推奨
高齢や重症の脳卒中患者では特に消化管出血の合併に注意し、抗潰瘍薬(H2受容体拮抗薬)の予防的静脈内投与が推奨される(グレードC1)。
エビデンス
急性期脳卒中の3%が消化管出血を起こし、その半数は重症であった。高齢者、重症の脳卒中で特に多い傾向であった。抗血栓薬の使用は有意な危険因子ではなかった。消化管出血を起こした例の予後は不良である。
脳卒中や頭部外傷などを含めた救急症例における消化管出血に対するH2受容体拮抗薬には有効性が示されているが、脳卒中症例のみを対象とした報告はない。
一方、6時間毎のスクラルファート1gの内服の、脳出血急性期における胃出血の予防に関しては、プラセボと有意差はなく、また8時間毎のH2受容体拮抗薬ラニチジン50mgの静注にも、有効性はみられなかった。