病態失認 評価
病態失認(欠損についての自己意識性の障害)については次の評価尺度が有用です(Bisiach etal、1986)。
0=病気についての一般的な質問に対する答えとして、患者から自発的に障害を述べる。
1=損なわれた機能についての特定の質問に答えて障害を述べる。
2=日常の神経学的検査を通じて明らかにされた後、障害を認める。
3=障害を認めることはない。
例として、左片麻痺の患者に、「何か困っていることがありますか?」と質問して、「左の手足が動かない」と回答すれば、意識性の障害はないと判断します。
「歩けますか」とか、「左手で茶碗がもてますか」と尋ねて、「ああ、左が不自由です」と答えれば、意識性の障害は“1”と判断します。
左手の運動を促して、麻痺を検者と患者が確認して初めて「左が不自由です」と認めた場合には、“2”と評価します。
それでも左の麻痺を認めない場合は、意識性の障害は“3”と判断します。