眼球運動障害 瞳孔不同 対光反射消失





眼球運動の障害や瞳孔不同、対光反射の消失は、患者が重篤な状態に陥っている可能性を示す。脳死判定基準の中にも、瞳孔の散大と固定、対光反射の消失がある。たとえば、脳幹出血を起こすと眼球運動の中枢障害による正中位固定や、交感神経障害による著しい縮瞳(pinpointpupil)などの特徴的な眼症状を示す。瞳孔径や対光反射の異常は、出血やヘルニアの早期発見につながるため、重要な観察ポイントとなる。

眼症状の観察
対光反射の有無は、光を当てた側の瞳孔反射である直接対光反射、反対側の間接対光反射で評価する。
反射の程度は迅速・緩慢・消失の三段階で示す。
さらに、眼球偏位や瞳孔径の異常がないか観察する。
病側の眼瞼下垂は動眼神経麻痺の可能性があり、眼球運動の異常は動眼、滑車、外転神経の異常を示す。これらは、中脳や橋、頭蓋底部の異常のサインとなるため、重要な観察ポイントとなる。

観察の注意点
瞳孔径
瞳孔径は周囲の光量に影響を受けるため、夜間消灯後は、日中と同じく照明を点け、光に慣れてから観察します。
対光反射
対光反射には直接反射・間接反射があり、耳側から光を入れる必要があります。
LED などの強い光や、長時間光を当てることがないようにします。