エジンバラ産後うつ病質問票 EPDS





エジンバラ産後うつ病質問票  EPDS

項目は10項目で、03点の4件法の母親による自己記入式質問票で、うつ病によく見られる症状をわかりやすい質問にしたものである。簡便で国内外で最も広く使用されている質問票である。母親が記入後、その場でEPDSの合計点数を出す。合計が30点満点であり、わが国では9点以上をうつ病としてスクリーニングしている。
質問票は下記を参照。質問票には( )に各項目の採点のため得点を示しているが、母親が記入する実際の質問票では、( )内は空欄にする。


エジンバラ産後うつ病質問票(EPDS
産後の気分についてお尋ねします。あなたも赤ちゃんもお元気ですか。
最近のあなたの気分をチェックしてみましょう。今日だけではなく、過去7日間にあなたが感じたことに最も近い答えに○をつけてください。

1)笑うことができたし、物事のおもしろい面もわかった
( 0 )いつもと同様にできた
( 1 )あまりできなかった
( 2 )明らかにできなかった
( 3 )全くできなかった
2)物事を楽しみにして待った
( 0 )いつもと同様にできた
( 1 )あまりできなかった
( 2 )明らかにできなかった
( 3 )全くできなかった
3)物事がうまくいかない時、自分を不必要に責めた
( 3 )はい、たいていそうだった
( 2 )はい、時々そうだった
( 1 )いいえ、あまり度々ではなかった
( 0 )いいえ、全くなかった
4)はっきりした理由もないのに不安になったり、心配になったりした
( 0 )いいえ、そうではなかった
( 1 )ほとんどそうではなかった
( 2 )はい、時々あった
( 3 )はい、しょっちゅうあった
5)はっきりした理由もないのに恐怖に襲われた
( 3 )はい、しょっちゅうあった
( 2 )はい、時々あった
( 1 )いいえ、めったになかった
( 0 )いいえ、全くなかった
6)することがたくさんあって大変だった
( 3 )はい、たいてい対処できなかった
( 2 )はい、いつものようにはうまく対処できなかった
( 1 )いいえ、たいていうまく対処した
( 0 )いいえ、普段通りに対処した
7)不幸せな気分なので、眠りにくかった
( 3 )はい、いつもそうだった
( 2 )はい、時々そうだった
( 1 )いいえ、あまり度々ではなかった
( 0 )いいえ、全くなかった
8)悲しくなったり、惨めになったりした
( 3 )はい、たいていそうだった
( 2 )はい、かなりしばしばそうだった
( 1 )いいえ、あまり度々ではなかった
( 0 )いいえ、全くそうではなかった
9)不幸せな気分だったので、泣いていた
( 3 )はい、たいていそうだった
( 2 )はい、かなりしばしばそうだった
( 1 )ほんの時々あった
( 0 )いいえ、全くそうではなかった
9)不幸せな気分だったので、泣いていた
( 3 )はい、たいていそうだった
( 2 )はい、かなりしばしばそうだった
( 1 )ほんの時々あった
( 0 )いいえ、全くそうではなかった
10)自分の体を傷つけるという考えが浮かんできた
( 3 )はい、かなりしばしばそうだった
( 2 )時々そうだった
( 1 )めったになかった
( 0 )全くなかった




起立性低血圧 診断





起立性低血圧 診断

仰臥位または座位から立位への体位変換にともない、起立3分以内に収縮期血圧が20mmHg以上低下するか、または収縮期血圧の絶対値が90mmHg未満に低下、あるいは拡張期血圧の10mmHg以上の低下が認められた際に起立性低血圧と診断します。
起立性低血圧の診断には立位5分間が推奨されていますが、約3分間の起立で起立性低血圧の約90%が診断可能であるとされています。


失神の再発率





失神の再発率

失神の再発率は21 28%で、失神の病歴がある場合に再発率が高く、心原性失神で再発率が高いとされています。

EDの受診者を対象とした研究では、失神の再発率は1 年半で15 2年半で34 であったと報告されています。失神の再発自体は必ずしも死亡や突然死と関連しないが、身体活動を制限する要因となります。



痙縮の病態生理





痙縮の病態生理

伸張反射は、筋の伸張がその中にある筋紡錘を同期的に興奮させることで起こります。
筋紡錘が急激に伸張されると閾値の低い一次終末が興奮し、このインパルスが伝導速度の早いⅠa求心性線維を上行し、次いで当該筋の支配するα運動ニューロンに単シナプス性に伝達され、その結果伸張された筋が反射的収縮を起こします。
痙縮において伸長反射が増強するメカニズムとして、基礎的研究も含め、以下の関与が推測されています。

