肩手症候群 評価


肩手症候群 評価

片麻痺を呈する脳卒中では、麻痺側肩の関節可動域制限・痙縮がほぼ全例に認められ、統計により12%には麻痺側前腕・手指部の疼痛・腫張をきたします。

この現象が肩手症候群(Shoulder hand syndrome)であり、主に脳卒中発症後の12か月のリハビリテーションが重要な時期にみられます。

この病態は、麻痺側の筋力低下、痙縮と関節可動域制限が、肩関節の下方亜脱臼をもたらし、麻痺側の知覚低下部では圧迫、過伸展などの損傷による反射性交感神経緊張性ジストロフィー(Complex regional painsyndromeCRPStype1Reflex sympatheticdystrophyRSD))が一因と考えられています。

この肩手症候群は、麻痺側の肩・手の疼痛・腫脹が慢性疼痛化し、日常生活活動(Activities of daily livingADL)や生活の質(Quality of lifeQOL)を損ない、回復期の運動療法などの理学療法や日常活動訓練、検査や治療にも大きな支障をもたらします。

肩手症候群では、診断・重症度基準として、Dieter FBrausShoulder hand syndromeSHSscoreが用いられ、疼痛、腫張、肩関節外転、肩関節外旋障害の程度をスコア化し合計します。

痙痛は、Visual analogue scaleVASなど主観的な評価が主体となります。

脳卒中では、脳内の出血・梗塞部位により脳幹・視床から体性知覚野に至る知覚関連経路の障害により様々なパターンを示します。痺痛よりしびれなどの異常感覚が主体などその性質も多様です。


脳卒中肩手症候群スコア(Dieter FBraus et al1994
.疼痛感覚
0:ない 1:軽度 2;中等度 3:強い4:かなり強い5:誘因なく自発痛
.浮腫(自律神経)
0=ない 1:軽度 2:強い 3:かなり強い
.肩外転可動域
0120°以上 1120°以下 290°以下 345°以下
.肩外旋可動域
030°以上 130°以下 220°以下 310°以下
4項目め合計点数で評価

悪性症候群 概要


悪性症候群 概要

・発症頻度
最近の報告では発症頻度は0.072.2%といわれています。報告によって発症頻度にばらつきがありますが、これは医療機関ごとに対象となる疾患や患者さんの状態、治療のしかたが若干異なるからだと考えられます。

・発症の時期
発症は、薬剤を投与後1週間以内に発症することが多いですが、投与後だけでなく、それまで服用していた薬剤を減らしたり中止した直後に発症することもあります。

・発症のしくみ
脳内には、さまざまな種類の神経伝達経路がありますが、悪性症候群を引き起こす可能性のある薬剤は、共通してドパミン神経系に作用したり影響を与えることから、この神経系に加わる急激な変化が発症に関連していると考えられていますが、まだ詳しい発症の仕組みは分かっていません。また、精神神経用薬を服用する多くの患者さんのうち、この悪性症候群を発症する患者さんはそのごく一部であり、これまで、発症を促進する危険因子についてさまざまな報告があります。

・発症の危険因子
脱水、身体の著しい疲弊状態が危険因子となります。そのほか、脳神経疾患を合併している患者さんに発症しやすいともいわれていますが、発症の頻度がきわめて低いこともあり、十分な検討はなされていません。一方で、過去に悪性症候群を再発した患者さんは再びかかりやすいともいわれており、そういった一部の患者さんについては、遺伝的に規定される何らかの体質要因が発症の危険因子となっているのではないかと考えられています。

悪性症候群 (NMS:Neuroleptic Malignant Syndrome)とは



悪性症候群 (NMS:Neuroleptic Malignant Syndrome)とは

精神神経用薬(主に抗精神病薬)により引き起こされる副作用で、高熱・発汗、意識のくもり、錐体外路症状(手足の震えや身体のこわばり、言葉の話しづらさやよだれ、食べ物や水分の飲み込みにくさなど)、自律神経症状(頻脈や頻呼吸、血圧の上昇など)、横紋筋融解症(筋肉組織の障害:筋肉の傷みなど)などの症状がみられます。 
悪性症候群は、多くは急激な症状の変化を示します。抗精神病薬などを服用後、急な高熱や発汗、神経系の症状などが認められる場合は、悪性症候群発症の可能性を考慮する必要があります。悪性症候群は、放置すると重篤な転帰をたどることもありますので、迅速な対応が必要です。 
あらゆる抗精神病薬は、悪性症候群を引き起こす可能性があり、ほかにも抗うつ薬、抗不安薬、パーキンソン病治療薬、制吐剤などの消化機能調整薬による発症が知られています。また、医薬品の新規の投与や増量だけでなく、パーキンソン病治療薬の減薬による発症も報告されています。

