社会的行動障害の症状のメカニズム

社会的行動障害の症状のメカニズム

前頭葉損傷、尾状核や被殻といった線条体の損傷、ウェルニッケ失語、右半球損傷などが原因となる。また、もともとの性格が影響したり、発症以前の脳機能の低下(もともと認知症が背景にある場合など)が影響したりすることもある。

前頭葉の下方にある眼窩前頭皮質という部分は、衝動コントロールに関係している。
われわれがある人に対して怒っても、そうそう殴ることがないのは、もし殴ってしまったら、その後のお互いの関係が悪くなると直感的にわかっているからである。眼窩前頭皮質にはそのような機能があるため、この部分が損傷されると、怒ったらすぐに殴ってしまうといった衝動コントロールの欠如した状態になりやすいのである。この部分は、脳挫傷やくも膜下出血でしばしば損傷される。
眼窩前頭皮質の衝動コントロールに関する機能は、尾状核や被殻といった線条体とも関連しているため、被殻出血などによる線条体の損傷でも衝動コントロールの低下が起こる場合がある。とくに、尾状核の損傷後は、しばしば精神面の問題が出現する。

失語では、重度のウェルニッケ失語に不穏を伴うことがある。言われていることの意味がわからない
感覚性失語が不穏の一因になっていると思うが、ほかにもまだ不明の理由があるかもしれない。

右半球損傷では、表情、声色、雰囲気などといった非言語的コミュニケーションの認知がしばしば障害されるため、いわゆる “ 空気が読めない ” 状態になることがある。

そのほか、脳の損傷では、今まで 100 の仕事ができたとしたら、損傷後に 50 や 60 しかできなくなるといった、能力の容量の低下がしばしばみらる。したがって、ささいな刺激であっても容量オーバーになってしまい、怒り出すことがある。

看護を必要とする人

看護を必要とする人

看護を必要とする人とは、その人の健康状態にかかわらず看護を受けるニーズをもつすべての人々をいう。看護職は、保健医療福祉の幅広い分野で活躍し、対象が本来もつ自然治癒力を発揮しやすい環境を整え、健康の保持増進、疾病の予防、健康の回復、苦痛の緩和を行い、生涯を通して、その人らしく生を全うすることができるよう支援しているため、看護を必要とする人は、あらゆる年代の個人、家族、集団、地域社会に及ぶ。

スペシャリスト 看護

スペシャリスト 看護

スペシャリストとは、一般的に、ある学問分野や知識体系に精通している看護職をいう。
特定の専門あるいは看護分野で卓越した実践能力を有し、継続的に研鑽を積み重ね、その職務を果たし、その影響が患者個人に留まらず、他の看護職や医療従事者にも及ぶ存在であり、期待される役割の中で特定分野における専門性を発揮し、成果を出している者である。

ジェネラリスト 看護

ジェネラリスト 看護

ジェネラリストとは、特定の専門あるいは看護分野にかかわらず、どのような対象者に対しても経験と継続教育によって習得した多くの暗黙知に基づき、その場に応じた知識・技術・能力を発揮できる者をいう。

コルネリア・デ・ランゲ症候群 (Cornelia de Lange Syndrome:CdLS)

コルネリア・デ・ランゲ症候群 (Cornelia de Lange Syndrome:CdLS)

コルネリア・デ・ランゲ症候群は、1916年にブラックマン博士により見出されていたが、1933年にデ・ランゲ博士によりはじめて詳細な症例が報告された。
コルネリア・デ・ランゲ症候群は優性遺伝疾患であり、多様な症状を伴う、多次元の分化異常疾患である。主な症例上の特徴としては患者に共通の特徴的な顔貌(眉毛叢生、長い三毛、小頭症等)、多毛症、四肢の形成不全、循環器、消化器の機能不全、精神発達遅延等があげられる。
約1~3万人に1人の割合で発生するとされているが、症例ごとに症状の深刻さは非常に流動的であり(これもコルネリア・デ・ランゲ症候群の特徴の1つであるといえる)、四肢の無形成および重度の精神発達障害、循環器障害が伴う非常に症状の重い例から、ごく軽い精神発達遅延のみを伴う症例もあり、潜在的に見逃されている例も多いと推測される。
この症候群の原因遣伝子の1つは2004年に同定された。原因遺伝子は思いがけずNIPBLと呼ばれる、コヒーシンの制御(染色体へのローディング)にかかわる因子であった。さらに、その後、コヒーシンタンパク質複合体のサブユニット(SMCIA、SMC3)そのものに変異をもつ症例も報告されている。