①γ運動ニューロンの活動性の亢進
②筋紡錘感受性の上昇
③Ⅰa群線維終末に対するシナプス前抑制の減少
④Ⅰa群線維の変性/発芽現象
⑤α運動ニューロンへの興奮性の入力の増大
⑥α運動ニューロンへの抑制性の入力の減少

⑦シナプス後膜の感受性の上昇(α運動ニューロン自身の興奮性の変化)



痙縮の特徴





痙縮の特徴

上位運動ニューロン症候群の症状は、陽性徴候と陰性徴候が特徴的です。

陽性徴候には、筋緊張の増加・腱反射の亢進・伸長反射の他筋への波及・クローヌス・痙性ジストニア・病的共同運動パターン・病的同時収縮・屈筋反射の亢進などがあります。

陰性徴候は、麻痺・筋力低下を伴い、運動は巧緻性に欠け、その開始や維持に労力を要すします。

そのなかで痙縮では徒手的筋伸張検査法により、①筋伸張刺激の進行中にのみ出現し停止にてただちに減弱する抵抗、②伸張速度が高いほど強くなる抵抗、を確認する必要があります。

痙縮が高度になるとクローヌスや折りたたみ現象をきたします。痙縮患者の実際の運動を観察すると、なめらかな運動が阻害されていることがわかります。

これは関節の背屈運動時などに起こる相動性伸長反射の亢進による相反性神経支配の障害によると考えられています。



痙縮 概念





痙縮 概念

痙縮は、脳卒中・頭部外傷・脊髄損傷・脳性麻痺などのさまざまな中枢神経障害によって生じる上位運動ニューロン症候群のひとつと定義されており、腱反射亢進を伴った相動性伸張反射(phasic strech reflex)の速度依存性増加を特徴とする運動障害で、筋緊張・クローヌス・深部腱反射亢進・痙性ジストニア・病的共同運動に伴う異常肢位を含めた概念である。軽症の場合は運動麻痺を補い立位保持などの機能に必要な場合もあるが、重度の場合は残存している随意運動を阻害し日常生活活動の低下、歩行障害などの能力障害が生じることから、そのマネジメントは重要となる。



痙縮の治療





痙縮の治療

1.理学・作業療法
 (ストレッチ,ROM訓練,温熱療法,振動刺激など)
2.装具療法(スプリントなど)
3.経口筋弛緩薬(ダントロレン,チザニジン,トルペリゾンなど)
4.ブロック注射(フェノールブロック,エタノールブロックなど)
5.バクロフェン持続髄注
6.外科的治療(選択的脊髄後根遮断術など)
7.A型ボッリヌス毒素(BoNT-A)局所筋


痙縮による悪影響





痙縮による悪影響

〈障害レベル〉
・拘縮,変形,痺痛,疲労感

く活動制限レベル〉
・Passive function(介護時の問題)
 →身の回りのケア/衛生/着衣の妨げ
 食事/座位/睡眠時のポジショニング(姿勢保持)の困難
 移乗動作(transfer)の妨げ
・Active function(動作時の問題)
 →ものを握る/到達する(リーチ)/放す/移動させる際の困難
 移動性(mobility)/歩行/体重支持の制限

く参加制約レベル〉
・社会的交流の減少(失職など)


失神 原因





失神 原因

適切な脳循環を維持するために以下の機構が生体には備わっている。

脳血管の自動調節機構
血圧の変動にもかかわらず脳への血流量を維持する機構で、生理的状態の下では、収縮期血圧が70150mmHgの範囲内では脳血流量は一定に保たれる。

脳血管局所の代謝性・化学性調節機構
PO2が低下した場合やPCO2が上昇した場合に脳血管の拡張を促す。

圧受容器反射機構
動脈圧が低下した際に、反射性に交感神経緊張が亢進し心拍数を増加、心収縮性を増加、末梢血管抵抗を増加させて、動脈圧を維持する。

循環血液量調節機構
腎臓、ホルモンなどにより循環血液量を維持する機構であり、瞬時に動員されるものではないが、この機構が不十分であると失神を生じ易くなる。


これらの代償機転の動員にもかかわらず、脳循環の自動調節機構の範囲を超えて血圧が低下し、しかもある一定以上の時間持続した場合に意識消失が生じる。従って、失神は、

①心拍出量の低下
②下半身への過度の血液プーリング
③脳血管抵抗の過度の上昇


が単独で、あるいは複合して作用する結果生じる。



絵画語い発達検査 (PVT-R)





絵画語い発達検査 (PVT-R)