http://www.info.pmda.go.jp/juutoku/file/jfm0804001.pdfより。

拘縮 contracture


拘縮(contracture)とは、皮膚、骨格筋、腱、関節包、靱帯など、関節周囲に存在する軟部組織の器質的変化に由来したROM制限を言いますが、その発生初期段階の責任病巣の中心は骨格筋にあると言われています。そして,拘縮発生時の骨格筋は「硬く、伸びない」と感じ取られることが多いですが、これは筋長の短縮と伸張性低下が生起しているためであり、特に後者は拘縮の進行と関連があります。

心不全の心エコー指標の計測方法


心不全の心エコー指標の計測方法

1)収縮能評価
・左室収縮率(LVEF):ASEのガイドラインにおいて最も勧めている評価法はmodied Simpson法です。心尖部曲腔像および二腔像より心内膜面をトレースし、拡張末期容量および収縮末期容量から求められます。
・左室内径短縮率(FS):Mモード法もしくは断層法を用いて左室面面レベルでの左室拡張末期径と左室収縮末期径を計測し求められます。
・心拍出量(CO)=一回詠出量と心拍数の積で求められます。一回心拍出量の測定には、傍胸骨長軸像で収縮中期の左室流出路径と心尖部長軸像で左室流出路速度時間積分値から求められます。

2)拡張能評価
・左室流入血流速度波形=心尖部アプローチにてドブラビームが左室流入血流に対して平行になるよう断面設定を行い、パルスドブラ法を用いて左室流入血流速波形を記録します。急速流入期血流速波形と心房収縮期血流速波形からなる二峰性です。
・僧帽弁輪部運動:心尖部四腔像にて弁輪部(中隔側あるいは側壁側)にサンプルボリュームを置き組織ドブラ法を用いて僧帽弁輪速度波形を記録します。左室流入血流速波形と同様に拡張早期のE’波と心房収縮期のA’波より構成されます。

3)左室心筋重量(LVM
ASEで推奨されているarealength法が用いられます。左室乳頭筋レベル短軸像を描出し、心外膜面の面積と心内膜面の面積からそれぞれの半径を算出し、その差から平均壁厚と内腔短軸径を算出します。ここで得られた値と、心尖部四腔像または二腔像から左室の最大長径を計測したものとを用い心筋重量を求められます。

4)右室機能評価
fraction area changeFAC)=右室が最も大きく描出される心尖部四腔断面により右室拡張終期と収縮終期の断面を描出し、それぞれの鉛室内膜面をトレースする事で霊室断面の面積を求めて算出します。
・心室弁輪部収縮速度:心尖部白血断面により三尖弁輪もしくは右室基部に自由壁側にサンプルボリュームを置いて組織ドブラ波形を記録し、収縮期に形成される波形であるS’波速度を計測します。
’ tricuspid annular plane systolic excursion
TAPSE)=心尖部四百断面を用いて、右室自由壁側の三尖弁輪の移動距離をMモード法により計測します。

心不全 収縮不全と拡張不全


心不全 収縮不全と拡張不全

心不全の定義では、心不全の成因として心臓の収縮性の低下が強調されていましたが、心臓の収縮・弛緩は一連の現象であり、左室収縮不全が存在する場合には拡張機能の低下も同時に存在することが多いです。
拡張不全の基礎病態は①心室スティフネスの増大②不完全弛緩③心外膜の肥厚による心室拡張障害④富山負荷による左室拡張障害が考えられます。
近年、心筋収縮性が比較的保たれているにもかかわらず、心筋拡張性低下により心不全症状が出現する拡張不全が原因の心不全の存在が明らかになってきました。この病態は高齢者・女性・高血圧患者でよくみられます。

左心不全と右心不全


左心不全と右心不全

心臓への負担や心機能障害は、通常左室に優先して発生します。
左室機能障害によって前負荷が増大すると左室内腔が拡大し、左室充満圧が上昇します。その結果肺うっ血をきたします。右心不全の病態は体静脈のうっ血と末梢浮腫が中心であるが、その発症は左心不全に続発することが多いです。

