福山型先天性筋ジストロフィー 3kb挿入変異

福山型先天性筋ジストロフィー 3kb挿入変異

福山型先天性筋ジストロフィー患者の約70%は、FKTN遺伝子の3’ 非翻訳領域に約3kbの挿入変異をホモ接合で有しています。
残り30%の患者はこの3kb挿入変異と蛋白質コード領域のミスセンス変異からなる複合ヘテロ接合変異を有しています。
この3kb挿入変異は約102世代前の日本人に起こった突然変異と考えられており、日本人にしか見つからないとされていました。しかし最近相次いで韓国および中国でも少数の患者が見出されるに至っています。
3kb挿入変異は、最近、新たなエクソンを生じるとともに、その直前のエクソンの途中でスプライシングを受けることによって、読み枠がずれてしまうことが明らかにされました。
このことは、3kb挿入変異内の新規エクソン部位をアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いて抑制すれば、治療できることを示しています。