【特徴】
・適応年齢:3歳~12歳3ヶ月
・実施時間:10分~20分程度。
・発語がなくても指さしができれば可能。
・理解語いについて語い年齢が算出できる。(算出の方法も簡単)
・名詞・動詞・カテゴリー・抽象度の高い熟語など,どういった言葉が理解できている
か把握することができる。

※あくまでも理解語いを調べる検査なので,言語表出の力・文章理解の力は別に調べる必要がある。

【検査方法】
・図版を見せて,例えば「“つぼみ”はどれですか?」「“鳴く”はどれですか?」等と問い,指さして示すよう促す。
・記録用紙で子どもが指さした記号に○をつけます。

※あてずっぽうで指さした場合があっても修正されるようになっている。

下記の会社から購入出来ます。



起立性低血圧の原因





起立性低血圧の原因

1)特発性自律神経障害
①純粋自律神経失調(Bradbury-Eggleston症候群)
②多系統萎縮(Shy-Drager症候群)
③自律神経障害を伴うParkinson

2)二次性自律神経障害
①加齢
②自己免疫疾患
Guillain-Barre症候群,混合性結合組織病,関節リウマ
チ,Eaton-Lambert症候群,SLE
③腫瘍性自律神経ニューロパチー
Centralbrainlesions
多発性硬化症,ウェルニッケ脳症
視床下部や中脳の血管病変,腫瘍
Dopaminebeta-hydroxylase欠乏症
Familialhyperbradykinism
⑦全身性疾患
糖尿病,アミロイドーシス,アルコール中毒,腎不
⑧遺伝性感覚性ニューロパチー
⑨神経系感染症
HIV感染症,シャガース病,ボツリヌス中毒,梅毒
⑩代謝性疾患
ビタミンB12欠乏症,ポルフィリン症,ファブリー病,
タンジール病
⑪脊髄病変

3)薬剤性及び脱水症性
①利尿薬
②α遮断薬
③中枢性α2受容体刺激薬
ACE阻害薬
⑤抗うつ薬
三環系抗うつ薬,セロトニン阻害薬
⑥アルコール
⑦節遮断薬
⑧精神神経作用薬剤
Haloperidollevomepramazinechlorpromazine
⑨硝酸薬
⑩β遮断薬
Ca拮抗薬

⑫その他(Papaverine等)



失神と鑑別を要する意識障害の原因疾患





失神と鑑別を要する意識障害の原因疾患

1)意識消失~低下を起こす疾患
①代謝性疾患:低血糖,低酸素血症
②てんかん
③中毒
④椎骨脳底動脈系の一過性脳虚血発作

2)意識消失を伴わず,失神によく似た疾患
①転倒
②脱力発作症候群(cataplexysyndrome
③転倒発作(dropattacks
④心因反応(身体化障害,ヒステリーなどを含む)

⑤頚動脈起源の一過性脳虚血発作



失神 原因疾患





失神の原因疾患

1)起立性低血圧
①自律神経障害
a)原発性:純型自律神経失調症
多系統萎縮
自律神経障害を伴うParkinson
b)続発性:糖尿病性ニューロパチー
アミロイドニューロパチー
c)運動後
d)食後
②薬剤,アルコール
③循環血液量低下
出血,下痢,Addison

2)神経調節性失神および類縁疾患
①神経調節性失神
②血管迷走神経反射
③頚動脈洞過敏症候群
④状況失神
a)急性出血
b)咳嗽,くしゃみ
c)消化管刺激(嚥下,排便,内臓痛)
d)排尿後
e)運動後
f)食後
g)その他(金管楽器演奏,重量挙げ)
⑤舌咽神経・三叉神経痛

3)心原性
①不整脈
a)徐脈性不整脈
b)頻脈性不整脈
②器質的心疾患,心肺疾患
a)狭窄性弁膜症
b)急性心筋梗塞/虚血
c)閉塞性肥大型心筋症
d)心房粘液腫
e)大動脈解離
f)心膜疾患/タンポナーデ
g)肺塞栓症/肺高血圧症
4)脳血管
①盗血症候群

②過換気



ティルト試験 神経調節性失神の病型





ティルト試験 神経調節性失神の病型

Type 1:混合型(mixed type)
•心拍数は増加した後減少するが40/分以下にはならないか、40/分以下でも10秒未満あるいは心停止3秒未
•血圧は上昇した後、心拍数が減少する前に低下

Type 2:心抑制型(cardioinhibitory type)
•心拍数は増加した後減少し、40/分以下が10秒以上あるいは心停止3秒以上
•2A:血圧は上昇した後、心拍が低下する前に低下
•2B:血圧は心停止時あるいは直後に80mmHg以下に低