急性心不全と慢性心不全


急性心不全と慢性心不全

心不全の発現する速さにより急性心不全、慢性心不全に分類されます。
 急性心不全は心筋梗塞や心筋炎による心原性ショック、虚血発作による一過性の左室機能障害、急性発症の弁膜症、高血圧クライシス等による事が多く、その原因疾患の診断に心エコー図検査は優れています。また心エコーの様々な指標を用い、血行動態の異常や心不全の重症度評価を行います。

 慢性心不全は血行動態的な異常だけでなく、心機能障害によって呼吸困難(肺うっ血)や倦怠感(末梢循環障害)などの症状が持続し、運動島島能の減少を特徴とする症候群です。
心臓に虚血・圧負荷・容量負荷などの種々の病的ストレスが加わり心機能が低下すると、心拍数増加や左室の過収縮、血管収縮など機械的な変化に加えて、心肥大・心拡大といった形態的変化により血行動態は代償されます。しかしこのような状態が長期に持続すると心機能は非代償的に悪化の一途をたどり患者の生命予後は極めて不良となります。

心エコーの指標はこちらを参照下さい↓

急性心不全時に用いられる心エコー指標


急性心不全時に用いられる心エコー指標

1.左室機能異常
・左室駆出率(LVEF

2.左室充満圧上昇
・左室流入期血流波形:
   急速流入期血流速波形(E波)
   心房収縮期血流速波形(A波)
   E波減衰速度(Dct
・組織ドブラ法:
   拡張早期の増帽弁論の動き(E’波)
・三尖弁逆流血流速度による収縮期右室右房圧
 較差
・下大静脈径とその呼吸変動
・(上記2つの指標を組み合わせた)推定肺動脈圧

3.心拍出量低下
・左室流入路時間速度(timevelocity indexTVI

4.右前機能異常
・右室および右房サイズ


日本循環器学会 急性心不全治療ガイドライン より。

DAS 上肢機能評価スケール

Disability Assessment ScaleDASは上肢機能の評価スケールで、上肢痙縮に対するボトックス®の国内臨床試験で用いられました。
このスケールでは、手の衛生状態、肢位、疼痛、着衣動作の4項目について、034段階で評価を行います。


手の衛生状態(Hygiene
浸軟・潰瘍形成・手掌感染の程度、手掌および手の清潔さ、手洗いができるか、爪の手入れができるか、衛生に関わる障害がどの程度、日常生活の妨げになっているかを評価する。

肢位(Limb position
上肢の位置異常がどの程度、身体的、心理的、社会的に日常生活に影響を与えているかを評価する。

疼痛(Pain
上肢痙縮に関連する疼痛または不快感の程度がどの程度、日常生活に影響を与えているかを評価する。

着衣動作(Dressing
患者が衣服(シャツ、上着、手袋など)の着脱をどの程度、容易にできるか、また、上肢の位置異常が更衣動作に関して、どの程度、日常生活の妨げになっているかを評価する。


以下の4つの基準により評価する。
0: 障害なし

1: 軽度の障害

2: 中等度の障害

3: 高度の障害

MAS 筋緊張評価スケール

筋緊張評価スケール Modified Ashworth ScaleMASは、1964年にAshworthによってAshworth Scale』として最初に報告された痙縮の臨床評価法(四肢の関節の他動運動の抵抗量を5段階にグレード化したもの)を、その後、Bohannonら」によって6段階に修正したものです。

上肢痙縮・下肢痙縮に対するボトックス®の国内臨床試験では、有効性の主要評価項目としてMASが用いられています。
このスケールでは、筋緊張の程度を046段階で評価します。

0:筋緊張の亢進はない。

1:軽度の筋緊張亢進がある。
引っ掛かりとその消失、または屈曲・伸展の最終域でわずかな抵抗がある。

1+:軽度の筋緊張亢進がある。
明らかな引っ掛かりがあり、それに続くわずかな抵抗を可動域の1/2以下で認める。

2:よりはっきりとした筋緊張亢進を全可動域で認める。
しかし、運動は容易に可能。

3:かなりの筋緊張亢進がある。
他動運動は困難。

4:患部は硬直し、屈曲・伸展は困難。

Bohannon,R.W.,Smith,M.B.:Interrater reliability of a modified Ashworth scale of muscle spasticity. Phys.Ther.,67:206-207,1985.

