失語症 音韻的治療
音韻的治療の目的は、音韻出力辞書からのアクセスと非語彙ルートからのアクセスにより音韻出力バッファーにおける音韻処理過程を促通することです。
音韻的訓練の対象は2種類に分かれます。
第一は発話表出辞書へのアクセス障害を有する例で、この場合には音韻的治療に意味的治療を併用します。
一方、音韻出力バッファーの障害を有する例では、目標語は正常に活性化されているため音韻操作訓練および仮名文字訓練を行います。
通常の音韻的治療の方法
復唱は発話を促通します。
復唱と文字を組み合わせて使用します。
モーラ数の少ない単語から系統的に行います。
また、非単語により語彙知識によらない刺激を使用することができます。
仮名音読で、復唱的に音を提示することで音読を促進することができます。
文字により音の配列・選択をフィードバックします。
1文字、単語と進め、また斉唱や復唱的音読も行います。
漢字の仮名ふりでは、モーラ数、心像性、親密度、頻度、読みの一貫性を操作することができます。
音韻表象を再構築するための課題
合成課題は、複数の構成要素を合成する(花+時計)。
削除課題では、単語から特定の音を削除する(しまうま-ま)。
反転・逆転課題では、音の配列順を逆にする(すいか→かいす)。
置換課題では単語の語頭・語中・語尾など1文字を変えて、別の単語を作る(テント→テンキ→エンキ→エノキ)。
また、モーラ分解・抽出課題があり、これによりモーラ数を把握する。
仮名文字と結びつけることや音読が重要である。
音節の分節化課題では、単語の語頭・語尾の音節を仮名文字から選択する。
選択肢には音韻的・視覚的特徴の類似した文字を含める。
押韻判定課題は、2語の最終音節の同一性を判断する。
といった訓練があります。
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