チューブ発声法 Muscle Tension Dysphonia(MTD)

チューブ発声法はMuscle Tension Dysphonia(MTD)に対して効果が認められたとの報告がされている。

Muscle Tension Dysphonia(MTD)とは、Koufman and Blalockによると、発声時に、声帯および仮声帯、披裂喉頭蓋部の緊張過剰によって喉頭内腔が押しつぶされることを特徴とする発声障害である。MTDの発症原因は、声帯の弓状弛緩を代償するため、声帯の不十分な閉鎖を代償するため、鼻咽腔閉鎖機能不全による口腔内圧の低下を代償するため等と述べられている。

MTDに対する訓練として、チューブ発声法が有効であったと報告がされている。
チューブ発声法の原法は、鼻咽腔閉鎖機能不全のブローイング訓練として使用されてきた。たまたま声を出しながらブローイングを行ったところ、 鼻咽腔閉鎖機能だけでなく嗄声も改善したことから、 フィンランドを中心に音声治療の方法としても考えられるようになったと言われている。 チューブ発声により声門閉鎖の度合いが低下したとの報告もあり、 声帯の過緊張発声の改善が期待される。 チューブ発声法は特別な訓練や技術を要さずに自宅で簡便に出来る音声訓練であり、 頻回の通院が困難な患者でも簡単に音声訓練が出来ることから注目すべき訓練法である。 声帯結節の改善に有用であるとも言われている。

治療頻度は、週1回~月1回の6ヵ月間(計10回)。
使用したチューブは長さ22.6 cm、内径6mmのストローを使用。
自主練習として、チューブ発声練習を毎日5分×3回とし、実施するよう指導。
治療は毎回20~40分で行い効果があったとされている。

毎回チューブ発声法を行った後、使いこなし訓練として、チューブを外してチューブ発声時と同様に/fu:/と発声させるなども促すようにする。
このとき努力性嗅声が出現すると、その都度ただちにチューブ発声に戻り、チューブ発声時の感覚を意識させる。
徐々に系列語や挨拶文など、日常使用する言葉も訓練に取り入れていくようにする。

ランス・アダムス症候群

ランス・アダムス症候群

低酸素性虚血性脳症の発症後数日もしくは数週で皮質の興奮性二進に伴う動作時ミオクローヌスを生じる病態をLance-Adams症候群と称します。動作時ミオクローヌスは四肢末梢優位で、歩行障害がQOLの低下につながることが多い。治療に苦慮する症例が多く、適切な治療薬の選択が必要である。

看護職におけるジェネラリストとスペシャリスト

看護職におけるジェネラリストとスペシャリスト

専門職には、通常ジェネラリストとスペシャリストが存在し、それぞれがそれぞれの機能を発揮し連携しながら、その専門職としての独自性を維持している。

看護職も例外ではなく、ジェネラリストとスペシャリストによって看護の専門性が維持されている。「看護の専門性」には、看護独自の機能がどこまで発揮できるかを問われている「専門職としての独自性」と、看護独自の機能を高めるための分業をどのようにするかの「専門職の中での専門分化」の2つの意味での「専門性」がある。これらを維持するために、専門職としての確固たる土台を固める努力と、質的向上を図るための分業としての専門分化が必要なのである。

看護補助者

看護補助者

看護補助者とは、保健師・助産師・看護師・准看護師の指示のもとで、専門的判断を必要としない事柄について、看護の補助的業務を行う者をいう。
具体的には、入浴介助等患者に直接的に行う業務と、環境整備等間接的に行う業務をする個人(者)である。

口腔・鼻腔吸引で注意を要する場合

口腔・鼻腔吸引で注意を要する場合

・頭蓋内圧亢進状態
吸引の機械的刺激によって交感神経の興奮が起こり、頭蓋内圧上昇を誘発する。
十分なモニタリングと意識状態、神経学的変化の観察が必要となる。

・気道の過敏性が亢進している状態(吸引刺激で気管支痙攣が起こりやすい状態)
気道平滑筋の収縮が誘発されて起こる。吸引によって喘息のような症状を来した場合はすぐに吸引を中止する。