スパズム spasm

スパズム spasm。英語で、痙けい縮、けいれんの意味です。
スパズム(spasm)は血管攣れん縮の意味で使われることが多いが、本来の意味は痙縮やけいれんで、発作という意味もあります。
ギリシア語のspasmos(けいれん、ひっぱる)からきた言葉です。血管をあらわすラテン語vasに由来する接頭語vasoとくっつくとvasospasm(血管攣縮)ということになる。この略語として「スパズム」が使われることが多いようです。

エント(ent)とは


エント(ent)とは

エント処方、エント指示のように使われるエント(ent)は、ドイツ語の動詞entlassenからできた言葉です。
それぞれ退院処方、退院指示ということになります。
entlassenはもともとは“開放する”という意味で、“卒業する、釈放する”という意味もあります。
entは接頭語で、“何かから離れる”という意味ですので、entだけでは、本当は“退院”の意味はありません。
英語では、退院のことはdischargeと言います。
患者さんの退院のときの笑顔は、何にも増して、私たち医療スタッフへのご褒美です。

乱数生成(random number generation)

乱数生成(random number generation)

模擬において不確実な現象の一つが生じることの代替手段として、乱数を生成させて用いることがある。確率が一様である場合には一様乱数を用いる。確率事象が一様でない分布になるなら、それぞれの分布曲線に合せた乱数を用いる。一様乱数を生成した後にそれを分布関数やファジー関数で加工してもよい。 例えば、記憶が時間とともに薄れていくという現象は、「Y=一X+1」という単純な分布関数に合せて0~1の範囲の乱数を生成してもよい。乱数生成はコンピュータのプログラミング言語が関数として用意しているし、除算などで自分で生成してもよい。

関節可動域(ROM) 頸部

関節可動域(ROM) 頸部


屈曲 60°
基本軸:肩峰を通る床への垂直線
移動軸:耳孔と頭頂を結ぶ線


伸展 50°
基本軸:肩峰を通る床への垂直線
移動軸:耳孔と頭頂を結ぶ線


回旋 60°
基本軸:両側の肩峰を結ぶ線への垂直線
移動軸:鼻梁と後頭結節を結ぶ線


側屈 50°
基本軸:第7頚椎棘突起と第1仙椎の棘突起を結ぶ線
移動軸:頭頂と第7頚椎棘突起を結ぶ線





尿検査項目基準値一覧

尿検査項目基準値一覧


尿定性
項目:色調 測定法:目視法 基準値:淡黄
項目:混濁 測定法:目視法 基準値:(-)
項目:亜硝酸塩 測定法:試験紙法 基準値:(-)
項目:比重 測定法:試験紙法 基準値1.0051.030
項目pH 測定法:試験紙法 基準値5.07.5
項目:蛋白定性 測定法:試験紙法 基準値:(-)
項目:糖定性 測定法:試験紙法 基準値:(-)
項目:ケトン体 測定法:試験紙法 基準値:(-)
項目:ウロビリノーゲン 測定法:試験紙法 基準値:(±)
項目:ビリルビン 測定法:試験紙法 基準値:(-)
項目:潜血 測定法:試験紙法 基準値:(-)

尿定量
項目:蛋白定量 測定法:ピロガロールレット法  基準値0.020.0mg/dl
項目:糖定量 測定法:ヘキソキナーゼ比色法 基準値0.00~0.02g/dl


複合性局所疼痛症候群 (complex regional pain syndrome, chronic regional pain syndrome:CRPS)

複合性局所疼痛症候群 (complex regional pain syndrome, chronic regional pain syndrome:CRPS)

●複合性局所疼痛症候群とは、外傷などによる組織損傷後に、その原因事象の程度とは不釣合いに強くかつ長期に渡って持続し、原因事象と直接因果関係のない浮腫・皮膚血流変化や発汗異常を伴う慢性疼痛症候群であり、時に重度の運動障害をきたす。
●従来、四肢の外傷後、その部位や程度とは一致しない激しい慢性の疼痛を生じ、浮腫や血管運動異常など交感神経症状を伴うものを反射性交感神経性ジストロフィー(reflex sympathetic dystrophy:RSD)と呼び、外傷が神経損傷に及ぶ場合をカウザルギー(causalgia)と呼んでいた。1994年の世界疼痛学会では両者を統合して、複合性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome, chronic regional pain syndrome:CRPS)とし、RSDをtypeⅠ、カウザルギーをtypeⅡとした。
●医療行為に伴う報告事例:神経近傍を穿刺する手技(動脈穿刺、神経麻酔時)、静脈穿刺時、鎖骨下静脈穿刺時、静脈点滴、造影CT、ペースペーカー植込み時など
●静脈穿刺における発生頻度:軽症も含めると静脈穿刺の約6000人に1例、重症例は150万人に1例

