コルネリア・デ・ランゲ症候群 (Cornelia de Lange Syndrome:CdLS)





コルネリア・デ・ランゲ症候群 (Cornelia de Lange Syndrome:CdLS)

コルネリア・デ・ランゲ症候群は、1916年にブラックマン博士により見出されていたが、1933年にデ・ランゲ博士によりはじめて詳細な症例が報告された。
コルネリア・デ・ランゲ症候群は優性遺伝疾患であり、多様な症状を伴う、多次元の分化異常疾患である。主な症例上の特徴としては患者に共通の特徴的な顔貌(眉毛叢生、長い三毛、小頭症等)、多毛症、四肢の形成不全、循環器、消化器の機能不全、精神発達遅延等があげられる。
約1~3万人に1人の割合で発生するとされているが、症例ごとに症状の深刻さは非常に流動的であり(これもコルネリア・デ・ランゲ症候群の特徴の1つであるといえる)、四肢の無形成および重度の精神発達障害、循環器障害が伴う非常に症状の重い例から、ごく軽い精神発達遅延のみを伴う症例もあり、潜在的に見逃されている例も多いと推測される。
この症候群の原因遣伝子の1つは2004年に同定された。原因遺伝子は思いがけずNIPBLと呼ばれる、コヒーシンの制御(染色体へのローディング)にかかわる因子であった。さらに、その後、コヒーシンタンパク質複合体のサブユニット(SMCIA、SMC3)そのものに変異をもつ症例も報告されている。