・吸引刺激によって容易に不整脈が出やすい状態
交感神経・副交感神経の興奮によって起こる。不整脈の重症度によってはモニタリングが必要となる。

・吸引刺激によって病態悪化の出現がある場合
基本的に禁忌となる。治療方針を明確にし、医療者間の周知、患者・家族との共有が必要となる。

・気管内分泌物を介して、重篤な感染症のある場合
基本的に標準予防策(スタンダードプリコーション)の実施でよいが、防護用具や廃棄物(カテーテルなど)の取り扱いなどで周囲を汚染することのないよう気をつける。

口腔・鼻腔吸引の適応の観察ポイント

口腔・鼻腔吸引の適応の観察ポイント


・視診口腔内や人工気道(気管チューブ)内に分泌物が確認できる。

・努力呼吸がある(呼吸数増加、浅速呼吸、陥没呼吸、呼気延長など)。

・触診胸部に振動が感じられる。

・聴診気管~左右気管支にかけて、副雑音が聴取できる。

・モニター酸素飽和度の低下。

・血液ガスでの低酸素血症の確認。

・その他意識障害、麻痺など咳嗽力への影響要因の有無。

・口腔内の乾燥状態。

標準注意検査法 CAT

標準注意検査法 CAT

〇目的:注意の障害の有無、程度、質を把握する。

〇対象者:注意障害が疑われる者。

〇特徴
・7 項目から成り、それぞれ評価する注意の質が異なる。
・専用の検査用紙、CD を用い、正答率や的中率、所要時間を求める。

〇メリット
20 〜70 歳代の年齢別に基準値、カットオフ値が設定されており、客観的評価が可能。

〇デメリット
・失語症、記憶障害など、注意障害以外の高次脳機能障害の影響を受ける。
・認知機能低下例では低成績となる。

〇下位検査からわかること
①Span では、短期記憶や作動記憶(working memory:ワーキングメモリ)が評価される。作動
記憶とは、保持時間数秒という非常に短い記憶力で、保持と処理を並行して行うシステムのことをいう。

②抹消検査課題では、注意の持続性と選択性が評価される。長く集中する力、邪魔を抑制し、必要なものにだけ反応する力を測定する。

③SDMT では、注意の分配性が評価される。複数の情報に同時に注意を向ける力を測定する。

④記憶更新検査では、作動記憶が評価される。

⑤PASAT では、注意の分配性が評価される。

⑥上中下検査では、注意の転動性が評価される。異なる刺激や情報に対して注目を柔軟に切り替える注意力を測定する。

⑦CPT では、注意の持続性、選択性が評価される。

下記サイトも参照下さい。
http://www.saccess55.co.jp/kobetu/detail/cat_cas.html

BADS 遂行機能障害症候群の行動評価

BADS 遂行機能障害症候群の行動評価

おもな評価者
作業療法士、言語聴覚士、臨床心理士

対象者
脳血管障害や頭部外傷、低酸素脳症などによる脳損傷者。とくに前頭葉損傷者をターゲットにしているが、精神障害への利用も論じられている。

メリット
従来の検査バッテリーでは不十分だった遂行機能障害を、種々な問題解決課題を組み合わせて、総合的に評価できるように作成されている。

デメリット
日常生活上の行動障害と遂行機能検査の成績が乖離する場合がある。遂行機能検査の成績に問題がなくとも、ほかの認知機能の影響によって遂行機能障害や社会生活上の問題行動が生じうる。

BADS は、規則変換カード検査、行為計画検査、鍵探し検査、時間判断検査、動物園地図検査、修正、6要素検査の6つの下位検査と、1つの質問紙から構成されている。24 点満点で採点され、「障害あり」「境界」「平均下」「平均」「平均上」「優秀」などの障害区分に評価される。
  
下位検査で分かること

1.規則変換カード検査
1施行で覚えた規則を、第2施行で柔軟に変更することが要求される課題であり、注意や概念の変換課題とされる。

2.行為計画検査
課題を達成するためにはいくつかの段階をクリアする必要があり、みずからの行為を系列立てる計画能力や、自己監視能力が必要とされる。

3.鍵探し検査
探し出すパターンによって採点項目が定められており、みずからの行動計画と、効果的に探す能力などを必要とする。

4.時間判断検査
質問は日常的な内容だが、明確な解は存在せず、常識的な範囲で答えを推定する必要がある。

5.動物園地図検査
1施行のほうが高難度であり、情報を組織化・計画する能力や自己監視能力を必要とする。
2施行では、指示に従って行動する能力を見ることができる。

6.修正 6 要素検査
 この課題ではみずからの行動を計画し、情報を組織化して系列立て、自己監視および修正する能力が必要となる。

7DEXDysexecutive questionnaire
各々の質問項目には、「先のことを考えたり、将来の計画を立てたりすることができない→計画性の障害」「人前で他人が困ることを言ったりやったりする→脱抑制」「ものごとを決断できなかったり、何をしたいのか決められなかったりする→判断能力の欠如」「自分の行動を他人がどう思っているのか気づかなかったり、関心がなかったりする→社会的規則への無関心」など、「行動」「情動」「認知」に関する障害内容が含まれており、遂行機能に関する具体的な問題が評価できる。