複合性局所疼痛症候群を防ぐための対策
●手関節付近での穿刺はさける
●必要以上に深く穿刺しない
●同じ箇所を何回も穿刺しない
●神経刺激症状が出現したらすぐに抜針する

複合性局所疼痛症候群(CRPS)の診断基準
次の①、②、③を満たすこと。
① 障害の程度とは一致しないような痛み、異疼痛(allodynia)、痛覚過敏
② 痛みのある部分にある時点で浮腫、皮膚血流の変化、汗腺刺激性の活動を示す状態が発生すること
③ 痛みと機能不全の程度を説明するような他の状態がないこと 上記の痛みに関係した神経の障害がない場合はtypeⅠ(RSD)、ある場合はtypeⅡ(causalgia)と分類される

GAF 尺度 機能の全体的評定

GAF 尺度 機能の全体的評定

精神的健康と病気という1つの仮想的な連続体に沿って、心理的、社会的、職業的機能を考慮せよ。身体的(または環境的)制約による機能の障害を含めないこと。
コード(注:例えば、45、68、72のように、それが適切ならば、中間の値のコードを用いること)

100-91
広範囲の行動にわたって最高に機能しており、生活上の問題で手に負えないものは何もなく、その人の多数の
長所があるために他の人々から求められている。症状は何もない。

90-81
症状がまったくないか、ほんの少しだけ(例:試験前の軽い不安)、すべての面でよい機能で、広範囲の活動に興味をもち参加し、社交的にはそつがなく、生活に大体満足し、日々のありふれた問題や心配以上のものはない
(例:たまに、家族と口論する)。

80-71
症状があったとしても、心理的社会的ストレスに対する一過性で予期される反応である(例:家族と口論した後の集中困難)、社会的、職業的または学校の機能にごくわずかな障害以上のものはない(例:学業で一時遅れをとる)。

70-61
いくつかの軽い症状がある(例:抑うつ気分と軽い不眠)、または、社会的、職業的または学校の機能に、いくらかの困難はある(例:時にずる休みをしたり、家の金を盗んだりする)が、全般的には、機能はかなり良好であって、有意義な対人関係もかなりある。

60-51
中等度の症状(例:感情が平板的で、会話がまわりくどい、時に、恐慌発作がある)、または、社会的、職業的、または学校の機能における中等度の障害(例:友達が少ない、仲間や仕事の同僚との葛藤)。

50-4
重大な症状(例:自殺の考え、強迫的儀式がひどい、しょっちゅう万引する)、または、社会的、職業的または学校の機能において何か重大な障害(友達がいない、仕事が続かない)。

40-31
現実検討か意思伝達にいくらかの欠陥(例:会話は時々、非論理的、あいまい、または関係性がなくなる)、または、仕事や学校、家族関係、判断、思考または気分、など多くの面での粗大な欠陥(例:抑うつ的な男が友人を避け家族を無視し、仕事ができない。子どもが年下の子どもを殴り、家で反抗的で、学校では勉強ができない)。

30-21
行動は妄想や幻覚に相当影響されている。または意思伝達か判断に粗大な欠陥がある(例:時々、滅裂、ひどく不適切にふるまう、自殺の考えにとらわれている)、または、ほとんどすべての面で機能することができない
(例:一日中床についている、仕事も家庭も友達もない)。

20-11
自己または他者を傷つける危険がかなりあるか(例:死をはっきり予期することなしに自殺企図、しばしば暴力的、躁病性興奮)、または、時には最低限の身辺の清潔維持ができない(例:大便を塗りたくる)、または、意思伝達に粗大な欠陥(例:ひどい滅裂か無言症)。

10-1
自己または他者をひどく傷つける危険が続いている(例:何度も暴力を振るう)、または最低限の身辺の清潔維持が持続的に不可能、または、死をはっきり予測した重大な自殺行為。