Type 3:血管抑制型(vasodepressor type)
•心拍は増加した後不変のまま血圧低下
•心拍は低下しても10%未満


HOMA-β CPI グルカゴン負荷試験





HOMA-β CPI グルカゴン負荷試験

1.HOMA-β=空腹時IRI×360/(FPG-63)
正常値:50-100%

2.CPI=空腹時CPR÷FPG×100
CPI≧1.2→経口薬
CPI<0.7→インスリン治療

3.グルカゴン負荷試験
早朝空腹時、グルカゴン1A静注後の血中CPR測定して前値と負荷6分値の差(ΔCPR6)で判定
2.0→食事・運動療法
1.02.0→経口薬

1.0→インスリン治療



低血糖 症状





低血糖 症状

①血糖値70mg/dl未満になると一般的に低血糖症状を呈するが、血糖降下速度が早い場合には血糖値が低くなくても低血糖症状が出現することがある。逆に、老人や自律神経障害のある症例では、低血糖症状が出にくいといわれている。

②低血糖の症状
A.インスリン優位になるために起こる症状
・強い空腹感
B.自律神経緊張に伴う症状
・発汗
・ふるえ(主に手)
・はきけ
・イライラ
・顔面蒼白
・その他の身体的違和感
C.中枢神経系の症状
・倦怠感
・視力の異常
・話し方がおかしい
・歩行の異常(よろめきなど)
・知覚の異常(しびれなど)
・表情の異常(無表情な顔つき)
・行動の異常(日頃にない行動をする)

・意識の異常(意識混濁、昏睡)



反響言語 失語症





反響言語 失語症

相手の話しかけや質問に対して、それに適切に答えることなく、話しかけや質問をおうむ返しにそのまま発話する現象です。
波多野の総説によれば、反響言語には、その「反響」の有様と程度によって、いくつかの亜型が区別されています。
まず、相手の発話をそっくりそのまま反復するのを「完全型反響言語」という(例:「今日の調子はいかがですか?」→「今日の調子はいかがですか?」)。
より軽度の反響言語ともみなし得る亜型に「減弱型反響言語」があります。
これは相手の質問に答える際に、まず質問の一部を「おうむ返し」的に繰り返してから後に、自己の答えるべきことがらを発話するという現象です(例:「ご住所はどちらですか?」→「ご住所はね、○○です」)。相手の質問全部を「反響」するのではなく、最後の1個(または数個)のシラブルのみを復唱する形式のものを「部分型反響言語」といいます(例:「ご住所はどちらですか?」→「か!」)。
この場合、発話内容には意味的価値が欠如しています。
また相手の話しかけに対して、その直後に「おうむ返し」する反響言語を「即発型反響言語」、相手の話しかけから相当の時間が経過した後になって「おうむ返し」するものを「遅延型反響言語」といいます。
検者が故意に文法的に誤った文章で話しかけると、患者はその文法的な誤りを訂正して「鸚鵡返し」することがある(例:「お歳といくつ?」→「お歳はいくつ」)。これを「訂正現象」といいます。
成句・ことわざの類を発話し、故意に途中で止めてしまうと、患者はそこまでの語句を反響するのではなく、その後の言葉を発話して文章を完成させる(例:「犬もあるけば」→「棒に当たる」)。これが「補完」といいます。
これに似た現象に「(部分的)同時発話」があります)。挨拶言葉や患者の姓名などのような決まり切った言葉を検者が患者に比較的ゆっくり話しかけた時、検者の発話の途中から、患者が同じ言葉を同時に発話する現象をいいます。
検者が「おはよう」とゆっくり話しかけた場合、患者は検者の「よう」の部分と殆ど同時に「よう」と発話します。
反響言語の機序としては、①外的環境からの被影響性の亢進(環境依存症候群)、②選択的に保存された「復唱」、③強迫行動、などの説が提出されました。
現在は環境依存症候群説が有力とされています。
なお、ゲシュヴィンドは反響言語の神経機構として「言語領野孤立説」を提案しました。
この学説を巡る議論については超皮質性混合失語にています。

