老研式活動能力指標
使用目的と特徴
老研式活動能力指標(TMIGIndexofCompetence)は、Lawtonの活動能力の体系に依拠して、ADLの測定ではとらえられない高次の生活能力を評価するために開発された13項目の多次元尺度である。
これらの尺度は、「手段的自立」「知的能動性(状況対応の語を内容に即して改変)」「社会的役割」の3つの活動能力を測定するもので、各質問項目の因子所属は、項目1~5が「手段的自立」、項目6~9が「知的能動性」、項目10~13が「社会的役割」である。
またこの尺度は、「手段的自立」より上位の水準の活動能力を評価できる測度がほとんどないなかで、「社会的役割」の水準を含む貴重な測度であって、在宅老人の生活機能の評価に適したものと考えられる。
使用方法
老研式活動能力指標は、自記式の尺度として開発されたものであるから、知的機能の著しく低下した高齢者でなければ、調査票への記入が可能である。家族など日常をよく知っている者による評定も可能である。面接にて聴き取る場合には、回答者が本人であっても他の者による回答であっても、調査員が自分の判断で説明を加えたり、誘導したりすることのないよう十分に注意する必要がある。
なお質問には、「いますか」「ありますか」という問いのほかに「できますか」という問いが含まれている。これは、「できること」は「していること」と同義ではないという高次の活動の特性に配慮したものである。それゆえ「できますか」という問いの場合、できるのであれば、本人が現在しているかどうかにかかわりなく、回答は「はい」でなければならない
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判定方法
それぞれの質問項目について、「はい」という回答に1点、「いいえ」という回答に0点を与え、単純に加算して合計得点を算出する。老研式活動能力指標を全国代表サンプルに使用したときの平均得点と標準偏差を性・年齢別に示したものが、次の表のとおりである。