0
情報不十分


前頭側頭型認知症の臨床診断特徴


前頭側頭型認知症の臨床診断特徴

性格変化と社会的接触性の障害が病初期から全疾患経過を通して優勢な特徴である。
知覚,空間的技能,行為,記憶などの道具的機能は正常か比較的良好に保たれる。

Ⅰ 中核的診断的特徴(すべて必要)
 A.症状は潜行性に発症し徐々に進行
 B.社会的対人行動の早期からの障害
 C.自己行動の統制の早期からの障害
 D.早期からの情意鈍麻
 E.早期からの病識の欠如

Ⅱ1 支持的診断的特徴
 A.行動異常
  1.自己の衛生や身なりの障害
  2.思考の硬直化と柔軟性の消失
  3.注意の転導性の亢進と維持困難
  4.過食,口唇傾向と食行動変化
  5.保続的行動と常同的行動
  6.使用行動

 B.発話および言語
  1.発話量の変化
   a.自発性の低下と発話の簡素化
   b.発話促迫
  2.常同的発話
  3.反響言語
  4,保続
  5.無言症

 C,身体所見
  1.原始反射
  2.失禁
  3,無動,固縮振戦
  4.低く不安定な血圧

 D.検査所見
  1.神経心理学的検査二重度の健忘・失語・空間認知障
   害を伴わない明らかな前頭葉機能検査の異常
  2、脳波検査:臨床的に明らかな認知症症状があるにも
   かかわらず通常の脳波検査では正常
  3.脳画像検査(形態および/または機能画像):前頭葉
   および/または前部側頭葉の著明な異常

病態失認 評価


病態失認 評価

病態失認(欠損についての自己意識性の障害)については次の評価尺度が有用です(Bisiach etal1986)。

0=病気についての一般的な質問に対する答えとして、患者から自発的に障害を述べる。

1=損なわれた機能についての特定の質問に答えて障害を述べる。

2=日常の神経学的検査を通じて明らかにされた後、障害を認める。

3=障害を認めることはない。

例として、左片麻痺の患者に、「何か困っていることがありますか?」と質問して、「左の手足が動かない」と回答すれば、意識性の障害はないと判断します。

「歩けますか」とか、「左手で茶碗がもてますか」と尋ねて、「ああ、左が不自由です」と答えれば、意識性の障害は“1”と判断します。

左手の運動を促して、麻痺を検者と患者が確認して初めて「左が不自由です」と認めた場合には、“2”と評価します。

それでも左の麻痺を認めない場合は、意識性の障害は“3”と判断します。

予防接種不適当者及び接種要注意者 (定期予防接種)


予防接種不適当者及び接種要注意者 (定期予防接種)


予防接種不適当者(予防接種実施規則第6条に規定)

①明らかな発熱を呈している者

②重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者

③当該疾病に係る予防接種の接種液の成分によって、アナフィラキシーを呈したことが明らかな者

④急性灰白髄炎(ポリオ)、麻疹及び風疹に係る予防接種の対象者にあっては、妊娠していることが明らかな者

⑤その他、予防接種を行うことが不適当な状態にある者



接種要注意者(予防接種実施要領に規定)

①心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患及び発育障害等の基礎疾患を有することが明らかな者

②前回の予防接種で2 日以内に発熱のみられた者、又は全身性発疹などのアレルギーを疑う症状を呈したことがある者

③過去にけいれんの既往のある者

④過去に免疫不全の診断がなされている者

⑤接種しようとする接種液の成分に対してアレルギーを呈するおそれのある者

ねぎの栄養成分

ねぎの栄養価は高く、血液サラサラ効果のほかにも糖尿病や高血圧、動脈硬化改善に有効です。白い部分には糖質が多く、ビタミンC、カリウム、カルシウムなどを含み、緑の葉にはカロテン、ビタミンC,カルシウム、鉄が豊富。酢と合わせて食べれば、血液サラサラ効果は倍増します。

詳しくはこちら↓
ねぎの栄養成分

四肢長 測定

四肢長 測定

上肢長:肩峰外側端~橈骨茎状突起

上腕長:肩峰外側端~上腕骨外側上顆

前腕長:上腕骨外側上顆~橈骨茎状突起

手長:橈骨茎状突起と尺骨茎状突起を結ぶ線~中指先端

上肢実用長:健側上肢腋窩下縁~母指先端

上腕断端長:切断側上肢腋窩下縁~断端末レベル

前腕断端長:切断側上腕骨内側上顆~断端末レベル

指極:中指先端~中指先端(身長に比例)