反響言語の責任病巣としては、環境依存症候群との関連で前頭葉損傷が問題となりますが、波多野は反響言語を特定領野の損傷に関連させることに否定的です



反復言語 非失語





反復言語 非失語

自己の発話を何回か繰り返す現象です。
患者は原則として語または句を単位として繰り返し発話します。
自己の発話の最後の語または最後のシラブルを繰り返し発話する場合もあります。
反復言語にはいくつかの亜型が知られています。
スターリングは、「真性反復言語」の症状として、①自発話で出現する、②反響言語(後述)の結果ではない、③失語を伴わない、④重篤な精神疾患によらない、という4条件をあげ、これを満足しないものを「仮性反復言語」として区別しました。
そして真性反復言語には、反復に声量低下や発話加速性を伴う「けいれん性・異音性反復言語」と、反復しても声量や速度に変化がなく、ときに無言状態と交替する「無力性・同音性反復言語」の二つの類型が存在するとしました。
反復言語が認められる疾患としては、仮性球麻痺、パーキンソン病、大脳半球内側面(特に補助運動野を含む)病変例、ピック病などの認知症、統合失調症(緊張病)などが知られています。

反復言語の責任病巣としては、基底核、補足動野などを含めた前頭葉内側部などがあげられています。



失語性失書





失語性失書

失語性失書では自発書字、書取、写字、いずれもが障害されます。
通例、自発書字の障害が最も重度であり、写字が最も軽いとされています。
また文字より語、語より文章で障害は重度となります。
障害の種類には、①文字の形態が想起出来ない、②目的の文字と異なる文字を書く(錯書)、③文字の左右が逆転する(鏡映文字)、④日本語に本来存在しない文字を書く、⑤口頭言語の失文法に対応する文法上の誤り、などがあります。
このうち錯書には、①形態性錯書(人→入)、②意味性錯書(手袋→靴下)、③音韻性錯書(てぶくろ→たぶくろ)、があります。音韻性錯書は仮名で多く認められます。

一般に口頭言語の障害程度と書字の障害程度はほぼ平行するが、両者に著しい解離が認められる症例があります。日本語では仮名と漢字で障害程度に差が認められる症例があります。



肺内パーカション人工呼吸器(lntra-pulmonaryventilator=IPV)による排痰





肺内パーカション人工呼吸器(lntrapulmonaryventilatorIPV)による排痰


IPVとは新しいコンセプトに基づく治療型の人工呼吸器です。高頻度の陽圧人工呼吸器に属し、ネブライザ療法と理学療法のパーカッション療法を町内から同時に行うことができる器械です。間欠的陽圧呼吸(IPPB)のように患者の吸気時に合わせて陽圧を送るわけではなく、間欠的にネブライザで作り出されたエアロゾルを含む小さなガスの塊(小換気団)を高頻度(100300/分)で肺内へ送り(パーカッション流)、それによって虚脱された肺胞の再拡張、ガス交換の改善、粘稠性の高い疾の喀疾を促します。在宅ではコンプレッサーを内蔵した機種(インパルセーター)が使用できます。徒手による肺理学療法は体位・重力による排出を促すが、パーカッションと振動法は小気道からより大きい気道へと分泌物を移動させるのに有効であり、咳やMACとの併用によって排痰させることができます。



カフアシスト 咳介助





カフアシスト 咳介助

カフアシストは器械的な咳介助(Mechanically assisted coughingMAC)を行う器械です。
Mechanically InExsufflatorMIE)とも呼ばれ、咳の介助を行う目的で開発されました。
操作方法は口にあてたマスク、あるいは気管切開カニューレに接続したマウントカニューレを通して陽圧(3040cmH0)をかけ吸気を補助した後、瞬時に陰圧(一30~一40cmH0)に切り替わることで早い呼気を作り出します。
陽陰圧の圧/時間設定、休止時間の設定などが自由に行え、吸気が不十分な患者にも、呼気(咳き込み)が弱い患者にも、その両方に問題がある患者にも対応することができます。
合併症の心配はほとんどないが、気道内圧が一時的に上昇するため、肺気腫、気胸やブラを有する場合は原則禁忌となっています。



徒手的な肺理学療法





徒手的な肺理学療法

体位ドレナージに加えて、分泌物貯留部位に相当する胸壁上に徒手的に軽打や振動、圧迫を加えることで、末梢から中枢気道へのより有効な分泌物の移動が期待できます。振動法・揺すり法は胸壁上に加えた刺激を気道壁に伝達させることによって分泌物を振るい落とします。スクイージングは呼吸に同調させて圧迫することによりエアーエントリーを改善させます。胸郭圧迫による呼気介助は、咳の呼気時にタイミングを合わせて、介助者が両手で胸郭を内下方に圧迫する方法です。救急蘇生用の人工呼吸バッグでの加圧を併用すると、効果が高とされています。この時にピークフローメーターを用いて測定した咳流量が最大咳流量(CPF)となります。


