療法と比べると正常細胞への攻撃が少ないと考えられている。
ただし、ANCA関連血管炎にどのように作用するのか、そのメカニズムはわかってない。

ANCA関連血管炎の治療法

ANCA関連血管炎の治療法

寛解導入療法
免疫抑制剤(シクロホスファミドまたはアザチオプリン)と副腎皮質ホルモン(プレドニゾロン)を併用する。顕微鏡的多発血管炎の最重症例では、血漿交換療法も一緒に行われる。

寛解維持療法
寛解維持療法として副腎皮質ホルモン(プレドニゾロン)単独、または免疫抑制剤を併用して治療する。

モノクローナル抗体療法
モノクローナル抗体と呼ばれる薬であるリツキサンを単剤で投与、もしくは他の薬剤と併用する。一般的な治療に対して、十分な効果が得られなかった場合に用いられる。

ANCA関連血管炎の症状と診断

ANCA関連血管炎の症状と診断

小型血管炎の発症早期には、発熱、倦怠感、体重減少などの全身性の症状が現れる。
また、血管炎の起きた付近に手足のしびれ、痛み、筋力低下などの末梢神経障害がみられる。
さらに、障害された臓器や疾患毎にさまざまな症状が出現する。
ANCA関連血管炎では、これらの多彩な症状がみられ、感染症、悪性腫瘍、膠原病が除外された場合に、免疫複合体の有無や炎症の起きている血管を検査して診断される。

小型血管炎に共通の症状
〇全身の症状
・発熱、倦怠感、体重減少、関節炎、筋肉痛

〇顕微鏡的多発血管炎の症状
・肺への影響:肺胞出血、間質性肺炎
・腎臓への影響:高血圧、糸球体腎炎、急速な腎障害

〇ウェゲナー肉芽腫症の症状
・上気道の症状:副鼻腔の痛み、後鼻漏、鼻汁(膿性、血性)など
・肺への影響:咳、喀血、呼吸困難、肺結節、肺の空洞病変など
・腎臓への影響:血尿、蛋白尿、急速な腎障害、浮腫、高血圧

心筋症

心筋症

心筋症は、循環器疾患の中で予後不良な疾患群であり、その病因は十分に解明されていません。わが国の難病に指定されています。
日常臨床で遭遇する機会が多い心筋症は、拡張型心筋症と肥大型心筋症ですが、これらは形態学的に分類されており、病因、病態に基づいて分類されていません。
また、心筋症患者は、心臓移植に至るほどの最重症な段階から、積極的な治療を必要としない軽症な段階まで、さまざまな重症度を呈します。
無治療もしくは軽度の薬物治療を行うだけで経過観察をしている心筋症患者が多いのが現状です。
しかし、このような患者の中で突然死の転帰に至ることがある点が問題と言われています。
心筋症の病因が十分解明されていないため、心筋症という疾患群に対して予後を考慮した分類が確立していなません。
世界的に、心筋症の病因を解明すべく研究が行われ、肥大型心筋症の半数以上、拡張型心筋症の2~3割程度が遺伝子異常による先天的な規定因子によって生じることが分かりつつあります。

血管炎症候群とANCA関連血管炎

血管炎症候群とANCA関連血管炎

血管炎症候群とは血管壁に炎症を起こす病気であり、炎症の起こる血管の大きさ別に大型血管炎、中型血管炎、小型血管炎に分類される。

血管炎症候群は原因不明で難治性であることが多く、発症頻度が低い疾患である。

ANCA(アンカ:抗好中球細胞質抗体)関連血管炎は血管炎症候群の中でも、細動脈、毛細血管、細静脈などの細い血管に起こる小型血管炎に分類される。

炎症が起きている血管壁に免疫複合体の付着が認められず、ANCAという自己抗体の発現が多くみられるのが特徴である。

ANCA関連血管炎 全身型 臓器限局型

ANCA関連血管炎 全身型 臓器限局型

ANCA関連血管炎は、全身の臓器に血管炎を発症する「全身型」と、腎臓にのみ血管炎を発症する「臓器限局型」に分類される。

「全身型」には顕微鏡的多発血管炎、ウェゲナー肉芽腫症、アレルギー性肉芽腫性血管炎がある。

日本人で多いのは顕微鏡的多発血管炎である。

なお、ウェゲナー肉芽腫症は現在「多発血管炎性肉芽腫症」に、アレルギー性肉芽腫性血管炎は現在「好酸球性多発血管炎性肉芽腫症」と改名されている。

コタール症候群 (Cotard Syndrome)

コタール症候群 (Cotard syndrome)

重症のうつ病でみられる症候群です。
心気的訴えや抑うつ感を背景に、“自分はすでに死んでしまっている、感覚をもった肉体ではない”という妄想を訴えます。
“死ぬこともできない”と、この苦しみから永遠に逃れられないという恐怖感も認めます。
初老期うつ病、老年期の精神障害でしばしば経験されます。
自殺企図に至るリスクが非常に高く、抗うつ薬などの薬物療法の時間的猶予のない症例が多いです。そのため,電気痙攣療法が導入されることもあります。

FIM 認知項目 採点基準

FIM 認知項目 採点基準

コミュニケーションの状況(理解と表出)、社会認識(社会的交流、問題解決、記憶)について各項目7点満点で評価します。
 
点数

介助者

手助け 手助けの程度

7


不要


不要


自立


6


不要


不要


時間がかかる.投薬している.安全性の配慮が必要


5


必要


必要


監視・準備・指示・促しが必要.介助は10%未満


4


必要


必要


75%以上90%未満自分で行う


3


必要


必要


50%以上75%未満自分で行う


2


必要


必要


25%以上50%未満自分で行う


1


必要


必要


25%未満しか自分で行わない


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 










*運動項目との違い
5点: 監視、指示、準備以外に10%未満の手助けも含まれます。
 
理解・表出・問題解決 採点のポイント

76点 : 複雑/抽象的事項を一人でできる

51点 : 簡単な日常生活において介助が必要
 

社会的交流・記憶 採点のポイント

76点 : 一人でこなせる

51点:  手助けをする必要がある

複雑、簡単(日常的)の区別がないことに注目


下記サイトより参照↓
http://www.google.com/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&frm=1&source=web&cd=2&cad=rja&ved=0CDYQFjAB&url=http%3A%2F%2Fwww.pref.shimane.lg.jp%2Fmasuda_hoken%2Ftiikiriha%2Fryouyouno-to.data%2Fno2fimmamyuaru.doc&ei=pzD_Ut72N8jWkgX00YHAAQ&usg=AFQjCNFjr6P4w43TDY4xcuG6Bh2xZctwsQ&sig2=Q3yEi35eS8XUv16Kdfce5Q

FIM 運動項目 採点基準

FIM 運動項目 採点基準


点数

介助者

手助け
  手助けの程度

7

不要

不要

自立

6

不要

不要

時間がかかる.装具や自助具が必要.投薬している.安全性の配慮が必要

5

必要

不要

監視・準備・指示・促しが必要

4

必要

必要

75%以上自分で行う

3

必要

必要

50%以上75%未満自分で行う

2

必要

必要

25%以上50%未満自分で行う

1

必要

必要

25%未満しか自分で行わない

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 














装具や自助具の装着は『準備』に含まれます。

セルフケア、排泄、移乗、移動について評価します。

76点 :一人でできる

51点 :何らかの監視や介助が必要
 
 
下記サイトより参照↓