嚥下障害 声の印象からわかること





嚥下障害 声の印象からわかること


声の質


痰が絡んだような声(湿性嗄声)からは、声門周辺に嚥下した食べ物や唾液などがたまっており、飲み込む力や声門を閉じる力が弱いことが分かる。
またかすれた声(気息性嗄声)からは、声帯の動きが弱く、声門が十分に閉じていないことが推測される。
双方とも誤嚥要注意のサインとなる。

声の長さ・大きさ


一息で長く話せなかったり、声が小さい場合は、呼吸機能に加えて声門を閉じる機能が低下していることが推測される。
そのため、痰を十分に出せなかったり、誤嚥要注意のサインとなる。
一息でできるだけ長く「あー」と声を出した時間(最長発声持続時間〔MPT〕)は、男性平均は 30 秒、女性平均は 20秒程度といわれており、9 秒以下は呼吸機能や声門閉鎖になんらかの異常があるとされている。

声の高さ


高い声・低い声を意図的に出しにくい場合は、舌根部や喉頭蓋、喉頭の知覚低下などによって嚥下反射が遅れていることが推測され、食べ物が咽頭に残留し、誤嚥しやすいサインとなる

声の響き


鼻にかかったような声(開鼻声)の場合、咽頭から鼻腔へ抜ける通り道(鼻咽腔)が塞がりにくいこと(鼻咽腔閉鎖不全)が推測され、食べ物が鼻腔へ逆流しやすいサインとなる。食べたり飲んだりすると鼻汁が出やすい人もその可能性がある。