皮質下血管性認知症の診断基準





皮質下血管性認知症の診断基準

A.遂行機能障害と記憶障害(おそらく軽度)の存在と、社会生活活動の以前の水準からの低下。
B、以下の両者を含む脳血管障害の存在.すなわち画像診断(*)による関連する脳」血管障害の証拠と、神経学的症候の存在あるいは既往。

*画像診断
ACT:半卵円中心に達し、少なくとも1つのラクナ梗塞を含む、著明な白質病変の存在および、皮質の大梗塞・出血、水頭症や多発性硬化症のような特殊な白質病変の除外。
BMRI
1.白質病変優位型:10㎜以上のPVH25㎜以上の連続する韻縁など。

2.ラクナ優位型:基底核領域の5個以上の多発性ラクナと中程度の白質病変および、皮質の大梗塞・出血、水頭症や多発性硬化症のような特殊な白質病変の除外。



信頼性と妥当性





信頼性と妥当性

○信頼性:普遍性、再現性
・検者内信頼性:同一検者が複数回測定する。
・検者間信頼性:異なる検者が測定する。
・並行テスト:同じ特性を測定する2つお方法でもしくは時間において測定する。
・内部一貫性:心理テストなどで下位項目に同じ性質を反映するものを求めて、その反応の差異をみる

○妥当性
・概念妥当性:測定方法が測定されるのの概念を捉えているかの吟味
・内容妥当性:測定方法が測定しようとしているものをどのくらい反映しているか。
・基準関連妥当性:用いられた測定方法から得られた結果を他でえられた結果と比較する。


コース立方体組合せテスト





コース立方体組合せテスト

13cmの木製立方体(各面は赤、白、青、黄、赤と白、青と黄に塗り分けられている)を組み合わせて、難易度順に並べられた17問の模様を制限時間内に作るテストである。
用いる立方体の数はテストNO.194個、.NO.10.119個、.NO.121716個となっている。
簡便にIQを求めることができる。

実施方法としては、
(1)検査者は、立方体の1つひとつが皆同じに作られており、さまざまな色がついていることを説明する。
(2)まず練習用模様図を示して、それと同様に並べ、同じ模様ができるように4個の立方体を組み合わせればよいことを説明し行う。
(3)練習がうまくできれば本検査に入る(3回繰り返しできない場合には中止)
(4)模様図NO.1から実施する。
(5)「用意、はじめ」の合図で模様図を見せ、テストを開始する。
検査者は開始と同時に終了までの時間を測定する。

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FAB 前頭葉機能検査





FAB 前頭葉機能検査

概念化課題、知的柔軟性課題、行動プログラム課題、反応の選択課題、抑制課題、把握行動課題の6課題からなる面接形式による検査です。
前頭側頭葉変性症の鑑別、認知症の進行度のチェックなどに用いられます。
一般的に前頭葉機能が低下すると、精神機能の障害として、無為、無関心、発動性低下、多幸、脱抑制、易刺激性などがみられます。
高次機能の障害については、抽象的概念処理、理解力、遂行機能の障害が特徴的です。


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アミロイドβオリゴマー





アミロイドβオリゴマー

アミロイドの中で、非線維性の低分子重合体であるタイプです。
アミロイドβオリゴマーは、その分子サイズにより、ダイマー、トリマー、オリゴマー、ADDLAβ一derived diffusible ligand),Aβ、さらにはそれらが重合したプロトフィブリルなどに分類されます。
可溶性であるアミロイドβオリゴマーが老人斑を形成せずに、海馬シナプスの長期増強を抑制し、記憶障害を引き起こすことが確認されています。

近年では、老人斑に沈着したアミロイドよりも神経毒性が強いのではないかと推察され、注目が集まっています。



田中ビネー知能検査Vの検査結果の算出法





田中ビネー知能検査Vの検査結果の算出法

結果の表示は、生活年齢20カ月~1311カ月までは、精神年齢(MAMental Age)と知能指数(IQIntelligence Quotient)を求めます。

MAは、基底年齢(年齢級+1歳)+基底年齢級以上の年齢級の合格問題数×加算月数
により求めます。

基底年齢(Basal Ageとは、すべての問題が合格できる年齢級に「1」を加算した年齢をいいます。

加算月数は、13歳級の各問題には1問につき1カ月、413歳級の各問題には1問につき2カ月が与えられ、問題数や難易度によって重みづけられています。IQは、生活年齢に対するパーセントで、
知能指数IQ=精神年齢/生活年齢×100
で求められ、小数点第一位で四捨五入します。