極果長:上前腸骨棘~内果

転子果長:大転子~外果

大腿長:大転子~大腿骨外側上顆(膝関節列隙)

下腿長:大腿骨外側上顆(膝関節列隙)~外果

足長:踵後端~第2足指

下肢実用長:座骨結節~床面

大腿断端長:切断側座骨結節~断端末レベル

下肢断端長:切断内側膝関節列隙~断端末レベル

意識障害とは JCS GCS


意識障害とは JCS GCS

意識障害とは
“意識の清明度の低下”を意味する。意識レベルは、生命を脅おびやかす重篤な状態が頭蓋内に起こっている可能性を示すバイタルサインであり、脳神経疾患患者の看護を行ううえで重要な評価項目である。
意識レベルの評価には、観察者が共通の評価方法を理解し、用いる必要がある。
たとえば、「開眼している」という所見は覚醒状態を意味する1 つの要素に過ぎない。
1 つの要素という意味は、眼がん瞼けん浮腫で開眼できない場合があるからである。
その場合、指示に応じることができれば「覚醒している」と判断できる
このように、開眼の有無だけにとらわれて意識障害を判断しようとすると、誤った評価をしてしまう可能性がある。

意識レベル評価のポイント
意識レベルはスケールでは表現しきれないことがある。「いつもと何か、ちょっと違う」という観察者の感覚は、寝ていることが多い、食事が進まない、動作に時間がかかる、目つきや表情が違うなど、日常生活動作のなかで気付くことが多く、変化に気付いた場合にはスケールを用いて評価する必要がある。

詳しい評価はこちら↓

SDS 自己評価式抑うつ性尺度

SDS(Self-rating Depression Scale)自己評価式抑うつ性尺度は、1965年にDuke(デューク)大学のZung(ツァング)によって考案されたうつ症状の自己評価尺度である。日本語版は東北大学の福田と筑波大学の小林により翻訳・再構成されて三京房から発行されている。
SDS はうつ病患者のうつ症状の程度を評価することを目的に開発された。

現在では、うつ病の治療経過を追うための指標として用いたり、うつ病のスクリーニングにも活用されるようになった。SDS を用いることでプライマリケア医のうつ病診断率が2.525倍向上するといわれている。SDS はうつ症状を簡便にかつ定量的に評価することをねらいとしている。したがって10分以内で回答できるよう質問項目を絞って質問内容も簡単にしている。SDS は自己評価尺度とされているが、ここで言う「自己評価」とは「自己回答」の意味で、採点や結果の判断は検査者が行うのが原則である。SDS はあくまで診断の補助ツールであり、うつ病の最終診断はトレーニングされた医師が行わなくてはならない。

SDS 20の質問項目で構成される。各項目は「ないかたまに=1点」、「ときどき=2点」、「かなりの間=3点」、「ほとんどいつも=4点」の4段階で評定され、総得点でうつの程度を示す。ただし全項目の半分にあたる10項目は逆転項目になっている。逆転項目とは例えば「まよわず決断できる」というように質問の仕方を陽性に変えたもので、4 3 2 1点と逆に採点するようになっている。これら逆転項目の順番は入り交じっているため、回答者がパターンをわからないように工夫されている。総得点の最低得点は20点、最高得点は80点となり、点数が高い程うつの程度が高いことを意味する。

福田一彦・小林重雄の使用手引によると、総合得点を百分率に換算(1.25を乗じた数)したSDS指数(SDS index)と呼ぶ考えもあるが、あえて換算する理由はないので、粗点をもとに考えて構わないとしている。
日本版(粗点)において、正常者の平均(±標準偏差)は35±8、神経症者49±10、うつ病者60±7であり、うつ病においては殆ど性別差を見ない。下記のような点数分布もよく利用される。

評価用紙例はこちら↓
http://www.nmckk.jp/pdf.php?mode=puball&category=JJCD&vol=24&no=7&d1=2&d2=1&d3=3


SDS粗点
粗点
評価
~49点
正常
50点~59点
軽度のうつ状態
60点~69点
中等度~高度のうつ状態
70点~
極度のうつ状態