看護組織

看護組織

看護組織とは、24時間を通して一貫した看護を提供するために、公式・非公式に組織化された看護職の集団と活動の体制をいう。
医療機関における看護組織には、看護部門という大きなものと、その中に含まれる病棟や外来・手術室等の提供単位ごとの小さなものがある。
また、それぞれの看護職が社会的行動を展開するための全国的な看護組織として、日本看護協会という専門職能団体がある。

日本版WAIS-Ⅲ IQ

日本版WAIS-Ⅲ IQ

日本版WAIS-Ⅲは、IQ(言語性、動作性、全検査)の数値から、患者の知的活動の全体的把握ができる。IQ90109が平均とされ、7079が境界、8089が平均の下、110119が平均の上、120以上は高いとされている。言語性IQと動作性IQを比較したり、群指数間の比較をすることができる。ただし、IQは患者の全体像を数値化することはできるが、それ自体が訓練に必要なわけでなく、その下位検査項目の評価点や項目間の差をみることが重要となる。

言語性検査課題と動作性検査課題の下位検査項目の違いを評価することで、患者の認知機能の強いところと弱いところを知ることができる。

看護サービス

看護サービス

看護サービスとは、主に市場または経営学の視点から捉えた看護職の行為をいい、サービスの受け手である顧客(患者やその家族)をいかに満足させ得るかが基本的な関心事となる。
つまり、看護の対象者側の視点に立ち、看護の対象者が主体になったときや、顧客満足に焦点をあてたときに用いられる看護や看護ケアを指すものである。
サービスという用語は、主体がサービスの受け手側にある際に用いられることが一般的であり、看護業務が看護の提供者を主体とした管理的、方法論的な意味を内包しているという点において、看護業務と看護サービスは同義語ではないといえる。

看護業務

看護業務

看護業務とは、看護の提供者が主体で、「何を」「どのように」すべきかを提示することをいい、「看護ケア」や「看護実践」と比較すると「看護」を管理的な視点から捉えた様式や方法を示すものである。

看護実践

看護実践

看護実践とは、看護職が対象に働きかける行為であり、看護業務の主要な部分を成すものをいう。その組織化を意味する看護管理や看護職の育成を意味する看護教育という用語と比較すると、看護そのものに最も近い用語である。

看護ケア

看護ケア

看護ケアとは、主に看護職の行為を本質的に捉えようとするときに用いられる、看護の専門的サービスのエッセンスあるいは看護業務や看護実践の中核部分を表すものをいう。なお、「ケア」及び「ケアリング」とは同義語として用いられる。

Killip 分類

Killip 分類

急性心筋梗塞による心不全の重症度を胸部の理学所見からスコア化したものである。
下記を参照下さい。


心不全の誘因

心不全の誘因

○治療の中断
一般的注意(塩分摂取制限や過負荷の回避など)や定期的な服薬を怠ること。
臨床的には最も頻度が高く、定期的な医療面接による情報収集が重要である。

○感染
発熱による代謝の亢進、頻脈、咳嗽などが心臓への負荷を増大させる。
慢性的な肺うっ血の存在が呼吸器感染症を誘発しやすい面もある。
弁膜症や先天性心疾患の存在下では感染性心内膜炎の合併にも注意が必要。

○不整脈
心不全の結果として不整脈が出現する場合も多いが、原因あるいは増悪因子として作用する場合も少なくない。臨床的に頻度が高いのは頻拍性心房細動である。代償的な一回拍出量の増加が制限されている場合には、徐脈性不整脈、房室解離や心房細動による心房収縮の喪失、左脚ブロック等の心室内伝導障害に基づく収縮拡張の不均一性(asynchrony)が問題になる場合もあり、両心室ペーシング等の新たな治療法も試みられてきている。