生活年齢が10歳で精神年齢も10歳であれば、IQ100となります。
IQ100は、生活年齢に応じた知能をもつことを意味し、100以下であれば、生活年齢に達していないこと、逆に100より大きければ、知能の発達が早いことを示す。14歳以上では、原則として精神年齢は算出せず、知能を4つの領域(結晶性、流動性、記憶、論理推理)に分け、領域別の偏差知能指数(DIQDeviation Intelligence Quotient)と総合DIQを算出します。

DIQは平均100、標準偏差116になるよう基準化され、
(個人の得点(MA)一同じ年齢集団の平均)/([16分の1]×同じ年齢集団の標準偏差)+100
の式で算出されるが、採点マニュアルの換算表を利用します。

このほか、検査者による行動観察結果の記載欄、検査時の被検児(者)の様子や、問題への取り組みの程度(5段階尺度)についても記載するようにします。



三宅式記銘力検査





三宅式記銘力検査

三宅式記銘力検査は、有関係対語、無関係対語ともに10の対語を記憶し、3回実施するなかでどの程度10に近付いていくかをみるものです。
リバーミード行動記憶検査では高得点でも三宅式の無関係で34を下回るという例がよくみられます。
これは無関係対語には、抽象的な概念の操作や符号が求められることによるものと推定されます。

今の若者にはなじみのない言葉(たとえば、停車場)を使用しているので、改訂が待たれています。また、残念なことに、国際的に通用する検査ではありません。













詳しくは、こちら↓




聴覚の障害 国民年金・厚生年金保険 障害認定基準





聴覚の障害 国民年金・厚生年金保険 障害認定基準

1 認定基準
聴覚の障害については、次のとおりである。















2 認定要領
聴覚の障害による障害の程度は、純音による聴力レベル値(純音聴力レベル値)及び語音による聴力検査値(語音明瞭度)により認定する。
1) 聴力レベルは、オージオメータ(JIS 規格又はこれに準ずる標準オージオメータ)によって測定するものとする。

2) 聴力レベルのデシベル値は、話声域すなわち周波数50010002000 ヘルツにおける純音の各デシベル値をa、b、cとした場合、次式により算出する。
平均純音聴力レベル値=a+2b+c/
なお、この算式により得た値が境界値に近い場合には
a+2b+2c+d/
の算式により得た値を参考とする。
a:周波数 500 ヘルツの音に対する純音聴力レベル値
b:周波数1000 ヘルツの音に対する純音聴力レベル値
c:周波数2000 ヘルツの音に対する純音聴力レベル値
d:周波数4000 ヘルツの音に対する純音聴力レベル値

3) 最良語音明瞭度の算出は、次によるものとする。
ア 検査は、録音器又はマイク付オージオメータにより、通常の会話の強さで発声し、オージオメータの音量を適当に強めたり、弱めたりして最も適した状態で行う。
イ 検査語は、語音弁別能力測定用語音集により、2秒から3秒に1語の割合で発声し、語音明瞭度を検査する。
なお、語音聴力表は、「57s式語表」あるいは「67s式語表」とする。
ウ 語音明瞭度は、次式により算出し、語音明瞭度の最も高い値を最良語音明瞭度(語音弁別能)とする。
語音明瞭度=正答語音数/検査語数×100(%)

4) 「身体の機能の障害が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの」とは、両耳の平均純音聴力レベル値が80 デシベル以上で、かつ、最良語音明瞭度が30%以下のものをいう。

5) 「両耳の聴力が、40 センチメートル以上では通常の話声を解することができない程度に減じたもの」とは、次のいずれかに該当するものをいう。
ア 両耳の平均純音聴力レベル値が70 デシベル以上のもの
イ 両耳の平均純音聴力レベル値が50 デシベル以上で、かつ、最良語音明瞭度が50以下のもの
6) 「一耳の聴力が、耳殻に接しなければ大声による話を解することができない程度に減じたもの」とは、一耳の平均純音聴力レベル値が80 デシベル以上のものをいう。
7) 聴覚の障害(特に内耳の傷病による障害)と平衡機能障害とは、併存することがあるが、この場合には、併合認定の取扱いを行う。




