栄養と体重


栄養と体重

体重はもっとも重要な栄養状態を表現している指標であり、体重の減少は、身体状況の低下や悪化の変化が現れる前に表出する。体重の減少によって免疫対応能の低下や筋力の低下、呼吸能、体温調節能の低下など自律神経系の障害やうつ状態などが観察される。体重計測の意味は、摂取エネルギーが適量か否かを推測すると共に、現在の体重が適切な体重であるかを調べるためで、必要エネルギーの算定にも用いられ、摂取エネルギーは基礎代謝量や活動状況などの「個人」によって変化する。また消費エネルギーは基礎代謝量や活動量、特異動的作用(食後のエネルギー代謝亢進)などの合計したものが1日の消費エネルギーとなる。さらに、計算上の目標体重を算出し、その数値が患者にとって実現可能な数値か、通常体重(6 ヶ月間変動のない体重)との乖離がないかを確認することが大切である。

※体重計測時の注意として、衣類の重さを計測値より差し引く。例えば下着のみの着用であれば約500g、上着などの着用の場合は1kg 程になるが、夏季と冬季では着衣の種類や枚数も異なるため、靴の重さも考慮して体重を計測する。
また、体重は日内変動や排泄でも変化がある。どんな状況で計測してもいいが、できるだけ同じ条件で計測するのが望ましい。また、自分が計測していない場合は、計測している状況の把握をしておく。