病的反射 前頭葉
前頭前野損傷者では健常者では見られない以下の病的反射が出現します。
①把握反射
病巣対側の上下肢が、患者の意志に反して対象物を把握しようとする現象です。乳幼児には正常に認められる反射であるが、成人で認められる場合は対側の前頭葉損傷が疑われます。
②手探り反射
患者の手から物を取り去ると、それを手探りでとろうとし、眼で追いかけます。あたかも患者の手が磁気で引かれるようです。把握反射より出現頻度は低いといわれています。
③口とがらし反射
上唇の中央を軽く刺激すると唇が突出し、唇にしわができ、とがり口になります。この反射は前頭葉損傷のみならず錐体外路系の損傷でも認められます。
④吸入反射
口を軽く開かせ、上唇から口角にかけて刺激すると口を尖らせて乳児が乳を飲むような運動が生じます
⑤緊張性足底反射
足底反射検査に際して足指屈曲が生じ、刺激がなくなっても反射が持続します。
⑥交差屈曲反射
下肢または上肢を受動的に屈曲させると対側も自動的に屈曲します。
病的反射の出現機序は、前頭前野損傷に伴って低次の運動中枢への抑制が解除されたことによると考えられています。
No comments:
Post a Comment