眼の障害 障害等級認定基準





眼の障害 障害等級認定基準

認定基準
眼の障害については、次のとおりである。


認定要領
 眼の障害は、視力障害、視野障害又はその他の障害に区分する。
 1) 視力障害
ア 視力の測定は、万国式試視力表又はそれと同一原理によって作成された試視力表による。
イ 試視力表の標準照度は、200 ルクスとする。
ウ 屈折異常のあるものについては、矯正視力により認定する。
矯正視力とは、眼科的に最も適正な常用し得る矯正眼鏡又はコンタクトレンズによって得られた視力をいう。
なお、眼内レンズを挿入したものについては、挿入後の矯正視力により認定する。
エ 両眼の視力とは、それぞれの視力を別々に測定した数値であり、両眼の視力の和とは、それぞれの測定値を合算したものをいう。
オ 屈折異常のあるものであっても次のいずれかに該当するものは、裸眼視力により認定する。
() 矯正が不能のもの
() 矯正により不等像視を生じ、両眼視が困難となることが医学的に認められるもの
() 矯正に耐えられないもの
カ 視力が 0.01 に満たないもののうち、明暗弁のもの又は手動弁のものは視力 0 として
計算し、指数弁のものは 0.01 として計算する。

2) 視野障害
ア 視野の測定は、ゴールドマン視野計及び自動視野計又はこれらに準ずるものによる。
イ ゴールドマン視野計による場合、中心視野についてはⅠ/2 の視標を用い、周辺視野についてはⅠ/4 の視標を用いる。
なお、それ以外の測定方法による場合は、これに相当する視標を用いることとする。
ウ 「身体の機能の障害が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの」とは、求心性視野狭窄又は輪状暗点があるものについて、次のいずれかに該当
するものをいう。
() Ⅰ/2 の視標で両眼の視野がそれぞれ 5 度以内におさまるもの
() 両眼の視野がそれぞれⅠ/4 の視標で中心 10 度以内におさまるもので、かつ、Ⅰ/2 の視標で中心 10 度以内の 8 方向の残存視野の角度の合計が 56 度以下のもの
この場合、左右別々に 8 方向の視野の角度を求め、いずれか大きい方の合計が56 度以下のものとする。
なお、ゴールドマン視野計のⅠ/4 の視標での測定が不能の場合は、求心性視野狭窄の症状を有していれば、同等のものとして認定する。
() 求心性視野狭窄は、網膜色素変性症や緑内障等により、視野の周辺部分から欠損が始まり見えない部分が中心部に向かって進行するものである。
エ 「両眼の視野が 10 度以内のもの」とは、求心性視野狭窄又は輪状暗点があるものについて、両眼の視野がそれぞれⅠ/4 の視標で中心の残存視野が 10 度以内におさまるものをいう。
この場合、上記ウ()のⅠ/2 の測定方法により、残存視野の角度の合計のうち、左右のいずれか大きい方の合計が 57 度以上のものを対象とする。
オ 「両眼による視野が 2 分の 1 以上欠損したもの」とは、片眼ずつ測定し、それぞれの視野表を重ね合わせることで、測定した視野の面積が生理的限界の面積の 2 分の 1以上欠損しているものをいう。
この場合、両眼の高度の不規則性視野狭窄又は半盲性視野欠損等は該当するが、それぞれの視野が 2 分の 1 以上欠損していても両眼での視野が 2 分の 1 以上の欠損とならない交叉性半盲等では該当しない場合もある。また、中心暗点のみの場合は、原則視野障害として認定は行わないが、状態を考慮し認定する。
() 不規則性視野狭窄は、網膜剥離、緑内障等により、視野が不規則に狭くなるものであり、半盲性視野欠損は、脳梗塞等による同名半盲で両眼の視野の左右のいずれか半分が欠損するものである。また、交叉性半盲は、下垂体腫瘍等による異名半盲で両眼の鼻側又は耳側半分の視野が欠損するものである。

3) その他の障害
ア 「まぶたに著しい欠損を残すもの」とは、普通にまぶたを閉じた場合に角膜を完全に覆い得ない程度のものをいう。
イ 「調節機能及び輻輳機能に著しい障害を残すもの」とは、眼の調節機能及び輻輳機能の障害のため複視や眼精疲労による頭痛等が生じ、読書等が続けられない程度のものをいう。
ウ 「身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの」とは、次のいずれかに該当する程度のものをいう。
() 「まぶたの運動障害」のうち、眼瞼痙攣等で常時両眼のまぶたに著しい運動障害を残すことで作業等が続けられない程度のもの
() 「眼球の運動障害」のうち、麻痺性斜視で複視が強固のため片眼に眼帯をしないと生活ができないため、労働が制限される程度のもの
() 「瞳孔の障害」のうち、散瞳している状態で瞳孔の対光反射の著しい障害により羞明(まぶしさ)を訴え、労働に支障をきたす程度のもの

4) 視力障害、視野障害、まぶたの欠損障害、調節機能障害、輻輳機能障害、まぶたの運動障害、眼球の運動障害又は瞳孔の障害が併存する場合には、併合認定の取扱いを行う。