○無症候性心筋虚血
高齢者や糖尿病患者では高頻度に認められる。

○血栓塞栓症
高度心不全例や心房細動合併例では血栓塞栓症の合併頻度も高い。
動脈系では脳梗塞、腎梗塞、静脈系では肺血栓塞栓症(PTE)の合併が重要である。特にPTEの合併は臨床的には見落とされがちで、低酸素血症や頻脈をさらに増悪させ致死的になりやすい。急激な動脈血液ガス所見の悪化や右心負荷所見の増悪を認めた場合には可及的速やかに(除外)診断を行うことが重要である。

○その他
一過性の過激な労作や情動、貧血、甲状腺機能障害、生理や妊娠、心筋抑制のある薬剤

の服用()(β遮断剤や抗不整脈剤、抗癌剤など)にも注意が必要である。

NYHA 心機能分類

NYHA 心機能分類

目的:症状から心機能を評価する。
対象者:心疾患をもつ人。
特徴:自覚症状からおおよその心機能を評価する。
メリット:簡単に心機能評価ができる。
デメリット:自覚症状が乏しい場合には、使用上、注意を要する。

NYHA 心機能分類はClassⅠからⅣまでの4段階に分類され、最も軽症なのは ClassⅠで、最も重症なのはClass Ⅳです。

クラスⅠ
身体活動を制限する必要はない心疾患患者。
通常の身体活動で、疲労、動悸、息切れ、狭心症状が起こらない。

クラスⅡ
身体活動を軽度ないし中等度に制限する必要のある心疾患患者。
通常の身体活動で、疲労、動悸、息切れ、狭心症状が起こる。

クラスⅢ
身体活動を高度に制限する必要のある心疾患患者。
安静時には何の愁訴もないが、普通以下の身体活動でも疲労、動悸、息切れ、狭心症状が起こる。

クラスⅣ
身体活動の大部分を制限せざるをえない心疾患患者。
安静にしていても心不全症状や狭心症状が起こり、少しでも身体活動を行うと症状が増強する。


NYHA II度に相当する範囲は他のクラスに較べて広いため、II 度を軽症 ; IIS と中等症 ; IIMに細分する場合もある。

NIHSS 脳卒中の評価

NIHSS 脳卒中の評価

NIHSSの目的

脳卒中患者の病態を客観的に評価する。

NIHSSの対象者

脳出血や脳梗塞などの脳卒中患者。

NIHSSの特徴

・脳卒中急性期の重症度評価法として、世界中で使用されている。
・t-PA投与の必須観察事項。

メリット

・11観察事項、15種類の評価項目で一通りの神経学的観察が可能。
・ベッドサイドで簡単に点数算出が可能。

デメリット

・椎骨脳底動脈系の神経症状(眩暈、嚥下障害など)の評価が不十分。
・右大脳半球と左大脳半球で同程度の損傷範囲でも、点数が大きく異なる。 ・評価する人によって、点数が変わりやすい。

評価表はこちら↓

http://melt.umin.ac.jp/nihss/nihssj-set.pdf

結果から、11の観察項目(15種類の評価項目)で、一通りの神経学的な観察が可能であり、ベッドサイドで簡単に点数が算出できるので、脳卒中患者の病態を客観的に評価することができる検査である。 組織プラスミノーゲンアクチベーター(t-PA)の静脈内投与の成績とNIHSSの点数が相関しており、t-PA 投与の判断基準となっている。

看護の機能

看護の機能

身体的・精神的・社会的支援は、日常生活への支援、診療の補助、相談、指導及び調整等の機能を通して達成される。
日常生活への支援とは、対象者の苦痛を緩和し、ニーズを満たすことを目指して、看護職が直接的に対象者を保護し支援することであり、保健師助産師看護師法第5条の「療養上の世話」に相当する。
診療の補助とは、医学的知識をもって対象者が安全かつ効果的に診断治療を受けることができるように、医師の指示に基づき、看護職が医療処置を実施することであり、同条の「診療の補助」に相当する。
相談とは、対象者が自らの健康問題に直面し、その性質を吟味検討し、対処方法や改善策を見いだし実施できるように、また医学診断や治療について主体的に選択できるように、看護職が主に言語的なコミュニケーションを通して支援することである。
指導とは、対象者が問題に取り組み、必要な手だてを習得したり、活用したりして、自立していくことができるように、看護職が教え導く活動のことである。調整とは、対象者がよりよく健康生活や療養生活を送ることができるように、看護職が他の職種と共同して環境を整える働きをいう。
相談、指導、調整には、同条の「療養上の世話」「診療の補助」の両方が関わっている。